花は咲かない
ある日、道路の隅に花束が置かれていた
人はそれを見て、悲しそうな顔をした。
あそこで事故があったんだ
そう推測出来るからだ
私はそこを毎日通る。
そこが私の通学路だからだ。
悲しい
私はそう思った
ある日、机の上に花瓶が置いてあった
中には一輪の菊の花が刺されていた
あの席の子は亡くなったんだ
私はとても悲しくなった。
帰り道、またあの道路を通る
行きも帰りも目にするあのお花
毎日通うあの学校のあの教室
毎日目にする花。
とても綺麗で悲しいお花。
ある日私は思った。
帰り道が分からない
道路の隅に置かれてた花が
片付けられてしまっていた
私は怖くなりました
震える足を抑えて学校まで戻ると
そこに綺麗に飾られていたお花はありませんでした。
それと同時に私の席がなくなっていました。
花はもう咲くことはありませんでした。
花は咲かない
悲しみでは花は咲かないね