おにはーそと。でもいいやつはーなか。

まどろ

公園でヤンキーと幼女が出会ったらこうなった。

ヤンキー君と幼女ちゃん

「おにはーそとっ。おにはーそとっ。おにはーそとっ。おにはーそとっ」
「おいこらクソガキ。さっきから豆投げてくんじゃねーよ。俺は鬼じゃねぇ」
「え、でもママが言ってたよ?頭からツノが生えてる人は鬼だって」
「何も生えてねぇよ。お前には何が見えてんだよ」
「ちぇー。ノリの悪い鬼さんだね。せっかく私が遊んでやろうと思ってるのに」
「ばかかおめぇは。おれはもうガキと遊ぶ歳じゃねぇんだよ」
「じゃあ何と遊ぶ歳なの?」
「悪りぃ奴らだよ」
「悪いことするの?」
「そうだな。悪りぃことばっかりしていてぇーよ!豆投げんなって」
「あくはーごみっ!くそーはそとっ!」
「勝手にアレンジしてんじゃねぇよ」
「はぁ…。でも私も悪いことしたい!」
「はっ。笑わせやがる。お前今何歳だよ」
「前世の分を足して?」
「足すわけねぇだろ。てか記憶あんのか?」
「あるわけないじゃんバあ、あ、えり掴まないで」
「で、歳は?」
「わたくし、今年で4歳になります。最近反抗期らしきものにかかりまして、親も少々手を焼いております」
「お、おう。そうか。礼儀正しいところはいいとこだな」
「嬉しきお言葉」
「ふーん。なるほどな。反抗期だから悪いことしてぇのか?」
「違うもん。最近私の弟が産まれて、私のことあんまり構ってくれないからだもん」
「そんなのが理由かよ」
「そんなのが理由だよ!!」
「どこでキレてんだよ。でもそうだな。悪いことをして注目されてるようじゃ、おめぇも俺たちと同じ鬼さんだ」
「どうして?鬼さんは注目されたいの?」
「そうじゃねぇんだ。俺らぐらいの年代になるとな、どうも大人が気にくわねぇんだよ。だからそれに反抗してんだ。俺たちの方が正しいんだ。お前らが間違ってんだぞ。ってな」
「うーん…4歳児の私にはまるでわかりません」
「急に4歳児に戻るんじゃねぇよ」
「じゃあ私も外のわけですね?わたしもーそと。おにいさんもーそと。福なんて来ないんだ」
「お、お、?そうだな?」
「あはは。難しいこと言っちゃって鬼さんのこと困らせちゃった。ごめんね」
「だからおめぇ何歳だよ」
「4歳だよ!!」
「どこでキレんてんだよ」
「もうこのやり取りあきました。今日鬼さんと出会えてよかったです。世の中にはいろんな鬼がいるんだって分かったから。お兄さんみたいなバカな鬼も、私みたいな可愛い鬼も」
「お、お、?そうだな?」
「また困った?」
「うるせぇ!」

おにはーそと。でもいいやつはーなか。

節分の日とか、いろんな行事があるごとに、物語を書くのが楽しいです。

おにはーそと。でもいいやつはーなか。

ヤンキー君と幼女ちゃん

  • 小説
  • 掌編
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-02-05

Public Domain
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