白恋

その恋

真っ白で純粋な恋

白恋

私の初恋は世に言う「禁断の恋」というものでした。


そこそこに生きてきたし、そこそこに友達だっている。

嫌な事もたくさんあったけれどそれなりに楽しい人生だと思う。

だけど友達いわく私に足りてないのはあとは恋愛だというのだ。

でもクラスの男子にはそんなに好きになるような男の人だっていないし・・・。

無理やり付き合うのも嫌だ。


今まで告白された事なら何回かある。

1回目は幼稚園の時にクラスの絵が得意な男子から告白された。

断ってはいないが、その男子は引っ越してしまったし最後まで普通に友達だったわけだ。

2回目は小学校4年生の時クラスのバスケが好きな男子からスリーポイントシュートを決めた後に教室の机に書いて告白された。

「俺の好きな人前お前聞いてきたよな?・・・それお前なんだ」

って授業中に机に書いてきた。

丁度席が隣だったので私は少し驚いた。

なので「5年生になったらちゃんと返事するから今は仮って事でいいかな」

って書いたらそのこが顔真っ赤にして鼻血を出したのをおぼえている。

でも私は5年生から引っ越す事になって結局付き合わなかったんだけど・・・。

3回目は・・・思い出したくないけれど女子からだ。

即答で断ったし、その子とはそれから一回も話してない。

そんな私に好きな人が出来たのは中学一年生の冬期講習のときだ。


私が好きになった人は私より10歳も年上の男性である。


それは塾の水村先生だった。


始めは自分でも何を考えているんだろうと思った。

とてもとても驚いた。

でも水村先生と話せたら1週間はニコニコしてすごせたし、とても幸せだった。

いつの間にかお気に入りの先生から大好きな一人の男性という存在になっていた。

私はいつかそんな水村先生のお気に入りの生徒になりたかった。

優しくて、生徒思いで頭が良くて、でも性格面でちょっとお馬鹿さんで笑顔が可愛い先生のことがいつの間にか大好きになっていた。

でもクラスが代わって担任も先生じゃなくなり、数学を教えてくれる先生も代わった。

だけどクラスが上がらないと塾をやめさせると親から言われたのでがんばって上がった。

塾をやめさせられたら・・・もう先生に会えなくなるから・・・。

やめないですんだけれど、先生と話す機会は全くなくなった。

私が塾においでよって紹介した友達が私の好きな先生と話していた。

まだ体験のくせにっ!

私のほうが先生と一緒にいる時間が長いのにっ!!なんて思って一人で帰ったりした。

正直言うとすごく悔しかった。

私と同じくらいの身長でみんなから雰囲気が似てるって言われた。

成績だって1,2学期はそんなに違わなかった。

考えている事だってほとんど一緒だった。


なのに・・・。

いつからこんなに差がついてしまったのだろうか。

成績は圧倒的に向こうのほうが良くなり、友達も向こうのほうが多くなった。

身長だって向こうのほうが高くなってしまった。

私は友達に勝ち目がなくなってしまった。

悔しくて悔しくて悔しくて悔しくて涙が止まらなかった。

なんにも・・・なんにも勝てなくなった。

通知表だって向こうは35だった。

私は30にも届いてないのに・・・。

だから春休みわたしは猛勉強した。


二年生のテストでも彼女には3点届かなかった。

それどころか彼女は塾のクラスが上がり、学校の成績はうなぎのぼりだった。

どうして勝てないんだろう・・・。

自分の無力さになきそうだった。

どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして!!

次第に私とそのこは話さなくなった。

2年生ではクラスが違うし、塾でも違う。

部活は一緒だけど話さなかった。

2年生の冬期講習の時期になって1日目

水村先生の授業はなかった。

だけど帰りがけに

「さようなら!!頑張れよっ!先生が3年生まで面倒見るけんなっ」

そういってくれた。


・・・今思えばそれが最後だった。


2日目に体調を崩して休んだ私は3日目に塾に復活した。

先生の姿は職員室になかった。

それから何日かたちお正月も過ぎたときだった。


「水村先生は塾をやめました。」


その一言を水村先生の彼女と噂がされた房野先生が突然告げた。

頭の中が真っ白になった。

もう水村先生と会えない・・・?

そんなのうそだ。

だって・・・だって・・・水村先生はこの前言ってくれたんだよ?

「先生が3年生まで面倒見るけん」

そういってくれたんだよ?

なのに?

なんで・・・。

こんな別れ酷いよ・・・。

伝えたかったんだよ?

水村先生に受験に合格して伝えたかったんだ。

この思いを全部。


だけどもう会えないんだね・・・?

なら今伝えるよ。

私の心の中から先生への思いを。

伝えるよ。

「先生のおかげで塾楽しく過ごせました。

テストの成績は数学いまいちで先生に一回もすごいって言わせることが出来なかったけど・・・。

それでも先生の授業すごくわかりやすかったです。

先生を喜ばせてあげる事が出来なくてごめんなさい。

私本当は3年生の受験で合格して先生に泣いて有難うって笑顔で伝えたかったです。

だからそれが出来ないのがすごく悔しいし、辛いです。

先生有難うございました。

先生のこと先生としても好きだったし、男性としても大好きでした!!」

きっと私が泣いてお別れすると先生は心配するだろうから

私の最高の笑顔で言うね。

「ばいばいっ!!先生っ」

白恋

このお話は体験に基づいたお話だったりします。

急なお別れをした数学のF先生・・・元気かな?

白恋

中学2年生の女の子が塾にいる10歳年上の先生に恋する話です

  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-02-24

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