アビリティーパーソンズ3

拓馬の忠告を受け、中央南司令部を目指すことにした猛は自分なりにPUCDを探し出すためある決断をする。

アビリティーパーソンズ3

PUCDを捜し始めて3日目だが西氏拓馬に教えてもらった情報だと一人で捜すのは無理だと分かったので俺はある覚悟を決めた・・・軍人になる。それもこの国の、というかこの統一国、ユナイテッドの特殊任務能力者に。略称、AMPに所属すれば単独で行動できるのに加え、部下が居る場合や、個人で動いている場合でも警察などに調査依頼等をすることができる為、真西透が居る中央南司令部を目指すことにした。
ユナイテッドでも、俺が居るここは元日本国。今は日本県と言われている。アメリカだった場所はアメリカ県。等統一された後は県になっている。


「っか~!!都会ってすげーな!」
都会の雰囲気につい声が出てしまった。中央南司令部を目指そうとしているが今、あることに気づいてしまった。
場所が分からない・・・とりあえず人に聞こう!
「す、すみません。中央南司令部ってどこにありますか?」
・・・・・何人にも声をかけるが誰も答えてくれない。そればかりか哀れみの顔を向けて来る・・・都会って怖い・・・
すると
「お兄さん!道に迷ったの?」
振り向くと外国県の男がいた。
「あ、ありがとうございます。中央南司令部ってどこにありますか?」
そう聞くと男は ニヤっと笑い
「ついて来て!連れてってあげるからさ。」
都会にも優しい人は居るんだ・・・良かった・・・と思っていた・・・・・


「ここだよ!」
中央南司令部まで案内してもらい、お礼を言って司令部へ入ろうとすると
「ちょっと待ってよお兄さん!案内してあげたんだからお礼貰わないと!」
・・・マジで?やっぱり都会って怖い・・・いや、都会なら当たり前なのかな?
「すみません・・・幾らですか?」
そう聞くと男はやはりニヤっと笑い
「分かるお兄さんじゃん!初めてだから2500UDでいいよ!」
高くね!?ぼったくりかよ・・・でも断ったら煩そうだな・・
「あ~、はい・・・分かりました。ありがとうございます」
金を払うと男は笑いながら去っていった。
呆気に取られていたがふと我にかえり司令部に入ると大きなロビーに吹き抜けの天井で開放感が凄い・・・
おっと、関心している場合じゃなかった・・・受付に行くと
「こんにちは。今日はどういったご用でしょうか。」
受付の軍服嬢が丁寧に聞いてきた。
「真西透大佐に用があって来ました。話を通してもらえば分かると思います。」
そう言うと畏まりましたと言って電話を掛けはじめた。
「お待たせしました。こちらへどうぞ。」
そう言って立ち上がり部屋へ案内された。
「こちらで大佐がお待ちです。」
部屋へ入ると少し大きな部屋で数人がデスクワークをしていた。その奥で真西透が手招きをしていた。
「いきなり押しかけてすみません。お話がありまして・・・」
「だろうな。でなければこんな所に来るわけがない。だろ?」
そう言いながら椅子を持ってきてくれた。
「さて、大体察しはつくが一応聞こう。何だね?」
腕を組みながら言う。用意された椅子に座り
「軍に入隊をさせてください。」
「もう少し捻って言えないのか?まぁ良い。私の推薦でどうにでもなることだが覚悟はあるのか?」
覚悟はあるのか。その言葉の時目が鋭くなった。
「君の場合特殊任務能力者、AMPになるだろうが、有事の際は戦場に駆り出される。つまり、人殺しになるっていう事だ・・・その覚悟はあるのか?地獄を見ることになるぞ。」
地獄か・・・もう見た・・・・
「はい。あります!」
二つ返事で言うと透が立ち上がりついて来いと言って部屋を出た。
しばらくして司令部長室と書かれた部屋の前に着いた。大佐がノックすると部屋の中からどうぞ と声がし、入ると
「東堂少将閣下!!この者をAMPに推薦したく参りました!」
敬礼をしながら大佐が言うと
「お~透!そんなに固くなるなよ~!」
東堂がそう言いながら透の肩に手を乗せると次に俺の方へ向き
「僕はこの中央南司令部の司令部長をしている東堂優だ。よろしくな!AMPということは能力者って事だから能力と名前を教えてもらおうかな。」
この人は凄く優しそうな人だ・・・
「はい!自分は山東猛です!フレイムハンドラーであります!」
少し声が裏返ってしまった。
「でありますって古いよ~。まぁ、透の推薦だから能力は凄いんだろうな~・・・」
俺をなめ回すように見ながら言うと透が
「この者の実力は私が保障します!」
一点を見つめながら微動だにせず言う。
「そうかそうか。じゃ、採用~!色々手続きあるから二、三日待ってね。」
え?この人軽すぎないか?ま、まぁ、採用だから良いか・・・
「ところで猛君はこの司令部勤務希望で良いのかな?」
そういえば言い忘れていた。
「それについてご相談がありまして・・・」
「なんだね?言ってごらん。」
優しい顔で優が言う。
「どこの司令部にも属さずあちらこちら旅をさせていただけないでしょうか・・・」
そういうと突然透が
「ふざけるな!そんなことが通用するか!」
やっぱりダメか・・・しかし優が
「かまわないじゃないか!ただ有事の際は分かっているね?それに突然呼び出されることもある。外国県に居る場合でも突然呼び出されていちいち戻って来る。そういう面倒臭い事もしばしばある。それでも良いなら許可しよう。どうだい?」
それでも俺はかまわない。
「よろしくお願いします!!」
深々と頭を下げると優は笑いながら了解といって自分の席に戻った。


部屋を出てしばらくすると透が
「少将閣下は御優しいから許可私だったら許さないぞあんな我が儘・・・まぁ、任命書が出来るまでこの街に居なさい閣下も言ってた通り二、三日だ。そうだ!ホテルを教えてくれ任命書が出来たら迎えをよこす。」
「お願いします。」


こうして俺は軍に入隊した・・・

アビリティーパーソンズ3

読んでいただきありがとうございます!

任命書が届くまでの二、三日何もなければ良いのだが・・・

アビリティーパーソンズ3

村を焼かれ恋人を殺された主人公、猛は闇の組織を見つけだす為旅を始める・・・

  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 冒険
  • アクション
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-03-03

CC BY-SA
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