『 他人の不幸は 』

「俺、甘いの嫌いなんだよ」

見た目が悪者っぽい仮面の無愛想ヒーロー。
悪態をつきながら暴れていた怪獣を倒し、文句を言いながら沈みそうな客船を助け、愚痴をこぼして銀行強盗を捕まえ、ゴミを拾い、おばあちゃんの荷物を運んであげてから、彼は今日もいつもの決め台詞を残して飛び去っていった。

甘いものが嫌い。
甘いものが嫌い。

「あ、そういう」

普段はあんな感じな彼が、頑張って捻った台詞を考えたんだなぁ……って想像して、ちょっとニヤけてしまう訳で。

『 他人の不幸は 』

『 他人の不幸は 』

極短小説。

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-02-05

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