十五の兵士
まだほんの子供のころから俺は戦争に行きたかった。
戦場に行き、最前線で戦い、勝つ
そんな熱い青春を俺は過ごしてみたかった
戦場で見上げる赤い空、赤い夕焼け
それをこの目でみて、ほこりかに自分を
歌にして歌い上げてみたかった
学校での、甘い青春は俺は嫌だった
俺が求めていたのは、もっと激烈で
もっと劇的な青春の爆発だった
だから兵士へと、十五才の兵士へと俺は
この身を変えてしまいたいと思っていた。
十五を過ぎて、十六を過ぎて十七になってやっと
俺は除隊した。そうして陽の上る東洋へ
俺は一人で帰っていった。わずかの心残りを残したままで
そこでもたいした生活はできない
この身のこの魂が、俺は現代に向いていないのだ
そうして向かうのは、やはり戦場だった
隊列を組んで、再び俺は戦争を始めた
仲間は次々と死んでいった
そうしてこの俺もついに倒れるときが来た
俺は撃たれた、そうして倒れそのまま死んだ
誰も俺のことは知らぬはずだ
俺はこの世でたった一人で死んでいった。
十五の兵士