君が夜の女になってた話
自分の人間像維持に疲れ果てた女を主人公の僕が見守るお話です(多分)
君
『卒業してからもずっと友達だよ。』
『連絡しろよ。』
『いつでも遊ぼうね?』
校門の前、沢山の友達に囲まれ言葉をかけられている彼女を、僕は卒業証書を握り締めたまま只ぼんやりと眺めていた。
そういえば高校に入学してからの3年間、僕は彼女と一度か話をしたことがあっただろうか。
容姿端麗に加え頭脳明晰。大和撫子のお手本のような彼女の周りにはいつでも取り巻きのような輩が溢れ返るようにいて、こんな僕が声をかける隙も勇気もあったものじゃ無かったが、僕はきっと誰よりも彼女のことを見ていたし知っていた。
君が夜の女になってた話