夜に埋もれて


君は眠っている
寝返りのせいで捲れた布団を
そっと、たっぷりと、かけ直す

夜が更けていく

君は君以外の何でもない
僕は僕以外の何でもない
それが僕の答えだ

朝はまた来る

全てをリセットする朝は
こんな僕もゼロに戻すだろう
そうして僕は煙草をふかして
君が作ったサンドイッチと
手作りのラテを流し込む
全てを忘れて、流し込む

くいっ、と伸びをした
背骨が軋む音がした
はたと思いついて
紙の上でペンを走らせる

僕の前髪に触れた君が
前髪伸びたね、と笑った

全てが白紙の今日を
生きる僕が、君の寝顔と
床屋に行くことを忘れないように
僕はこの詩を書いている

夜に埋もれて

夜に埋もれて

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-03-09

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