朧月夜

朧月夜

感情整理

見上げるといつも


夜空が好きで

日常の喧騒を忘れて夜中の空を見上げる

張り詰めた静かな夜に

ぼんやりと浮かび上がる朧月

星は隠れて見えない

都会のネオン全て消えてしまえばいいのに

光が無ければ無いほど

見上げる夜空は美しくなる

醜い争いに疲れても

心が疲れ果ててても

美しい夜空は変わらない

優しい光で包み込んでくれる

寂しい気持ちも和らげてくれる

朧月のような人を見つけてから

更に月を見上げる事が増えた

ネオンよりも綺麗な夜空が見たい

人工的な光に魅力は感じない

自然のままがなによりも美しい

儚く強い光

傷を負いながらも
ただ前を見て
真っ直ぐに

邪魔な雲も周囲も
満遍なく優しく光を注ぐ

誰かのために

必要とされているから

何かが突き動かし

絶えずに優しく包む

海のように深く黒く
暗い瞳

時折闇に呑み込まれ
もがきながらもまだ光へ

誰かを輝かせるために影にもなる

見ていて苦しい

壊れそうな心を
奮い立たせ
やりきれない気持ちを
自分で飲み込み

壊れてもまだ独り

誰か月を照らしてあげて
眠らせてあげて

私では役不足

優しさと愛で満たしてあげて欲しい

脆くても誰よりも強くあろうとする姿が
心を揺らす

強く優しい月を見て
まだ生きて行こうと思った

自分が太陽のように
強くなれたら
いつかその傷を包み込めたら
それ以上の幸せはないだろう

歩き続けたい

守り続ける
何度も何度も

生まれてから今まで
長い時間をかけて育ててきた
自分というもの

思い悩んで試して間違えて
悔しくて情けなくて
泣いて
人を羨み妬み妬まれ
横取りされて我が物顔されて
報われなかった努力を呪い
泣いて
気にしないふりも出来なくて
力を付けるしかなくて
空回りして失敗して
泣いて

それでも歩き続けて
やっとぼんやりと見えてきた
大切なもの

一つ一つ積み重ねて
大切にして
気がつけば隣に居た筈の人達は
遥か遠くへ

これでいい

自分にとって大切なものが見えなくなる位なら
いっそ一人になりたかった

これからもずっと
自分の道を一歩一歩
大切に生きていたいから

朧月夜

読んで頂いてありがとうございました

朧月夜

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-03-10

Copyrighted
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  1. 見上げるといつも
  2. 儚く強い光
  3. 歩き続けたい