ひかり

いくら目を瞑ってみても
いくら耳を塞いでみても
あなたからつたわるこの熱は
どうにも僕をはなしてくれそうにない
 
ああ 僕を包んでいく温度の影に
少しばかりの疑念
この確かな光の暖かさを浴びてなお
いったい何を疑おうというのか

ちいさな部屋に満ちる
分かったようなため息
惨めな冷たさ
偽物の暗闇
陽の光はすべて照らし出し
ゆっくりと溶かしていく

そしていずれ
見つけてしまうのだろう
影で怯える ちいさい鼠を

ひかり

ひかり

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-02-06

CC BY-ND
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