夜に埋もれて
君は眠っている
寝返りのせいで捲れた布団を
そっと、たっぷりと、かけ直す
夜が更けていく
君は君以外の何でもない
僕は僕以外の何でもない
それが僕の答えだ
朝はまた来る
全てをリセットする朝は
こんな僕もゼロに戻すだろう
そうして僕は煙草をふかして
君が作ったサンドイッチと
手作りのラテを流し込む
全てを忘れて、流し込む
くいっ、と伸びをした
背骨が軋む音がした
はたと思いついて
紙の上でペンを走らせる
僕の前髪に触れた君が
前髪伸びたね、と笑った
全てが白紙の今日を
生きる僕が、君の寝顔と
床屋に行くことを忘れないように
僕はこの詩を書いている
夜に埋もれて