思い

『 可愛い 』


私は小さい頃からよく可愛いと言われて
育ってきました。
両親からも可愛い顔に生まれてきてくれて
嬉しいとよく褒められたものです。

しかし、それと同時に私は自分が
可愛いと思えないと不安でいっぱいでした。


私と姉は歳が二つ違うだけです
昔から部屋は姉と共同で寝るときも
小さい頃からよく二人で寝ていました
母親はよく私と姉を叩きました
階段から突き落としたり、殴られて鼻血が出ることも
ありました、部屋に監禁されたり食べ物を投げつけられたり
蹴られたり、とにかくとても怖い思い出があります
私と姉はそれを毎日耐えていました。
姉の顔に痣が出来ていて、祖母がどうしたの?と
聞くと階段から転んだと嘘をついた姉のことは今も
忘れられません。
でも私は母親の事がとても好きでした

私はある時思いました、
ふざけて笑わせれば怒られずに済むんだと
だからなるべく家では明るくなにも考えてない
ように振る舞いました。
そうするとみんな私のことを好きになってくれました
たくさん話をしてたくさん明るく振舞って
たくさんニコニコしていました。
でもそれは毎日辛かったです、

私の姉はとても頭が良く、賢く、利口でした。
私とは違いクラスで一番の成績でした
それに姉の顔は美人なのです
私とは違い、可愛い顔、ではなく
鼻も高く整っており色白で美人だったのです。
私は目は大きいけれど鼻は低いのです
私はお化粧しないと誰にも会いたくないのです
可愛い状態でいたいと思うから家から一歩も
出ない日でもお化粧をきちんとしてしまうのです
そして、鏡を見ないと不安で仕方ないのです
決して自分の顔が好きなわけではありません
むしろ私は自分の顔がとても嫌いです
整形出来るものならして、美しい顔になりたいです
鏡を見ると安心するんです、人に見せれる顔だ
と思うのです、でも少しでも自分の想像と違う顔
だと急に周りが怖くなります、なんて不細工なんだ
と思います。

この時私は急に自分にはなにもないのでは
ないかと思ったのです。

私は勉強がとても嫌いでした。
何の意味もないと思っていたからです
それに何とかなるのではないかと
思ったのです。
私と姉の差はかなり大きな物でした
私はそれにとても負い目を感じていました。

姉は多彩でした
絵を描くのが好きでしたが姉の
描く絵を見て絵を書くのをやめました

歌を歌うのが好きでしたが姉の
歌を聴いて歌うのもやめました

姉の体はとても綺麗で美しかったです
私よりも小柄で守ってあげたいと
思わせる体をしていました、
私の体はゴツゴツしていて全然女の子らしく
ないのです。

それと他にも色々試そうと
思いましたがどれも姉には劣るのです

物語を書くのだって姉の方が何倍も上手なのです



もう私はダメでした

恋人を作りましたが、可愛いと褒めてくれるたびに
嬉しいと同時にとても不安に感じました
しかし、可愛い言ってくれないとそれもまた
不安なのです、それに恋人と言うのはとても
恐ろしいものです。私は束縛が嫌いです
というよりも束縛に支配されている自分が嫌いです
そもそも恋愛が嫌いです、
誰かに会いたいという気持ちも嫌いです
支配されているからです、その人に
支配されてしまっているから怖いのです

私はどんどん人と口が聞けなくなって行きました。
怖かったのです 話している相手のことが
とても怖いのです 恐怖心の塊です
私はダメでした
人と会話をするのがとても怖いのです
会話をして行くと段々と相手のイメージが
固まって行きます
そうです、それはきっと相手にも同じ事が
言えると思います。
私のイメージが相手に伝わるのが怖いのです
私を理解されるのがたまらなく嫌で怖いです
私は何故か
こう思ってしまうのです、
きっといつか捨てられてしまう、もういらないと
言われてしまう、何本気になってるの?冗談だよ、
と、私にはなにもないので、愛してもらえるととても
嬉しいのにそれと同時に絶望感がすごいのです
でも私は無理をします 嬉しいと言います
楽しいと言います 幸せだと言います
これは正しいのでしょうか、
これで合っているのでしょうか、

きっと合っていないからこうやってダラダラと
文字を打ち込んでいるんでしょうね
自分でもこんな事はもうやめたいと思っています
思っていることを全て話したら笑われて
もういらないよと言われてしまうかもと考えると
私はもうダメです。

でも、私は幸せになりたいです
幸せが好きです
毎日私の好きな人たちに囲まれて
生きていきたいのです。

もしもここまで読んでくれる人がいましたら
とても嬉しく思います。
あなたの明日が幸せでありますように。

思い

思い

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-02-23

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