『 ドライブ 』

「右だよ!右に行けば水族館だもん!」

「左だよ!左はね、動物園なんだよ!」

後部座席で騒ぐ子供たち。
予定も決めずにドライブに出た事を、今更になって後悔した。

「ねぇ、どうしましょう?」

困ったように、助手席に乗っている啓子が言う。

「もちろん決まってるじゃないか」



右へも左へも行かず、車は真っ直ぐにお寺へと向かった。

僕らに子供なんかいない。

『 ドライブ 』

『 ドライブ 』

極短小説。

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-02-09

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