キズナ

キズナ

             _あなたはこの恋を許せますか?_

風が強い

強く強く風が吹いている

わたしも

この風のように堂々といられたらここに私は今立っていないのだろう

ここは24階建てマンションの屋上
この美しい夜景の中に
私と同じ気持ちの人がいるのかな

「あと一歩・・・。」

あと一歩進めば
私はこの大都会のど真ん中に落ちる
24階建てだし

「絶対即死・・・あはは」

なんでこんなことするかってゆうと・・・。


1年前のあの日

私の中から幸せが消えた日

花びら

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「ごめん」

「あやまらないでッ・・・・。」
初めて告白して
初めて振られた・・・。

相手は兄・・・。
母の再婚相手の連れ子で5年間片思いをしていた。

血はつながっていない・・・そうおもってた

「俺もおまえが好きだよ」
「え・・・?」

彼は続ける

「俺達は本物の兄弟なんだ。」
「・・・は?・・・・」
訳が分からない
年が5つも離れているのに
そんなことありえない

「嘘・・・・うそッ!うそ!!!!」
「落ち着いて・・・。」
「やだッ!やだッ!そんなの嘘だッ!」
泣きじゃくる私をかれは強く抱きしめた

「ごめんッ・・・・・・ホントに黙っててごめんッ」
「やだぁ・・・お兄ちゃんと本物の兄弟なんてッうッ・・やだあ!」
「んな・・・・・・」
「やだ・・・。」

「安奈!!!!!」


「ごめんな・・・・・。」
「なんで・・・・」

「え?」
「どう・・して」

私は走り出していた
その日
私が家に戻ることは無かった。

再会

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「はあぁ」

今日も踏み出せずに終わっちゃたー・・・。
1年前のあの日から私は毎日ここにきている

1年前のあの夜わたしはこのマンションの4階から飛び降りた
奇跡的にたすかったが

わたしは一番大切な人を失った

兄は・・・
柳(りゅう)は責任を感じ私の退院から1週間後私の前から姿を消した

後悔した

告白なんかしなかったら『兄弟』でも
傍に居られたのに・・・・。

わたしは非常階段の最後の一段をおり終り
岐路へ向かった

「ただいま・・・。」
わたしの声と同時に携帯の着信音が鳴った

「もしもし・・・・。」
「あー安奈?」
幼馴染のかなただった
「うん・・・・。」
「なんか俺の家の前におまえの・・・

プップーーーーー!!!

がきてんだよね」

外で車のクラクションが鳴ったらしく
重要なところが聞こえなかった
「いまなんて・・・・」
「とりあえず早く来いよ!・・・プープー・・・」

わたしはとりあえず
かなたの家に行ってみることにした

「安奈また出かけるの?!」
「うんゴハンいらないから・・・・。」
「ちょ・・・あん・・・」

母のことばを無視して家をでた

笑顔

一瞬自分の目を疑った

目の前には
大好きだったあの人が立っていた。

「お・・にぃちゃ・・・・」
「じゃあおれここで失礼しますね柳サン!」
「うん・かなたくん迷惑かけてごめんね・・・?」
「じゃッ!安奈おまえもまたな!」


彼はにっこりわらってこう言った
「ご飯たべにいこっか?」
「・・・。」

高そうなレストランにつくとわたしは耐え切れずくちをひらいた

「なんで?」
「なにが?」

「だからッ!なんでいきなり消えて・・・・・またかえってきたのッ・・・・・」

なんで・・・そんな切ないかおするの・・・

「親父に連れ戻されたんだ・・・。」
「は??」

ばかだった
あわよくば『わたしのため』なんて言葉をきたいしていた自分が恥ずかしくなる

「いきなり居なくなったりしてごめん」

悪いのはわたしだ

後悔してたから・・・・・。

会いたかった・・・。そういえたら
どれだけ気が軽くなるんだろう?

「なんでかなたのいえにいたの?」

でてくるのはこんなかわいげのない言葉だけ

「なんか帰りづらくってさぁ」

苦笑いに苦笑いを返す

「もう・・・・かえる」

メイワク

「もう・・かえるの・・・?」

「うん。」

かれは気まずそうな顔をした
「あのさ・・安奈俺・・・」
「わたしはッ!!!!」

手のひらから血が出るんじゃないかってくらい
こぶしを握る

「わたしはおにいちゃんの前に居ちゃいけないの・・・。」
「おい・・・・安奈・・お前何言ってんだよ!」

わたしは駆け出した
今日も家に帰れなさそうだ

「安奈ッ・・・・・。」
つよく手首をつかまれ
駆ける足をとめた

「迷惑かけたくないの」
「迷惑なんて・・・・。」

笑おう
笑うしかないや
お兄ちゃんの事なんか
きれいさっぱり

忘れてしまおう


「バイバイ おにいちゃん」

出会い

おにいちゃんに別れを告げて
お兄ちゃんはお父さんに連れ戻されても同じ町で
一人暮らしをするようで
顔をあわせることは無かった
三ヵ月後
わたしはぶじ高校受験を成功させて
普通の高校に入学した。

「安奈ちゃん!わたし加奈子っていうんだ!一緒に学校いこ!?」

そう話しかけてきたのは
クラスで一緒になった藤田 加奈子ちゃんだった
嬉しかった
中学校でこんな性格のよさそうでわたしと会いそうな子なんて居なかったから・・・。
「うっ・・・うんッ!!!」
「安奈ってよんでもいいかな!?」
「うん!じゃ・・・じゃあわたしも・・・加奈子ってよんでいいかな??」
「もっちろんだよぉ!」

加奈子とわたしは中をどんどん深めて
なんでも話せる中になっていた

あのこと意外は・・・。

「ねぇねぇ!安奈さ合コンいったことある!?」
「え?!ごうこん?なッないよそんなのッ!!」
「実はね中学の友達に誘われたんだ!2人足りないんだって!いかない?!」

・・・・・おにいちゃん・・・・・・

「いくよ・・・いく!合コン」

***

合コン当日
いつもよりすこし派手なコーディネイトをして加奈子と落ち合った
「安奈ちょーかわいいッ!」
「えッそうかなあ?加奈子のほうが100倍かわいいよッ!」
「やっぱり?なーんちゃって!じゃあいこっか!」

待ち合わせ場所はどこかのカフェのようだ
『CAFE AELBO』
「なんかおしゃれなカフェだねッ!」
「う・・・うん」


「あッ!かぁーなこッ!」
「裕香ー!!!!久しぶり!!」
「えーっとこっちの子は?」

私のことだろう

「あッあの柏木 安奈です!よろしくお願いします」

「裕香ちゃーん!!誰ぇ?そのかわいい女の子ぉ?」
「おい・・・。おまえ軽すぎ」

身長が少し小さめの
かわいい系の男の子のよこに彼は居た

身長が高くて
髪は短髪


「きれい・・・・。」

それが彼との出会いだった

「とりあえず甘いものでいいかな?」

彼は 吉本 藍(よしもと あい)というそうだ、
あんまり見つめるわけにもいかず・・・。

すごい・・・・きになる・・・

カフェを出た後6人でカラオケへむかった
藍さんもわたしも全然うたわなくってみているだけ・・・・。

そのまま合コンはお開きになった

「あれッ?安奈どこいくの?」
「ちょっとトイレ・・・かな・・」

「はぁ・・・・・・。なにもはなせなかった・・・。」
通路のかべにもたれてつぶやいた

「くっそー・・・まじで俺ってだめなやつだなー・・・。」

となりの通路からもう一人のこえがきこえた

ぱちッ

「え?」

「んぁ?」


藍さんだった

藍さん・・・
ねらってる女の子いたんだ
なんとなく胸がチクチクした

「あ・・・あのさあ・・・・。」
「え?」

「さっきから話してみたかったんだけど話しかけれなくて・・・」
「えッあッ・・・わたし・・・ですか?」

「お・・・おう」

「あんなー!?!?どーこー?もうかえるよー?」

「あ・・・加奈子きちゃう・・・」
「あーじゃあアドレスおしえて!!」
「あ・・え・・・は・・・はい!」



「加奈子!ごめん遅くってトイレ混んでてさ」
「藍君もいないんだよねぇあッ!藍君みつけたー!」

藍さんは子供みたいな笑顔でわたしにわらいかけた」

***

「♪~♪~」

件名:なし
FROM:吉本 藍

本文:

さっき慌ただしくってごめんな


「あは・・・ッ」

わらってしまった
藍君らしいCOOLなメールだった

何通かメールのやり取りをつづけ今度曽比に行こうという話になった

『なにかたべたいものとかある?行きたいところとか』
  『とくにないよ!』
『じゃあとりあえずあまいものでいい?』
  『藍君甘党なの?』
『ばれた?』

嬉しかった
藍訓とメールしていると辛かったことが浄化されていく気がした

キズナ

キズナ

  • 小説
  • 短編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-03-04

Copyrighted
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  1. 花びら
  2. 再会
  3. 笑顔
  4. メイワク
  5. 出会い
  6. 「とりあえず甘いものでいいかな?」