花は咲かない

ある日、道路の隅に花束が置かれていた
人はそれを見て、悲しそうな顔をした。
あそこで事故があったんだ
そう推測出来るからだ


私はそこを毎日通る。
そこが私の通学路だからだ。

悲しい

私はそう思った


ある日、机の上に花瓶が置いてあった
中には一輪の菊の花が刺されていた
あの席の子は亡くなったんだ
私はとても悲しくなった。

帰り道、またあの道路を通る
行きも帰りも目にするあのお花

毎日通うあの学校のあの教室

毎日目にする花。
とても綺麗で悲しいお花。


ある日私は思った。
帰り道が分からない


道路の隅に置かれてた花が
片付けられてしまっていた

私は怖くなりました
震える足を抑えて学校まで戻ると
そこに綺麗に飾られていたお花はありませんでした。

それと同時に私の席がなくなっていました。


花はもう咲くことはありませんでした。

花は咲かない

悲しみでは花は咲かないね

花は咲かない

  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • ホラー
  • SF
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-02-23

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