探偵日記 6 『 探偵の情景 ・ 春夏秋冬 』

探偵日記 6 『 探偵の情景 ・ 春夏秋冬 』

実は、私は探偵小説が嫌いだ。
ホームズ、金田一、コナン …etc そんなに都合良く、謎解きの鍵が見つかるもんか。
警察署の警部辺りから事件捜査の協力や依頼など、そんな警察のメンツを潰すような設定、誰が最初に考えたのだろう?
・・そう、私は本物の探偵だった。 今でも時々、プライベートな時間に、『 非日常生活 』をしている。
密室殺人とかアリバイ崩し・・・ 実際には、そんな謎解きなどは無い。 もっと、人間の深層心理や対象者の人生の機微に迫り、
自身の岐路に、事情を重ね考える事が多い。
シリーズ最終回にあたり、私が担当した案件の中から、記憶に残っているものから抜粋し、外伝としてまとめてみた。

登場人物・団体名は架空ですが、ストーリーと結末はノンフィクション。 事実のみを優先しています。
登場する探偵『 葉山 』は、私です。

探偵日記 外伝

1、『 遥かなる、君 』

 細かな春雨が優しく降り続ける、とある4月の中旬。 待ち合わせた喫茶店に、その上品な老婦人はやって来た。 淡い藤色のワンピースを着込み、ベージュのパンプスを履いている。 手には、ブランドのロゴが入ったハンドバッグを持っていた。
「 どうしても、探して頂きたい方がおりまして・・・ 」
 60年以上前の人を探して欲しい、と言う。
 葉山は困惑した。 行方調査の場合、消息を絶った時からの時間が、調査の難易を左右する。 当然、短ければ短いほど情報も新鮮であり、精度も増す。 今回の案件の場合は、半世紀以上・・ 何と、60年以上も前なのである。
「 かなり前の事になりますので、情報が途絶している可能性があります 」
 そう老婦人に説明する葉山に、彼女は答えた。
「 構いません。 結果、分からなくても・・ 一度、専門の方に探して頂けたら、と常々思っておりました。 何とか、お引き受け叶いませんでしょうか? 」
 すがるような表情の老婦人。 ハンカチを持った右手を、テーブルの上で握り締めている。
 老婦人は、葉山に話を始めた。
「 ・・私は、18で嫁ぎましてね。 それ以前には、家同士で決められていた許婚( いいなずけ )がおりまして・・・ 代々と続く旧家の方でしたが、戦後の混乱で家は没落し、婚約は破棄。 ・・私は、新たに決められた家に嫁ぎました 」
 過去を、思い出すように語る老婦人。
 話しの続きによると、64年間、連れ添った夫は2年前に他界。 最近、元 許婚であった男性の事を思い出す様になり、頭から離れないとの事である。
 葉山は尋ねた。
「 わずかな記憶でも構いませんので、その許婚の方の、お名前・ご住所は分かりますか? 」
 その問いに、老婦人は持っていたハンドバッグからメモ帳と鉛筆を取り出すと、さらさらと書き始めた。 何と、覚えているらしい。 しかし、分かっているのであれば、探す必要など無いのでは・・・?
 老婦人は、書き終えたメモを葉山に渡しながら言った。
「 これは戦前の住所です。 村は吸収合併されて番地も変わってしまって・・・ 私も、何度も探しに行ってはみたのですが、何しろ、許婚の方のご実家には、一度もお邪魔した事が御座いませんので・・・ 」
 戦前でも、ここまで対象者の情報が分かっていれば、問題は無い。 葉山は、老婦人の依頼を請ける事にした。

 通常、行方調査は、調査期間と経費が掛かる案件である。 だが、今回の場合、ほとんどが判明しており、業務内容は追跡調査のみだ。
 数日後。 降り続ける菜種梅雨( なたねつゆ ・ 4月頃に降り続く春先の雨 )の中、調査結果を報告する為に葉山は、再び老婦人と会った。

「 許婚の方は、9年前に肺ガンで亡くなっておられました。 生涯、独身でおられたようですね・・・ 」
 住所や、居住していた家屋の写真が掲載されている報告書を読んでいる老婦人に、葉山は静かに言った。
 無言で頷く、老婦人。 居住していた家屋の写真を指先でなぞりながら、彼女は言った。
「 有難う存じました・・・ 」
 過ぎ去ってしまった過去を知り得たところで、現状は何も変わらないだろう。 だが、人は、気持ちを切り替える事が出来る。
 彼女が喫茶店のドアを開けて出て行く時、降り続いていた雨は上がり、薄日が射していた・・・

                            『 遥かなる、君 』 完


2、『 黒い仔猫 』


 腕時計の針は、午前3時半を廻っていた。
 蒸し暑い、真夏の深夜・・・
 下町の飲み屋街にある小さなバーに対象者が入って行った為、葉山は、斜め向かいにあったコーポの鉄階段脇にて、張り込みを始めた。
 裏ぶれた小さなスナックなどが軒を連ねる小路・・・ 路地裏と言った方がピッタリかもしれない。 暗い路地裏に店の電飾看板の灯りが点々と灯っている様は、川面に浮かぶ精霊流しの灯篭のように、どことなく幻想的にも目に映る。
( 小1時間は、出て来ないな・・・ )
 小さなため息をついた葉山は、煙草に火を付けた。
 近くの電飾看板が『 ジジッ 』という音と共に、点いたり消えたりしており、ブロックに乗ったエアコン室外機の音が、蒸し暑い真夏の夜の風景を演出している。 黒い仔猫が1匹、電柱脇に置いてあるゴミ箱の横に座り込み、葉山をじっと見つめていた。

 40分ほど経っただろうか。 対象者が入って行ったバーの横に小さなスナックがあり、勝手口と思われるドアを開けて1人の女性が出て来た。 歳は30代。 ウエイブの掛かった茶色の髪のワンレングスで、薄い青色のノースリーブを着ている。 蛍光灯の灯りが、電柱脇のゴミ箱を照らす・・・
 彼女は、残飯を盛った皿を持っていた。 それを先程の、仔猫の前に置く。 仔猫は「 ミャー 」と小さく鳴くと、残飯を食べ始めた。 彼女は、仔猫の前に膝を抱えてしゃがみ込み、じっと仔猫を見つめている。 やがて、ふと葉山の存在に気付き、ギクリとしたような表情を見せて立ち上がると、葉山を見つめた。
( 変に勘ぐられ、不審者として通報されると困るな・・・ )
 葉山は、何でも無いかのように、彼女から視線を外した。 か細く、更には不安げな震える声で、彼女は言った。
「 ・・警察の方・・ ですね・・・? 」
 葉山は答えた。
「 え? ち、違うよ。 遅番の友達が、帰って来るのを待ってんだ 」
 ホッ・・と、安堵したような表情を見せる彼女。 だが同時に、その表情からは、諦めにも似た心情が伝わって来る。 『 来るべき時 』に対し、とりあえず『 執行猶予 』を告知されたような・・・
( 陰のある人生を送っている人なんだな・・・ )
 葉山は、そう直感した。
 再び、仔猫の横にしゃがみ込んだ彼女。 残飯を食べ終わった仔猫を抱き上げると、胸に抱き締めた。
 待ち受ける、彼女の人生。 過去の余殃・・・ その、波乱なる未来を凌駕した更なる未来は、彼女にとって如何なる未来となるのであろうか。
 彼女の胸の中で、小さく鳴く仔猫。
 夜空には、黄色っぽい満月が浮かんでいた・・・

                              『 黒い仔猫 』 完


3、『 彼岸花 』


 夏の日差しが西に傾く頃、思い立ったように通り抜けていく風がある。 頬に感じる涼風に、ふと感じる秋の気配・・・ 急ぎ行く夏は、どことなく人の心を寂しくさせるものだ。
 そんな初秋の頃、葉山が親しくしていた知人の、その幼馴染が亡くなった。 享年33歳。 乳ガンだった。 葉山自身、プライベートで何度か会っており、大人しい印象の女性であっと認識している。
 離婚し、市内のマンションで1人暮らしをしていた彼女。 子供もおらず、両親も既に他界。 天涯孤独を絵に描いたような生活だったらしい。 小さな印刷会社のオペレーターをしていたが、時折、寂しそうな表情をしていたのを葉山は覚えている。
 生前、その知人と一緒に飲んだ席で、彼女はこんな事を言っていた。
「 本当は、あたし・・ 兄がいるの。 お母さんは、あたしが2歳の時に離婚してね。 兄は、父親の方に引き取られて行っちゃったらしいんだけど、小学生の時に一度、会った事があるわ。 自転車で遊んだりして楽しかったな・・・ その後、お母さんが再婚してからは会ってないの。 連絡先を知ってる人は、もういないけど、もう一度会いたいなぁ・・・ 」
 故人の手向けになればと思い、葉山は、彼女の兄の所在を捜してみる事にした。

 彼女のマンションを管轄していた不動産屋へ行き、親戚を装って入居契約書に記載されてあった保証人の住所を聞き出す。 当然、不動産屋が個人情報を教えてくれるはずは無い。 ここでは、葉山お得意の誘導会話にて、大体の地域を割り出すのだ。
 彼女は、再婚した両親が共に他界した後、マンションに入居したと言っていた。 とすれば、保証人は親戚である可能性が高い。 再婚後の親戚なのか、それとも離婚前の親戚なのかは不明だが、交流が薄い再婚後の親戚に、保証人は頼み難いもののはずである。 おそらく、離婚前の親戚筋だ。 兄が引き取られて行った実父の住所も当然、知っていると思われる。
 不動産屋の店員からは、保証人の苗字と、その保証人が居住する大体の地域を聞き取る事が出来た。 次に、NTTへ行き、保証人の家があると思わしき地域が掲載されている電話帳から、保証人と同じ名前を片っ端からリストアップする。 調査はいつも、地道な作業の連続だ・・・
( こんな手間の掛かるコトしなくても、データ検索すれば、イッパツなんだがな )
 あくまで、ボランティアである。 費用の掛かる事は出来ない。 案件の無い、暇な時期でもあった為、葉山は彼女の兄を探す事に終始した。
 何名かリストアップされた名前を基に、その家を訪れて聞き込み調査をするのだが、今回は、複数の同名の家が無かった。 つまり、1軒のみ。 おそらく保証人の家だ。 早速、聞き取り調査を実施し、誘導会話から実父の住所を判明させ、その後、実父を聞き取り調査し、兄の所在を判明させた。
 ボランティアとしては少々、手間を掛けたが、ほどなく兄は見つかった・・・

「 私も最近、離婚しましてね。 連絡を取ろうと思っていたんですよ。 まさか、40を前に逝ってしまうなんて・・・! 小さい頃、自転車で遊んだのが最期になってしまいましたね・・・ 」
 兄の所へは、まだ彼女の訃報は届いていなかったらしい。 事情を話し、自宅近くの喫茶店で会った兄は、40代とは思えない老け方をしていた。

 人の運命など、誰にも分からない。 明日の事など、誰にも予想出来ない・・・ そんな事を、真剣に考えさせられた、彼女の死。

 翌月の命日。 知人と、彼女の墓参りに行くと、墓前には、誰か弔問者が手向けていったと思われる献花の束が供えてあった。
( 兄が来たんだな )
 そう直感した、葉山。
 傍らには、自生している彼岸花が、鮮やかに咲き乱れていた。

                               『 彼岸花 』 完


4、『 雪の降る夜に 』


 小雪がちらつく、寒い夜。
 大通りを走る車のヘッドライトに照らされ、ぼんやりと明るい夜空から、はらはらと小雪が舞い降りて来る。 イルミネーションに彩られた繁華街にも、うらぶれた路地裏にも・・・
 私鉄の高架に沿い、路地裏へと足を進める。 ガードから少し離れた、小さな居酒屋が点在する商店街の片隅・・・ シャッターを下ろした商店が立ち並び、人気は無い。 暗闇に、電柱燈の無機質な明かりが、そこだけやけに明るく、寒々と地面を照らしていた。

 1軒の、小さな居酒屋の暖簾をくぐった葉山。
 『 コの字 』型のカウンターの中に、老婆が1人。 右側カウンターの奥には、薄汚れた作業着を着た中年男性がいた。 半分ほど残ったコップ酒を右手で掴んだままカウンターに突っ伏し、寝入っている。 他に客はいない。
 小さな鍋で、煮物らしきものを調理していた老婆は、葉山をいぶかしげに見ながら言った。
「 いらっしゃい 」
「 手羽先とビール。 あと、おでんを適当に見繕ってくれ 」
 葉山は、左側のカウンターに行くと、老婆の前に座った。
『 33年前に離婚した母を捜して下さい 』
 依頼者の中年女性は、そう言った。 会いたいのではなく、元気に暮らしているかどうかを知りたいのだと言う。
「 私・・ 半年前、肝臓を患いましてね・・ 一時は、命も危なかったんです 」
 伏し目がちに、そう語った依頼者。 最近、小学生の時に別れた母親の事が、気になって仕方ないとの事である。 離婚した理由は、知らないらしい。 父親も、何も語らず、14年前に他界したとの事。
 葉山は、老婆に尋ねた。
「 この店、随分と長いのかい? 」
 老婆は、瓶ビールの栓を抜きながら答えた。
「 そうさね・・ 30年くらいになるかね 」
「 1人でやってるの? 」
「 まあね 」
 葉山の前のカウンターに置いたコップに、ビールを注ぐ老婆。 手元に置いてあったのか、火の付いた煙草を口にくわえると、ビール瓶をカウンターに置き、煙を出しながら言った。
「 お宅、見かけないヒトだねぇ 」
「 上司の家が近くにあってさ。 送って行った帰りさ 」
 ビールを一口飲みながら、葉山は答えた。
 おでんを皿に盛り、葉山の前に出す老婆。 銀歯を出し、ニッと笑うと言った。
「 サラリーマンも、大変だねぇ 」
 遠く、電車の警笛が聞こえ、高架を渡る振動音がカタン、コトン、と小さく響く。 店先を騒々しく、原付バイクが走って行った。
 おでんに箸を付けながら、葉山は言った。
「 こういう寒い夜は、おでんに限るよ 」
 湯気の立つ里芋を頬張る葉山。 老婆は答えた。
「 あたしゃ、こういった田舎料理しか出来ないのさ。 これで30年、やって来たよ 」
「 年季の入った味、ってワケかい? どうりで旨いな 」
 老婆は再び、銀歯を見せながら笑った。 煙草を口に持っていきながら、葉山のコップにビールを注ぐ。
「 積もるかね、今日の雪は 」
 ビールを飲みながら言った葉山の問いに、煙をふかしながら、老婆は答えた。
「 風が無いからね。 多分、舞ってるだけさね 」
「 予報じゃ、積雪もありそうだと言ってたぞ? 」
「 無いね 」
 短くなった煙草を、カウンターの上にあった灰皿で消しながら答える老婆。 葉山は、箸先で里芋を切りながら言った。
「 自信満々だな。 雪の多い地方の出身かい? 」
「 金沢に、住んでた事があるのさ 」
「 実家? 」
「 30年くらい前に、嫁いだ先さね。 性が合わなくて、数年で別れちまったけどね・・・」
 梁に掛けてある壁掛け時計の鐘が、しわがれたような音をひとつ、立てた。 時までも眠ってしまいそうな、深々と冷える、静かな夜。 おでんを煮立てる音のみが、店内に聞こえる・・・
 老婆は、菜箸の先に里芋を1つ刺し、口に頬張ると言った。
「 別れて家を出る時も、今夜みたいに雪が舞ってたよ。 濡れたマフラーの冷たさが、雪なのか涙なのか、分かんなくてさ・・・ その日以来、あたしゃ、雪を見ると・・ 妙に切なくてねぇ・・・ 」
 憂えいているのは、残して来た子供の事か、過去への追憶か・・・
 葉山は言った。
「 雪は、いつか解ける日が来るモンだ 」


                            『 雪の降る夜に 』 完


〔 エピローグ 〕

「 尾行をしてみたい 」・「 張り込みって、面白そう 」・「 調査業務が好きだ 」etc…
 探偵と呼ばれる『 特殊業務 』に、憧れ・興味を持つ人は多いことだろう。 異業種に対する立志の尊重も大切な事柄だとは思うが、悲しいかな、調査業はそれだけでは成り立たない。 営業面での能力が、意外にも多く問われるのだ。 依頼者との折衝・・・ それが全てである、と言っても過言ではないだろう。 基本は、社交的な性格。 そこから探偵という職業が始まる事を、まずもって記させて頂きたい。

 調査業は、裏社会に精通する事となり、必然的に『 そういった業界の人間 』とも関わりを持つ事となる。 当然、彼らと衝突する機会も増える訳だ。 そういった事態に遭遇した時、TVドラマ宜しく反撃していては、未来に大きな問題を残す事となる。 格好など気にせず、『 逃げるが勝ち 』が無難である。
 従って、当初から彼らとは、いざとなったら『 姿を晦ませる事が出来るような付き合い方 』をしておかなくてはならない。
 私も随分、危ない目に遭った。 命辛々、路地裏を逃走した経験も何度かあり、『 彼ら 』に拉致され、組事務所に連れて行かれて監禁。 しばらくは音信不通となった事もある。 この時ばかりは、当時、婚約中だった妻には、大変な心配を掛けてしまった。
 同じ、調査業の仲間の内、調査中に事故死した者、未だ行方不明の者、半身不随となってこの業界を去って行った者・・・ 片手では数え切れないのが現実だ。 既婚者には、絶対にお奨め出来ない業種であろう。 実際、家族の存在が、調査に弊害をもたらす事もあるのだ・・・
 だが、色々な人生の機微を垣間見る事が出来た。 事実は、現実の結果であり、下した判断の余殃とも言えよう。 都合良く創作された経緯など、一切ない。 まさにノンフィクションの世界である。

 現実を必死に生きる者の心には、世俗をも凌駕する、不動な信念を見出す事が出来る。 虚像に惑わされない、真実のみが語れる領域・・・ その『 真実 』の姿を、私は調査業務の中で、いつも追い求め続けて来た。 何故ならば、常に依頼者は『 真実 』を欲しているからである。 その純粋とも言える依頼に、どれだけ答えられるか・・・
 見返りなどを期待してはならない。 ある意味、依頼者に、どれだけ親身になれるか、である。

 仕入れの無い業種での、独立・・・ その指針の先に、調査業という業務を見出した私だったが、どうしても情に流されてしまう性格が、何度となく業務履行に障害をもたらした。 経営者としては、不向きだったと解釈している。 現在、探偵調査の一線からは退いている私だが、同僚の事務所からの依頼にて面談などの営業、調査方法の立案・アドバイスなどを、時々、プロデュースしている。

 想像とは裏腹に、実に過酷な業務である調査業界・・・ しかし、取得した情報以外に得られた『 もの 』は、プライスフリーにて、大変に大きかった。 それは実際の経緯・結果だけに、迷う事なく頼れる選択肢だからだ。 これからの人生の岐路にて、ある意味、指標となり得る事だろう。
 迷う事なく頼れる『 真実 』は、求めなければ、手にする事は絶対に出来ない。 それを取得する為に己の知恵を絞り、一見、不可能と思える現実を孤軍奮闘、何とかではあるが、可能領域へと変換して来た。 苦労・苦悩は多かったが、精一杯、努力出来た時を持てた事は、私の誇りでもある。
 明日の未来、同じ道を追従する後輩たちの奮闘を、願って止まない。


  『 真実を追究する者は、真実によって救われる 』


 この、シリーズ6編の作品を、調査業務遂行中に逝った、幾多の仲間たちに捧ぐ


                                          夏川 俊

探偵日記 6 『 探偵の情景 ・ 春夏秋冬 』

最後までお読み頂き、ありがとうございます。
あとがきは、最終回『 探偵の情景・春夏秋冬 』の本文中にあるエピローグに、詳しく書かせて頂きました。
実は、一番、記憶に残っている案件が1件ありますが、これはいつか『 探偵日記 7 』として、1本の独立した作品として掲載しようかと思っています。

次週、新たな作品をUP致します。 宜しければ、またお付き合い下さいね。


                                     夏川 俊

探偵日記 6 『 探偵の情景 ・ 春夏秋冬 』

調査の仕事をしていると、様々な人生の機微に巡り逢う。 対象者であったり、依頼人であったり、また、調査中に出逢った関係者だったり・・・ 皆、それぞれの人生を背負い、現実を生きている。 その人生の岐路を彩る、様々な情景・・・ ここでは案件の違う、それぞれ四つの情景を、ショート・ショートで回顧してみた。

  • 小説
  • 短編
  • 恋愛
  • アクション
  • サスペンス
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-02-07

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