いつもの場所
今回、初めて小説を書きました。この小説は、まだ途中ですが、近いうちに、また追加しますので、この時点で、どうか、見てください。
「新しい図書の先生として来られました、小林先生です。」
「こんにちは」と関西訛り独特の言葉で喋り始め、山彦のように返事が返ってくるとでも思ったのかしばらく沈黙した。
返事が返ってこないことを確認して、また、喋り始めた。「みんなとは、後一年しか過ごせへんけど、一緒に青春を謳歌しましょう。」
挨拶が終わり、国語の先生が再び喋り始めると、隣の席の広政が話しかけてきた。
「なあ、キオサク、あの先生かわいいなあ、お前告ってみろよ」
「確かにかわいいけど、熱血すぎて僕は、パスだわ」と今時の中学生としては、よく有りがちな冗談と思っていたが、広政があまりにも真剣な顔で言っているので、僕は、少し笑ってしまった。
「こら、広政、木尾、私語をするな」と国語の先生に、怒られ、沈黙が訪れた。
しかし、図書の先生は、笑っていた。
これが、僕と図書の先生との初めての出会いだった。
突然、大きな音をさせて、教室の扉が、勢いよく開くと同時に、大きな声がした。
「キオサク、飯の時間だぞ~」と毎日、三時間目の授業が終わると、必ず僕とお昼を食べるために、飽きもせずに、遥々やってくるのだ。
「いつもの場所で、待ってるからな」
広政は、いつも自分のペースで物事を進めてしまうのだ。僕がいつもの場所に、来ないことなんて、これっぽっちも考えていないのだ。
だけど、僕は、広政の言う、いつもの場所に、行ってしまうのだ。もしかしたら、僕のこういったところが、広政を自分のペースで進めてしまう人に、してしまっているのかもしれないと、真剣に、考えてしまった。
「キオサク、お前なあ、俺を5分も待たせて、何をやってたんだ」
僕が、教室を出たところで、担任の先生に、捕まってしまい、遅れたことを、話そうと口を開くと同時に、広政が喋り始めた。
「もういい、お前の言い訳は、聞きたくない」
「少しは、人の話を聞けよ。それに、ことわざにもあるだろ、聞くは、一時の恥、聞かぬは、一生の恥ってな」と僕は、得意げに、言ってみたが、広政は、笑っていた。
「何が、可笑しいんだよ」
「だって、それ、意味違うぜ」
「さすが、生徒会長、頭いいね」
「そんなの誰でも知ってるぜ」と謙遜した。
生徒会長で成績優秀なのに、謙虚なところが、広政のいいところだ。
「そういえば、お前、最近少し元気ないなあ、何か、あったのか?」
広政は、人の話を聞かない癖に、こういったところは、鋭いのである。
いつもの場所