ある童話作家に捧げる詩

言葉の海に溺れた海豚はどこへ行く
海豚は一人、深海へ
誰の言葉も聞こえません
それがやっぱり悲しくて
言葉を求めて浮かびます

言葉の海に浮かれた鯨はどこへ行く
鯨は一人、空の上
みんなの心が視えません
それがやっぱり哀しくて
思いを求めて沈みます

言葉の海にのっかって漁師は時々掬います
色鮮やかな恋の歌
いわしが謳った恋の歌
誰もが忘れた恋の歌
みんなのために掬います

あいつはそんな漁師です

ある童話作家に捧げる詩

ある童話作家に捧げる詩

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-02-14

CC BY-NC-ND
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CC BY-NC-ND