四面楚歌
いつかやってみたいネタ集です。創造性はないので半分は模倣ですが。若気の至りってヤツですよ……。最後には何と、特典としてオチの解説までついていますよ(禁じ手)。ただのネタ集です。ネタ集です。
ぼやき
「物語に於いて、実体験はノンフィクションですよね? 逆に作られた話はフィクション。でも、ノンフィクションでなければフィクションかと言ったら、そういうわけではないんですよ。赤じゃなければ赤以外、わかりやすく言えばそういうことです。決して哲学なんかじゃないんですよ? ただちょっと難しいだけで、正直僕にも理解しかねるんですけどね」
「それから、飼い猫は飼い主に死に際を見られたくないようですが、そこには一体どのような心理が働いているのか。僕はよく動物を扱ったドキュメンタリーを観ますが、大抵メディアというのは嘘八割でやってますからね。ヤラセだと思うとなかなか感情移入が難しくて。それはヒトに対しても言えることで、相手が何を考えているかなんて滅多にわからないじゃないですか。笑っている人ほど苦労している、なんて当たり前な世の中だし」
「え? 僕ですか? 僕は心を表情にリンクできる方の人間ですよ。ミーハーなんです。嬉しければ笑顔、悲しければ涙という形で面に反映させられる。最近はそういった人が減りましたね。感情を押し殺す人。心に閉じ込めて溜めて、鬱憤がキャパシティーを超えた途端に人はそれを言い訳にする。自分を認めてくれない現代社会が悪いと。努力をしないのは報われない世の中だからだと。非道い責任転嫁ですね。被害妄想も甚だしい」
「それでも生きていく人間は、皮肉にも美しい。強く、美しいんです。僕はそれを伝えたかった。嘘で塗り固められた世の中にいると、自身の殻に閉じこもりがちになってしまう。誰でもそうなんです。ただ、その殻を破けるか、否か。人の違いってそこじゃないですか?」
「才能があるとかないとか、頭がいいとか悪いとか。確かにそういったステータスは大切かもしれない。じゃあ、才能がない人、頭の悪い人は、対極にいる人を羨むことしかできないのか? 果たしてそうなのでしょうか。羨み、妬み、自分の理想とこじつけて自分自身の存在を拒否する。無価値だと決めつける」
「そしてその考えはだんだんと歪んで、価値のある人は自分という無力な人間がいることでより引き立つのだと思い始めるんです。赤という鮮やかな色に、青緑という地味な色が対峙する。そういうものだと錯覚しているんだ」
要するにですね、僕は人を笑わせることが大好きなんです。人を涙させるのも好きなんですね。あ、もちろんいい意味で。泣かせることが好きとは違いますよ? 誰かの素直な感情を引き出させたい。楽しいなら笑う、悲しくなったら泣く、そういう当たり前のことを思い出させたいんです。
戯曲1
創造性を持って生まれた人間なんて存在しない。存在したらもはや人外だ。その時点で「創造性を持って生まれた人間」の人間の部分が否定されるんだ。
「無理やりすぎる逆説……。で、てことは人間の身体をしたエイリアン?」(とりあえず乗っかってあげる感じ)
そうそう。エイリアンは人を喰って型にするんだ(体のラインをなぞりながら)。人じゃなくても、何だって喰っちまう。ノンケだってかまわず喰っちまうんだぜ。
「そのネタ、わかる人にしかわからないぞ」
エイリアンの爪って鋭利やん?(ドヤ顔)
「唐突すぎる‼︎ 何それ回文?」
んや……り……い……え……てっめつ……のん……ありいえ‼︎(ドヤ顔)
「回文じゃないのはわかりました」
オーケー。(眼球を掻き毟るマイム)
「エイリアンの爪がエイリアンってどういうことテルミーテルミー」(超馬鹿にしてる感じ)
えー、つまりですね、エイリアンと、鋭利……こう、鋭い……とんがってるっていう、形容……形容動詞かな……? 形容動詞の、あれだ。(涙声)
「頑張りましたが解せぬ」(いい声)
だから、エイリアンの爪はとんがってるやん? のとんがってる……ホラ、とんがってる部分を、鋭利っていう形容動詞に置き換えてだな……エイリアンの爪は、鋭利、やん?(ドヤ顔)
「エイリアンの爪は鋭利やん……。あー」(超納得した感じ)
な?(ドヤ顔)
「でもさ」
な?(「何?」の意味。おもむろに首をかしげる)
「可愛くない‼︎ 戻せ‼︎(頭を鷲掴みして捻る) 気持ち悪い‼︎ ナメクジを擬人化したレベル‼︎」
何それぬめぬめしてそう。ぬめぬめってさ、字面だとぬぬぬぬかめめめめに見えません? (「」首を横に振る)見えませんか(しょんぼりする)。
「そもそも、これ字面でやるタイプのコントだから」
あ、じゃあカタカナ表記にしようね‼︎ ヌメヌメなら見やすいもんね‼︎
「見やすいけど、お前逆によく考えるんだ。今までお前が一生懸命してたマイムとかは視聴者さんに伝わらないんだぞ」
いっこうに構わん‼︎
「ノンケも喰っちまう?」
お前はノンケじゃないよな。
「…………」
毎晩俺の部屋に忍び込んで……
「アッー‼︎」
うるさい‼︎ 耳が劈いちゃうでしょ‼︎
「は?(小声)猥褻物陳列罪の罪で訴訟するぞ」
えっ?(イノセントな顔)
「それ‼︎ その顔が猥褻物なんだよ‼︎」
でもさー、これ字面でやるタイプのコントなんだよね?
「あっ……」
(終)
オチの解説:猥褻物陳列罪とは言ったが、字面でやるタイプのコントでは顔が見えないので陳列していることにならない。罪として成立しない。圧倒的論破。
戯曲2
①「しりとりしようよ」
②「物理的に?」
①「しない」
②「いいケツしてるやないかい」
①「痛い‼︎ 揉み方荒い‼︎ ……気持ち悪いな……ほんのり頬を赤らめるな‼︎」
②「それより、今日はやけに暑いな」
①「えっ?」
②「……えっ?」
①「いや、何も」
②「そうか」
①「うん」
①・②「…………」
①「……やっぱり、そんなに厚いかな?」(唇を触る)
②「うん? まあ、梅雨も明けてもう七月だし……」
①「厚さって時期的に変わるものなの⁉︎」
②「いやむしろどういうあれで変わるんだよ⁉︎」
①「えっ?」
②「……えっ?」
①「ん?」
②「……ん⁉︎」(大声)
①「うるさいな……意味もなく頬を赤らめるな‼︎」
②「……メタいこと言っていい?」
①「ダメです。しりとりして勝ったらいいよ」
②「そのシステムは尺的に辛いと思うなぁ」
①「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛(´;ω;`)」
②「ん? ……あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛(´;ω;`)」
①・②「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛(´;ω;`)」
①「俺たちメタ発言でウケ狙いすぎって叩かれてるの知ってる?」
②「叩かれてるの?」(キラキラ)
①「お前はすぐそうやってマゾ思考に走る」
②「マゾじゃないよ、叩かれたり蹴られたりするのが好きなだけだよ」
①「既出のボケはいい」
②「キシュツ?」
①「どうして漢字に変換できないんだよ‼︎ お前いくつだよ……(小声)」
②「えっじゃあ、どんな漢字書くの?」(聞いていない)
①「すでに、でている、で既出だろ?」
②「えっじゃあさじゃあさ、それだったら『すでで』じゃないの?」
①「ボケ殺しの流れはエントランスから食い止めたいタイプです」
②「メタい‼︎ お前もメタ発言多すぎる‼︎ 台本に書かれていないことをするな‼︎」
①「今の台詞はシナリオ通りです」
②「もうやめて‼︎ 観客のライフはゼロよ‼︎」
①「俺らパクりの才能あるよね」
②「才能と言っていいものなのかな?」
①「ダメ。ゼッタイ」
②「俺の夢はアパルトヘイトを完全撲滅することです‼︎‼︎」
①「突然でびっくりしたけど応援するからしりとりしよう」(デクレッシェンド)
②「何でもありだな‼︎」
①「な‼︎」
②「ラブアンドピースやで」
①「お前は話に脈絡がない‼︎」
②「お前って呼ぶな」
①「じゃあ……ユー」
②「アンドアイ、アー、ラブ」
①「ノット」
②「何でもありだな‼︎」
①「な‼︎」
②「俺らの間に愛はないっていうのか⁉︎」
①「あるって言ったらいかがわしい誤解を招きかねない」
②「それでも俺はたらこ唇をあっ間違えたお前を愛しているんだ‼︎」
①「ここでネタ回収するな‼︎ 雑すぎるだろ‼︎」
②「ごめん(´・ω・`)」
①「可愛くない‼︎」
②「べつに可愛さをモットーにしてるわけでもねえから‼︎」
①「うっ……」
②「これじゃあどっちがボケでどっちがツッコミかわかんねえな‼︎
①「だから雑なネタ回収はもういいんだよ」
②「まだ残ってるぞ」
①「メタ発言やめろ‼︎」
②「マシンガントークは得意じゃないです」
①「知るかよ‼︎ しかも今さら……」
②「おっ今のなんかボケとツッコミっぽかった‼︎」
①「嬉しそうな顔しやがって……頬を赤らめるな‼︎」
②「俺本当お前のこと好きぃ〜」
①「気持ち悪い‼︎」
②「一緒に週刊フライデーに載ろうや……」
①「男同士のスキャンダルはどこで需要があるんですか⁉︎」
②「あそこら辺」
①「お客さんを指差すな‼︎」
②「でもわりとそうでしょ?」
①「もう黙って‼︎」
②「…………」
①「何か喋って‼︎」
②「どっちやねん‼︎」
①「今のやりとりも既出だよね‼︎」
②「メタ発言で誤魔化すな‼︎」
①「なんでやねん‼︎」
②「何がやねん‼︎」
①「俺につっこませろよ‼︎」
②「おっいいぞ」
①「そうじゃない‼︎‼︎」
(終)
オチの解説:ナシ(敢えて言うなら、途中で「どっちがボケでどっちがツッコミかわかんねえな」のやりとりがあった後のボケとツッコミが混乱するあたり。基本的には①がツッコミ。あと、①の台詞は②の脳内で問答無用で隠語に変換されるあたり)
全体的な解説:
一、②「それより、今日はやけに暑いな」
⇩
①「……やっぱり、そんなに厚いかな?」(唇を触る)
「あつい」を履き違えています。馬鹿ですね〜。
②「それでも俺はたらこ唇をあっ間違えたお前を愛しているんだ‼︎」
忘れかけた頃に回収。
二、②「……メタいこと言っていい?」以降の流れはほとんどメタです。伏線でもなんでもない。言われなくてもわかってるって目で見てんじゃねえ‼︎‼︎
三、①「男同士のスキャンダルはどこで需要があるんですか⁉︎」
②「あそこら辺」
①「お客さんを指差すな‼︎」
お客さん(架空の人物)を衆道好き(今で言う腐女子ですか? 腐った女子って何だよ‼︎ そういうのやめろよな‼︎)扱いしています。
後日談:本当は、会話を全体的にしりとりにしたかったのですが不可能でした。言葉は考えれば出るのですが、いざチャレンジ精神‼︎ と試みるも、明らかにしりとりになってるな感が溢れ出ていたので断念しました。だって恥ずかしいじゃん。
ぼやき
「私には才能がないんですよ。いや、僻みとかじゃなくて。確かに、才能がある人には嫉妬しますけれども。え? 努力厨? そんなこと言いませんよ。努力無くして他者に認められるほどの才能は得られないでしょう。あなた馬鹿なんですか?」
「うーん……そう思い始めたのは中学生の頃……でしたっけね。とあるパフォーミングアーティストに出会いまして。いや、そういう出会うじゃなくて。厳密には、私が一方的に存在を知っただけです。どうして脈絡から汲み取れないんですか? まあいいですけど……。で、ですね。彼……あ、男性の方だったんですけど、ものすごい才能を持った方で。私も子どもでしたからね、単なる憧れを恋心と勘違いしていたんですよ」
「ただ、その才能が先天的なものかはわかりかねますよ。だって彼、美大出身ですし。それでもね、やっぱり彼のセンスには痺れるものがありました。それに、ビジュアルだって悪くない。高身長で、すらっとした脚の持ち主なんですよ。加えて美声ときた。好きにならない理由がなかったんです、あの時の私には」
「まあ、彼、既婚者なんですけどね。本気で悩みましたよ。離婚してくれやしないか、なんて。でも、そこでジレンマが生まれるわけですよ。彼が幸せならそれでいいじゃないか。いや、それは綺麗事だろう。本当は私を見てほしい……でもその手立ては皆無。ならば大人しく諦めて、一ファンとして応援すべきなんじゃないか。でもね、そんなこと頭じゃとっくにわかってるんですよ。わかっていてそうできないのがもどかしいんじゃないですか」
「確かに辛い時期でした。原理としては、アイドルかぶれした女の子がジャニーズ相手に本気で恋をするのと同じです。普通にテレビにも出ていましたし。そんな人を相手にまさか胸が苦しくなる想いを抱くとはね、自分で自分に呆れました。叶わない恋にも程度ってもんがあるだろうと。年齢差だってそれなりでしたし。あ、まあそれはどうでもいいんですよ。お付き合いできたら前提の話はしたくないんで」
「そこでね、私は思考を切り替えることにしたんですよ。これは恋じゃなくて、憧れだと。憧れもしくは尊敬だと、ね。自分には才能がないから、多才な彼に惹かれた。人間ってそういうもんでしょ? 自分が持っていないものを持っている人に魅力を感じる。つまりはそういうことで、べつに恋とか特別なものでもなんでもないのだと」
「まあそう切り替えてからも、気付いたら彼を想っている、なんてことは無くなりませんでしたね。ある夜には、あまりに気持ちが大きすぎて思わず涙しましたよ。天才と呼ばれる彼が羨ましくて……悔しい、悔しいって何度も呟きながら、一人暗がりで泣きました。今思い出すとなかなか笑えますよね」
「でも、ある意味運命的な出会いでしたね、あれは。いやだから、その出会いじゃないですって。はい。でね、私、彼の芸術を知ってから、とにかく私も何か才能を開花させたい、と思うようになったんです。だけど、何にもなかった。からっぽだった。あの時の判断が果たして正しいのかはわかりませんけどね、特別にお話ししましょう」
私は、決めたんです。いつか彼に、本当に出会うことがあったら、君すごいね、って言ってもらえるようなレディになってやる、と。才能がないならないなりに努力するしかないんですよ、結局。才能のないヤツが努力しても無駄っていう人は多分、才能があるんですよ。そういう突飛な発想ができる、思考力に長けている。そうでしょう?
なんでもものは考えよう、言いよう。私は、彼の芸術に負けない才能を見つけて、あの頃の恋心を成仏させたいと思っています。
まあこれが、まだ子どもだった私の判断です。どうです?
戯曲3
テーマ『バレンタインデーに女の子からチョコレートがもらえない男の子の言い訳』
「ポピュラーなタイプ」
「俺、甘いもの嫌いなんだー」
「じゃあビターチョコ多めで注文すれば?」
「せやな」
「たまにいるタイプ」
「俺、本命しか受け取らないんだ」
「死ね」
「えっ⁉︎」
「いなさそうでわりといるタイプ」
「むしろチョコとかあげたい方だわ」
「食用のチョコですか?」
「それ以外に何があるんですか?」
「ごく稀にいるタイプ」
「女子からより男子からもらったほうが嬉しい」
「嘘だろ……」
「女子より男子が好きってそんなに変かなぁ?」
テーマ『水泳を見学したい時の言い訳(男)』
「ポピュラーなタイプ」
「風邪ひきました」
「気合だ‼︎ 気合だ‼︎ 気合だァァァ‼︎」
「責任は先生に発生します」
「たまにいるタイプ」
「今日は泳げる気がしません」
「何だそれ」
「それな」
「いなさそうでわりといるタイプ」
「ミミズ腫れが痛いです」
「オロナイン塗る?」
「塗るけど水泳はしません」
「ごく稀にいるタイプ」
「今日男の子の日で……」
「うわっ本当だイカ臭い‼︎」
「先生声が大きい‼︎」
テーマ『水泳を見学したい時の言い訳(女)』
「ポピュラーなタイプ」
「生理です」
「おう……」
「変な妄想をするな」
「たまにいるタイプ」
「チャリから落ちて骨折しました」
「病院は?」
「まだ」
「いなさそうでわりといるタイプ」
「ミミズ腫れが痛いです」
「お前もか」
「オロナイン寄こせ」
「ごく稀にいるタイプ」
「毛の処理が間に合いませんでした」
「むしろ気にしない派ですよ先生は」
「溺死のお手伝いならしますよ」
テーマ『宿題を忘れた時の言い訳』
「ポピュラーなタイプ」
「やったけど忘れました」
「じゃあ今日家に取りに行っても平気だよな?」
「そんなこといって、どうせいつもみたいに押し倒すんでしょう⁉︎」
「たまにいるタイプ」
「宿題の存在を知りませんでした」
「誰が悪い?」
「あなたです」
「いなさそうでわりといるタイプ」
「忘れた僕がいけないんじゃない。忘れられる宿題が悪いんだ」
「わからなくもない」
「せやろ」
「ごく稀にいるタイプ」
「シロヤギさんかクロヤギさんに食べられてしまいました」
「間をとってハイイロヤギさんかな?」
「この先生やだ」
「絶対にいないタイプ」
「やってきました」
「おっさすがだな学級委員長」
「当たり前のことをしただけですよ」
オチ解説:小ネタなのでオチはありません。ホモネタは好きです。
戯曲4
先生「じゃあ、みんなが必死こいて板書を写している間に、先生が一発芸をしてあげましょう」
生徒「やるなら後ろの棚の方でお願いします」
先生「なんでだ‼︎ 先生は前でやるぞ‼︎」
生徒「それじゃあ黒板が見えません」
先生「お得意の透視で何とかなるだろう‼︎」
生徒「美女の服の下を視る時にしか機能しません」
先生「むしろ便利だな‼︎」
生徒「いいからどいてください。国連難民と事務所の間が先生の巨体によって見えません」
先生「じゃあそれは『国連難民俺事務所』だな。なんちって」
生徒「どこがどう面白いんですか? 是非解説をお願いします」
先生「……国連難民高等弁務官事務所。教科書にも書いてあるんだ。さっさと書け‼︎」
生徒「逆ギレ怖い」
先生「いいから先生の一発芸を見ろ‼︎」
生徒「理不尽」
先生「見ろ‼︎」
生徒「見えません‼︎ ……黒板が‼︎」
先生「先生を見ろ‼︎ 先生を見ろ‼︎‼︎」
生徒「二回も同じことを言うな‼︎」
先生「は、はいぃ……」
生徒「…………」
先生「…………」
生徒「…………」
先生「……うっ…………ふぅ……」
生徒「何してるんですか先生」
先生「ん? 体操だ。壊れかけのRadio体操、第四」
生徒「第四⁉︎ ていうかイカ臭い」
先生「そうだ。で、どうだ。一発芸見る気になったか? ん?」
生徒「そんなにやりたいなら後ろで気の済むまでやってください」
先生「前でやらなきゃ意味がないでしょ‼︎」
生徒「はあ……わかりました。どうぞ前でやってください。まあどうせ……」
キーンコーンカーンコーン
先生「Oh……」
生徒「(計画通り)」
オチ解説:今回も特にオチは無しです。単純に、やっと一発芸をしていいとお許しが降りた瞬間、授業が終わるという悲劇です。くだらない。
ちなみにこれを舞台化するなら、黒板いっぱいに「国連難民高等弁務官事務所」と書きたいです。それから、既にお気付きの方もいらっしゃるかと思いますが自分のネタの大半はとあるお笑いコンビの影響をこれでもかってくらい受けています。
イカ臭いネタはあまり意味を知らずに使っています。えっ? 精液の匂いなんですか?
ぼやき
「人が互いを忌み嫌いあって、粗探しをして自分を正当化しようとする姿は死にかけの野良猫さながらに哀れですね。喩えが不謹慎ですって? でも、一瞬なるほどと思ったでしょう? 私、人の表情を読み取るのが仕事のようなものですからね」
「ただ、カウンセラーというのも万能なわけではなくて、生身の人間同士の間には微々たるものから甚だしいものまで、価値観の違いが生まれるものなんですね。少し私事になりますが、私も妻とはよく衝突をします。しかし彼女は怖いですよ。怒らせてしまうとね。日々の些細なことから、私自身巧く誤魔化せていたはずなのに、といったものまで引き出して一気にまくし立てられるんです」
「基本的に知識が多彩で、何事にもストック量が半端じゃないんです。例えばここにある資料。私と、あなたと、予備の分で三冊。ページ数にして約六〇ページ。もし中身が全部違ったとしても、彼女が完璧に内容を把握するのは朝飯前なわけですよ。今言った量の十倍……二十倍、それだけ膨大な量でも、彼女はあっさりと吸収してしまう。だから怖いんです」
「わかりませんか? きっとあなたが私の立場になればわかるはずですよ。夫という比較的上に立つべき身でありながら、稚拙な言葉を以ってでしか反抗ができない。彼女の言うことは全て正しいんです。それは私たちの価値観の一致も関係してるのでしょうけど、私の持論なんかじゃ到底太刀打ちできませんよ」
「それで、思うんですね。べつに張り合わなくたっていいじゃないか。そうです、あなたのおっしゃる通り、開き直りです。悪いですか? 私は潔さありきと思いますがね。自分が嫌なものはテリトリーに入れない。それは甘えや逃げと言われますが、単に保身と言ってもいいわけです。自分で自分のことを言うと、どうもこう甘やかしているよう聞こえがちですがね……」
「私は基本的に物事を考えるとき……例えば、カウンセラーの仕事で聞いた悩みの打開策を探すとき。まあ、まず一旦聞いた内容を何度でも反復します。これはこう、これはこう、って完璧に把握します。そこは完璧ではなくてはならないんですよ。それから、最初に素直な感想をメモする。彼乃至彼女の相談内容は、果たしてここまで気に病むべきことなのだろうか、そういった感じで」
「次の段階が最後です。いや、最後の段階に行くための最も重要なスパンと言ったほうが適当でしょうか」
「考えることを止めるんです。何もせず、ぼうっとする。窓の外を眺める。ただ本のページを捲る。むしろ全く何もしない時間です。何もしないことに集中する。そうすると、だんだん自我やエゴと言った概念が薄れていく――どんな他人事も、主観的に捉えることができるんです、自分を見失うことで」
「決して悪いことじゃないんです。自分を見失うことは、人の感情に敏感になる。と言っても、これは誰にでもできることじゃないと妻から軽くお咎めを受けましたが……ああ、独り言です。前に少し揉めまして」
「きっと、私はそういったものに特化した人間なんです」
――最後に、一つお伺いしてもよろしいですか?
「ええ、どうぞ」
――なぜ、カウンセラーになられたのでしょう。
いつか自分自身をカウンセリングするためです。時々、さっきとは違った自分の見失い方をします。それが、恐ろしくて。いつか、そんな私自身と語らって一つ一つ疑問を解消していけたらと。そして、身軽な状態で死ねたらいいなと思っています。
今は、最後の疑問の答えを探しているところですよ、ちょうど。
なぜ、あんなに忌み嫌いあってきた私たちがこうして結ばれることになったのか。お互い野良猫のように惨めな人間が、似たものを求めてしまうのはなぜか。
戯曲5
A「聴いてください。基本自由な俺で、『国境を越えた踊り場から愛を込めて』」
B「歌うの? 踊り場で? 踊るんじゃないの? あっ階段の踊り場ってこと?」
A「俺は、基本自由な女の俺です‼︎」
B「ちょっと何言ってるかよくわからない」
A「俺です‼︎ 男でした‼︎」
B「なぜ過去形……」
A「俺です‼︎」
B「女なの? そんなに腹を膨らませて、お前は母体なのか?」(キラキラ)
A「Meです‼︎」
B「これ以上訊いてもゴリ押しで来る予感しかしないから諦めるけど、結局何がしたいの? 歌うんでしょ?」
A「基本自由だからね、俺は」
B「うん、それはわかってるんだけどさ」
A「ゴジラからの手紙は誤字だらけだった‼︎」
B「…………」
A「見せるとは言っていないよ‼︎」
B「でも今から見せるって言うよ」
A「見せるなんて言わないもんね‼︎」
B「ハイ言った。見せて」
A「冬場は逆剥けが痛い……Banso・C・Coe持ってない?」
B「本当に自由だね。そして普通に絆創膏と言いなさい」
A「キズナをツクるアブラと書いて、絆創膏DA‼︎」
B「絆、創る、膏。本当だ。すごい、わりと博識で今現在今世紀最大にマーヴェラスな気分」
A「アブラがツクったキズナはMs.とは相性が悪いです‼︎ 上手い‼︎ この上手さ一〇〇円‼︎」
B「ああ、油と水が分離する現象にかけてるのね」
A「解説される恥辱よ‼︎」
B「こういうのはさりげなく恥ずかしがるのか」
A「ここでラジオネーム、Gさんからのお便りです」
B「これラジオだったんだ」
A「『国境を越えた踊り場から愛を込めて』はボケのエレヅーです。たのしゐにしそひます……なんだこれ?」
B「あっ素になった。っていうかその歌本当にあるんだ」
A「これどういう意味?」
B「どれどれ……?」
A「ラジオネームGさん、すみませんが基本自由な俺は下腹部の海綿体組織に血を集められませんでした」
B「回りくどすぎるよ。普通にアンダースタンドって言いなよ。それよりラジオネームGとか、この人ゴキブリなのかな?」
A「やめろ‼︎ 俺のファンだぞ‼︎」
B「まあ要するに、このゴキブリは『国境を越えた踊り場から愛を込めて』を聴きたいってことだよね」
A「俺はゴキブリです‼︎」
B「でも、あなたが歌う『国境を越えた踊り場から愛を込めて』は、どうやってゴキブリまでお届けするの? ていうか、あなた一般人でしょ。そもそもなんでファンレターが届くの? ていうか、なんで『国境を越えた踊り場から愛を込めて』っていういかにも安っぽい応援歌みたいな歌が広まってるの? もしかして自演?」
A「……逆剥けって下手にいじると血が出てくるんだよ」
B「結局このゴキブリの正体はなんなの?」
A「これは俺がまだ生まれたばっかの時の話なんだけどさ」
B「いや、ゴキブリの正体はゴキブリ以外の何者でもないよね。最近のゴキブリは文字が書けるのか‼︎ 無駄に高性能化してるね」
A「俺、生まれた時から魔力があるんだ……。それに気づいたのは生まれてすぐの話さ」
B「でもむしろ、こうして律儀に手紙を書いて送ってくるゴキブリを想像すると強ち愛着が湧かなくもないよね。ルーズリーフの穴が空いてる部分と折れたシャー芯をあげたいね。あっそうだ。ゴキブリにだって家庭はあるだろうし排水溝に詰まってた髪の毛もあげよう。お腹いっぱい食べられるようにね……親は子を愛し、子は親を愛する、当たり前の幸せだ……」
A「その魔力を、俺は世界の平和のために役立てたかった。空を飛ぶ力、破壊力を持つビーム。短い時間の制約に圧されながらも、俺は戦った。人々の安寧のために、世界の平和のために‼︎ そんなある日、気がついた。もうこの世界に、俺は必要ないと。俺はみんなに看取られながら、短かった人生の幕を下ろした。まあ問答無用で地獄行きになりかけたからこうして転生して今に至るわけだけどね。しかし死してなお、俺は必要とされ、崇められた。転生した俺は再び彼らの前に立った。そして人々は、俺をこう呼んだんだ。日曜戦隊、ウルトラメン‼︎」
B「ハァ……。時間の制約の辺りから察してた」
A「ウルトラメン‼︎」
B「なんで単体で複数形名乗っちゃうの?」
A「メーン‼︎」
B「わあーやられたー」
A「相変わらずコシラは弱いな」
B「コシラって何者だよ」
A「Don't think,feel」
B「思ったんだけどこのゴキブリからのお便りはゴジラが代筆してるんじゃない? ゴキブリは字が書けないし、誤字だらけだよ」(涙目)
A「来週のこの時間は、ウルトラメン、ついにコシラに敗れる⁉︎ の二本です。お楽しみに〜」
B「話聞けよ‼︎ ヒーローが悪役に負けるアニメの何が楽しいんだよ‼︎ そしてあともう一本はなんだよ‼︎」
A「CMが本編です」
B「もういいや……(小声)。『国境を越えた踊り場から愛を込めて』はボクのエレジーですって言ってるよゴジラが‼︎」
A「番組はCM八割、通販二割の二本立てです。さて、ウルトラメンはどこで放送しているでしょうか‼︎」
B「たのしみにていますって言ってるよ‼︎ ダウジングとかで住所特定して聴かせに行こうよ‼︎」
A「その必要はぬ……」
B「なぜ‼︎」
A「そんなものはな、基本自由な俺が暇を持て余した時のお戯れにすぎぬよ」
B「やはり自演か」
A「自らを演じる、それが俺」
B「……‼︎ つ、つまりお前は……ゴジラを演じていた……ということか?」
A「ああ」
B「じ、じゃあ、お前、まさかあの時の……‼︎」
A「今頃気づいたか」
B「くそぅ……‼︎ この野郎、母さんを返せ‼︎」
A「相変わらずだな、マザコン戦隊Association Ranger uas hlub niamグリーン‼︎」
B「너의 소행, 아니 존재 자체! 허락하는 진심!」
A「Thaum yuav tsis tau tawm rau cov niam txiv kom txog thaum kuv tsis txawm txawm muab ib tug fuck yog mus yuav dab tsi hais rau cov me nyuam」
B「아니, 나는 알고있을거야. 니가 이상 할 정도로 아버지를, 특히 아버지의 아들을 사랑하고 있다는 것을. 너는 남자로 태어나 버린 고로 그를 사랑하는 것이 허용되지 않고, 이렇게 화풀이로 아무것도 나쁘지 않다 고질라들의 살육을 시작한 걸까. 따위 비열한 놈이다. 나쁘지도없는 사람을 다치게 그 보복으로 다른 사람이 너를 죽이려고한다. 그랬더니 이번에는 그 사람을 너는 죽일거야, 그런 악순환의 근원은 너다. 니가 원흉이야. 미안하지만 너에게는 죽어달라고」
A「あっ逆剥けから血が出てきた」
B「向こうからBanso・C・Coeがくるよ」
A「やったぜ‼︎」
オチ解説:もうしたくありません。カオスがわたすのネタの取り柄です。
戯曲6
A「宿題をしたくありません」
B「宿題をしたくありません」
A「とりあえずノートを開きました」
B「驚きの白さです」
A「無意識に引き出しを開けていました」
B「驚きの汚さです」
A「元々ありもしないやる気が一層失せました」
B「驚きの矛盾です」
A「宿題をしたくありません」
B「宿題をしたくありません」
A「ノートが白いので絵が描きたくなりました」
B「絵を描きました」
A「わりと筆圧が強かったみたいで消えません」
B「どうしましょう」
A「こんなときはこれ、強力漂白剤」
B「出た、驚きの白さを司る還元剤界最強の酸化物」
A「すごい臭いです」
B「まるでクズニートの体臭です」
A「宿題をしたくありません」
B「宿題をしたくありません」
A「アイディアが枯渇しました」
B「着想源の砂漠化です」
A「海馬という森林を伐採しすぎてしまいました」
B「これでは宿題のワークが解けません」
A「宿題ができません」
B「宿題ができません」
A「ノートを閉じました」
B「過去の自分が表紙に書いた『頑張る』という文字が目に飛び込んできました」
A「はっ……‼︎」
B「そのとき、私の中に電撃が走りました」
A「私は……なんてことを……」
B「私は、思い出したのです。忘れていたあの感覚を。決して忘れてはいけないはずのあの気持ちを」
A「馬鹿だ……くそぅ……」
B「地鳴りのような音が私の体を震わせました」
A「は、は、ハラヘッタ……」
B「腹が減っては戦ができぬ、ということを思い出しました」
A「そうして私は無意識に冷蔵庫を開きます」
B「賞味期限の切れた焼きプリンを食べます」
A「お腹が痛くなります」
B「新ビオフェルミンSを口に入れます」
A「あまりの粉っぽさにむせます」
B「机に粉を撒き散らします」
A「粉を噴き出した反動で新ビオフェルミンSの瓶を倒します」
B「驚きの白さです」
A「驚きの汚さです」
B「驚きの矛盾です」
A「片付けなければいけません」
B「しかしお腹が痛いです」
A「嗚呼」
B「Ah」
A「宿題をしたくありません」
B「それが宿題というものです」
四面楚歌