怒り
生まれて最初に怒りをおぼえたのはいつだったか
幼稚園へ入る前
それとも小学校入ってから?
だれでもそのくらいの齢になると
人はなにかに向けて怒ったことがあるはず
ゼンゼン怒らないで一生すごした人が
この地球上に今まで存在したことがあるだろうか
たぶんあったとおもいたい
年若くこの世を去る人もいるので
そんな人は怒りの存在を知らずに天国へ昇ったとか
しかし大人の年齢まで生きて
怒りの経験がない人はいないだろう
そんなふつうの人でも
怒るのをうまく心のなかでコントロールしている人はたくさんいるはず
多分何かのきっかけがあって
そんなふうにできる秘密のワザを身につけた
マザー・テレサやガンジー
今も元気なダライ・ラマさんらが
怒っているというイメージがわかない
それともほんとにそんなことができるひとたちなのか
もしできるなら
秘密のワザがどんなものか知りたい
怒りはとつぜんやってきて
頭も身体も熱くなってカッとなる
それが頭のなかをそして体じゅうを支配したかとおもうと
一瞬のうちにその「怒りエネルギー」みたいなものが
身体の内から外へむけて放出されようとする
汚い言葉であったり罵りだったり
口にだすだけでたりないときは
足でものを蹴ったり手あたりしだいなにか投げつけたり
怒りの矛先がすぐそばにいるだれかだったら
さらに悲惨な状況に至ってしまう
「怒りエネルギー」はアインシュタインの相対性理論をつかって
質量に換算するといったいどれほどになるだろう
怒ったあとはけっこう疲れるとか
歳いったら怒れなくなるのは
たくさんのエネルギーがいるからにちがいない
そう考えると「怒りエネルギー」の質量はかなり大きいはず
なぜそんな「怒りのエネルギー」とやらが発生し増強し外へ出ようとするのか
そのわけはなにか
そのきっかけと過程がわかれば
その悪いエネルギーを消せるかもしれない
スポーツの技術とか算数の解き方とか漢字を覚えるとかなんでもそう
やりかたをいったんわかったりおぼえてしまったら
いままで苦労したのはなんだったんだろうとおもうことがある
なんでこんなかんたんなことがいままでできなかったのか不思議におもう
そしてそれは自分にとってはあたりまえのことになってゆく
新しい自分ができたようにおもってしまう
そんな日常のよくあるできごととおなじで
自分の大切ななにかにむかって努力していれば
怒りをコントロールすることはできるのかも
悪いエネルギーはある種のエネルギー
悪いエネルギーはそれを吸収するか
それに対抗するまたある種のエネルギーでしか消滅させることはできない
自分の中で吸収させるのだから
沸騰する感情を自分の頭の上のほうから観察し
その塊になった火が心の中心をとおりすぎるのをほんの数秒待つことで
怒りの増殖をやりすごす
「喉元すぎれば熱さ忘れる」の瞬間版といえそう
「悪い」に「良い」で対抗させるのは
たくさん「良い」ことをしているうちに
そもそも怒りの火が点火するのを防げるようになるのかもしれない
最近よくみる燃えない布のように
怒り