コロボックルと桜座流星群㊥
― 桜如神社 -
『こんにちは~。神官様いらっしゃいますか?』
部屋の奥から足音が近づいてきた。
『こんにちは。2人も毎日ご苦労様。おや・・。今日は友達も一緒ですか。』
神官様が微笑んでルイに話しかけた。
『こ、こんにちは。ハルとハナの友達のルイです。今日は付き添いできました。』
『ルイは小さいころからの友達で私たちの幼馴染みなんです。』
ハルが嬉しそうに神官様に説明した。
『巫女の踊りの練習ルイにも見てもらってもいいですか?』
ハナが心配な顔をしながらしゃべりだした。
『大丈夫ですよ。でも舞っている最中は静かにしていてくださいね。』
『はい。よろしくおねがいします。』
ルイはほっとしたようにいった。
『では、ハルさんとハナさんは着替えに行ってください。』
『はいっ。』
パタパタパタ・・・。
『・・・・ルイさんといいましたね。』
『はい。』
『・・・・。あの2人のことは・・ご存知ですか?』
『ハルとハナのご両親のことですか?』
『はい。それもあります。それと・・・』
『この村では結構有名ですが、あの2人は知らない真実。』
ルイが険しい顔で言った。
『・・・・あの二人、ハルとハナはこの村・・・この世界の姫君。』
『そう。ハルさんとハナさんはこの国の王家の血をひく後継者。
ハル姫とハナ姫。』
『・・・でも!それは・・『わかっています。このことは禁句。封印された真実。』
『ならこの話はしてはいけないんじゃ!』
ルイがあせりながら言った。
『でも、ルイさんはこのことを知らなきゃいけない・・・・。』
『このことって・・・・このことってなんですか?』
『それは・・・ パタパタパタ・・・・
『ルイ~神官様~着替え出来ました~。』
ハルとハナが巫女の格好をして手を振りながら走ってきた。
『それじゃあ私たち始めますんで神官様よろしくお願いします。』
ハナがいった。
『それじゃあさき行って待ってますね。』
パタパタパタ・・・。
『ルイくん。さっきの話は明日したいと思うのですが明日の放課後、神社にこれますか?』
『はい。でも・・・。』
『大丈夫です。明日は舞の練習はありません。』
『わかりました。学校が終わり次第来ます。』
神官様が二コッと微笑んでいった。
『もう行きましょう。二人が待ってます。』
神官様は静かに歩いていってしまった。
(・・・なんだったんだろう・・・。神官様とても話しずらそうでとても悲しそうな顔をしていた。)
ルイは神官様のあとをあるきながら思っていた。
♪~♪~
演奏が始まり二人は目がくぎずけになるほどとてもきれいに舞っていた。
(ハルとハナは今まで何も知らずに生きてきた。なぜ両親や親戚血のつながりのある人がいないのか、
そしてなぜ苗字はないのか・・・。
きっといつか知ることになるとおもうだろう。でもそのときになったら・・・・。
― あの二人はどう思い、それからの事をどうするのだろう -)
僕はそんなことを思いながら切なそうに流れる巫女の舞を僕はずっとみていた。
― 次の日 -
『ルーイっ!一緒にかーえろっ!』
ハナが元気良くさそってきた。
『あっ、ごめん。今日はだめなんだ。』
『今日御用でもあるの?』
ハルも話しかけてきた。
『うん。ちょっとね。それじゃあもう行かなきゃ行けないから、それじゃあ。』
パタパタパタ・・・
『なんだろうね、用って。』
ハナがきいた。
『いいよ。今日は2人で帰ろ。』
『家に帰って春のお祭りの練習しよ。』
― 桜如神社 -
『こんにちは~。』
『こんにちは。ルイくん昨日ぶりですね。さあ、あがって茶室で少しまっててください。』
『はい。お邪魔します。』
~~~~~~~~~~
『お待たせしました。』
『いいえ。』
『・・・・昨日の続きでしたね。』
『はい。』
『ルイ君はコロボックルの王国の言い伝えは知っていますか?』
『いいえ・・・。』
『この国では王族の王妃、姫君は春の祭り、3月27日に生まれる事が多いです。このことは王族の人だけに伝わることなのです。
ハルさんハナさんも3月27日ですよね。』
『はい。』
『でもそこは問題点ではない。』
『・・・どういうことですか』
『ハルさんハナさん。この二人は双子です。』
『はい。』
『・・・・・この王国では。双子の姫たちが生まれるということはこの国の不幸をあらわす。』
『!!』
『・・・不幸。王族で双子はこの国が滅びる。そして・・・・それを喰い止めるのは、
どちらか、片方を殺すか・・・。しないと・・・・。』
『・・・・・どちらか片方って・・・ハルかハナが死ぬってことですか!?』
『・・・はい。そして、18歳の誕生日までにどっちかが犠牲にならないとこの国は3月27日、あの二人の誕生日、春のお祭り
の夜にこの国は滅びる・・・。』
『!!・・・・・それを・・・それを止める方法はないんですか!』
『・・・・一つだけあります。』
『!それを教えてください!!』
『・・・・・春祭りの夜、流星群が通ります。その夜に桜のマンションの屋上に行き
ハルさんとハナさんが流星群の下で巫女の舞を行う。でもそれを立ち会えるのは、王族、神官だけ。
神官は魔力を使わなきゃいけません。しかし僕はもうそろそろ神官を降りなければならない。』
『どうしてですか?!』
『僕も外見は若く見えますけどもう200年近く生きています、こんなに若く生きていられるのも魔力のおかげです。
しかしさすがに200歳近くなると魔力も足りなくなります。なのでまた神官を探さなければならない。』
『・・・。』
『そこでものは相談なんですが、ルイくん、ぜひあなたに次の神官候補になってほしい。』
『えっ!!僕がこの国の神官!?』
『そう。今日ここによんだのはこのことを話すためです。』
『でも・・・ぼくなんかで・・・。』
『大丈夫。この国の人は少しは魔力を持ってる。ルイ君なら今からでもおそくない。』
『・・・・でも・・・・』
『君は魔力を持っている量が人より数段に多い。今から3月27日までに必ず神官波に魔力を扱える。
そして君の選択であの2人の未来も変わる!』
!!(僕の選択でハルとハナの未来が変わるこの国の未来も!)
『・・・やります。』
『本当ですか?!』
『僕は神官になってハルとハナとこの国を守る。』
この時のルイの目はとてもまっすぐとした目だった。
『では、明日ハルさんとハナさんも呼んでこの事と王国とことを話しましょう。』
『・・・はい。』
コロボックルと桜座流星群㊥