青春かんづめ。
青春は、私を楽しませる。
青春は、私を笑顔にする。
青春は、私を悩ませる。
青春は、私を泣かせる。
でも 青春は、私を決して裏切らない。
ひとりのターゲット
「え、次はマリナがハブられてんの?」
お弁当の匂いが充満した、騒がしい教室の隅の席でサエが呟くように言う。
「そうみたいだね」
マリナが一人弁当をしているのに、だれも近づこうとしない。
見てもすぐ目をそらして、自分の仲のいい友達と会話をする。
毎日ビクビクしながら友達とやり過ごし、くだらない悪口にも付き合い、トイレに付き添うのにも断ることができない暗黙のルール。
それを破った者が、明日から仲間外れにされる。
自分じゃなくてよかった。
結局思うのはそれだけだった。
「まぁ、別にうちらには関係ないからよくね?」
「それな」
どこからか聞こえる話し声。
私はボーッとしながらクラスを眺めた。
マリナはどう思っているんだろう。
そんなのどうでもいいか。
結局は自分さえ不幸にならなければいいのだから。
青春かんづめ。