春夏秋冬。
春 夏 秋 冬
皆さんはどうおすごしですか?
「春だね。」 「そうだね。」
君が笑う。 あなたが私に笑い返す。
桜が散る町を二人で歩く。 桜が散り、心地いい風が吹く。
春、暖かい風。 舞い散った桜で道は桃色のじゅうたんのように輝いて見える。
心地いい光。 すばらしい光。
幸せな明るい気分。 暖かく優しい気分。
「暑いなぁ。」 「ホント暑いね。」
そぅ僕が君に話しかける。 そぅ言って手で自分を扇ぐ。
やけにうるさくセミが鳴いている。 セミの声がいつもより激しく耳に残る。
夏、さわやかな緑できれいな山。 夏、涼しげで輝く海。
焼きつけるような暑さ。 太陽が近づいてくるように感じる。
透明感あふれる君といっしょで和らぐ暑さ。 暑い夏なのにあなたといると楽しくてもっと熱くなってしまう。
「いい音だね。」 黙ったままあなたが頷く。
君が安らいだ表情でこちらを窺う。 彼はどこか落ちついていて悲しげな表情だった。
コオロギやスズムシの大合唱。 昆虫たちによる演奏会。
なぜか切なく感じ、君を見る。 スズムシをみつけそっと捕まえてみる。
君が無邪気にムシを渡してくる。 さみしそうな表情の彼にムシをあげてみる。
彼女を抱き寄せた。 彼はムシをそっと逃がし、そっと私を抱き寄せた。
「手の感覚がない。」 「もはや痛いんだけど。」
彼女の手を握る。 彼が手をとった。
感覚はなかったが、君の存在が強く感じられた。 先ほどまで痛かった手が、少し暖かくなったように感じた。
降り出す雪。 はらはらと落ちてくる結晶達。
僕はより一層彼女の手を握りしめる。 彼が強く握ってくる。
どんなに寒くても暖かい存在がある。 強く握り返すと彼が微笑んできた。
春夏秋冬、いつまでもどんな時でも一緒だよ。 春夏秋冬、いつまでもどんな時でも一緒だね。
春夏秋冬。
春夏秋冬を共に過ごす、カップルを書いてみました。