鍵
悪魔と、司教
既婚者と、悪魔嫌いな不良
二つに一つ
叶わない恋というものは、いつの時代も存在する。
それは人間だけであろうか。
違う。
悪魔にも、きっとあるんだろう。
だから私は今、人間になりきれていない。
「寒くありませんか」
声をかけられた。
服装からして司教だろう。
顔は不良っぽいが。
「良かったら教会へ行きませんか? 帰る途中なんですが」
「じゃあ、着いて行こうかな」
青年はニカっと笑うと、傘を差し出してきた。
「いやー、初対面だと司教だって信じてくれない人が多いんですよ。あなたは人がいいみたいだ。悪いのには着いて行ったらダメですよ」
あ、やっぱり悩みだったんだ。
「悪い人間は顔を見れば分かるの。相手がどれほど不良顔でもね」
「俺のことですか...」
青年は苦笑いをしたのち、雨空を見上げた。
「傘もささずに何をしていたんですか?」
「私の勝手でしょ? ちょっと喧嘩しちゃったから走ってたらここまで来たの」
「喧嘩ですか。おだやかじゃありませんね」
「ねえ司教さん。あなた、カタギではないでしょう、どうして司教になったの?」
「話すと長くなりますよ」
「じゃあいいわ」
「酷いなぁ」
鍵
第一話となります。
中途半端です。
後で付け足します。
( ºωº )