『 ふるさと 』

真っ赤な三角お屋根の僕の家は、押し寄せる重機たちを跳ね飛ばした。

「───」

声にならない声が響く。
振り回す両腕に、白蟻と鼠が群がっていた。
息があがってる。
彼は、必死だ。

「ごめん」

壊す事を決めたのは僕たちなんだ。
ごめんね、僕たちの家。

『 ふるさと 』

『 ふるさと 』

極短小説。

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-03-13

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