ハろバナ

___そこは幻想の世界であり、現実の世界では無い世界だった。
宇宙という概念から解き放たれたそこは時間も無く、色や光も何もない。
ただ暗闇が広がる世界にただ瞼を閉じて蹲り、彼女は待つ。
時はある。いずれ現れる。ただそう信じて____

ユメ

夢。
それは希望、願望の事である。睡眠時のレム睡眠、つまり眠りの浅い時に見るものも同じく夢という。
__が欲しい
__になりたい
__なって欲しい
__に行きたい

夢のない生物はいないと言っても過言ではない。
生物は生きる上で必ず欲望は湧いてくる。例えば今どうしてもやってみたいスポーツがあったとしよう。そのスポーツをするには道具が必要で、道具を買うにはお金が必要になる。お金を貯めていざ道具を買って始めてみると上手くなりたいと思う。暫く続けると次第と上達して次は良い道具が欲しくなるがその道具は高額でまたお金を貯める。お金が貯まり道具が買う・・・
今の5行の文章だけでスポーツがしたい、道具が欲しい、お金が欲しい、上手くなりたい、良い道具が欲しいと5つもある。欲望は連鎖して止まるところを知らない、いや止まらない。止まるとすれば死んだ時だろうか?死んだ時に生物は欲望から解放され無に還る。

その後?そんなもの私が知るはずないでしょ?死んだことないもの。
人は死後の平穏を祈って宗教というものに頼るのが多いけれど、私はそんなものは信じていない。だってそうでしょ?死んだら終わり。夢も希望も欲望も全て終わる。

そう。終わるのだ。

ハろバナ

ハろバナ

  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-02-12

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