monologue 1
80年代後半に一世を風靡した、とある女性アイドルの一大グループは、同時に、女性アイドルというものに対する世間の評価を極度に低下させた。
そのため、新たにデビューする若い女性歌手たちは、アイドルと呼ばれること自体を拒否するようになった。
そこで出てきた別の呼び名が、J-POPのアーティストである。
ただし、アーティストにはアーティストとしての厳しさがあるのだが、業界としては、単に商売になる新たな呼び名を必要としただけであって、アーティストとしての厳しさまでも含めた内実を伴わせようという思いは無かった。
特別な存在と見せかけるために過去の偉大な先達たちとの比較は避け、海外のミュージックシーンは別の存在として同じ地平線上には無いものであるかのように提示し、かくてスポットライトを当てられた者たちをまるで絶後の存在であるかのように思い込ませることで――また、TVドラマ等とのタイアップによるヒットの方程式が発見され、その効力が未だ薄れ始めていない時期だったために――J-POPは隆盛を極めたが、それは所詮、作り物の栄冠であって、先細りにならざるを得ないものであった。
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2があるかは未定です。