彼女は神様。彼女は下僕。

神様は私を撫でる。
彼女の掌は柔らかくて温かい。
神様は私を外へと連れ出す。
彼女はその行為を散歩という。
草花の薫り、木漏れ日、風音、土。
外は全てが美しい。
神様は私に食べ物を与える。
彼女がいるから私は生きれる。
野良犬だった私にとって彼女は神様。

彼女は私を撫でる。
彼女の掌は柔らかくて温かい。
彼女は窓を開け放つ。
私が外へ行けるように。
彼女は私に食べ物を与える。
彼女がいるから私は鼠狩りをしなくても生きれる。
野良猫だった私にこの女はなぜこんなに尽くすのかまるで検討もつかないが、
きっと彼女にとって私は神様なのだろう。

彼女は神様。彼女は下僕。

彼女は神様。彼女は下僕。

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-03-14

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted