ジェレミー・リン旋風!NBA再び。

いま、アメリカの各メディアでは、"Lin-Sanity"という言葉が連日飛び交っている。"Lin-Sanity"というのは、NBAニューヨーク・ニックスの台湾系アメリカ人選手ジェレミー・リン選手の苗字の「Lin」と、英語で尋常でないという意味の「Insanity」をかけた造語だ。とにかく驚くのは、経済誌「フォーブス」や「ウォールストリート・ジャーナル」紙までが、突如吹き荒れているジェレミー・リン旋風を取り上げていることだ。

2月4日の朝、ロサンゼルス時代からの友人が、「マディソン・スクエア・ガーデンでのNBAのチケットがあるから一緒に観に行かないか?」と連絡してきた。「今日は土曜日だし、マンハッタンには行く気がしないから」とあっさりと断った。この断った試合が、ジェレミー・リン旋風が吹き荒れ始めるニューヨーク・ニックスvsニュージャージー・ネッツ戦だった。

僕は、仕事の関係もあって、野球、バスケットボール、ゴルフなどプロスポーツの試合に出掛けることは珍しくない。ロサンゼルス時代などは、各プロスポーツのホームが多い上に天候がいいため、年間を通じて多くのプロの試合を観て来た。MLB、NBA、PGAからアイスホッケーのNHLまで。

僕にとって90年代よく観戦したNBAと比べると、現在のNBAには興味が薄れていた。おまけに、2週間前の連敗を続けていたニューヨーク・ニックスの試合などは興味がなかった。ところが、この2月4日土曜日の試合を見逃したことを、その後、日を重ねるほどに後悔することになるのだ。連敗を続けていたニックスは、ジェレミー・リンが途中出場したこの日以来、彼が先発出場を続けて7連勝。更には、ロサンゼルス・レイカーズ戦では、コービー・ブライアントよりも多くのポイントをゲットする大活躍だ。

今日、2月20日はプレジデント・デーの祝日。ニューヨーク・ニックスのホームであるマディソン・スクエア・ガーデンでは、2月4日とまったく同じカードであるニュージャージー・ネッツとの試合がある。2週間前に「チケットがあるので一緒に行かないか?」と誘ってくれた友人からは、「チケットが取れないか?」と言ってくる始末だ。けれども、僕は、今日は朝早くから地元のスポーツ・バー「Poor's」の常連たちとのテレビ観戦を楽しみにしている。

ジャレミー・リン旋風。この風は確実に僕の中でも、吹き始めている。それは、ハーバード大出身の台湾系アメリカ人スターの誕生をきっかけに、90年代によく観戦に通ったNBAへ再び目を向けさせてくれているようだ。

ジェレミー・リン旋風!NBA再び。

ジェレミー・リン旋風!NBA再び。

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-02-21

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