有志国連合や二億ドルに対する所感
毎度のことながら事情に通じている訳でもなければ、十全に情報を集めた訳でもない私です。良く知りもしない事について述べるべきではないのかもしれません。それに同じような意見は既にいくらでも出ていることでしょう。それでも書いてみたくなったのだから仕方ない。
この度はイスラム国関連で話題になっているアメリカを中心とした有志国連合と日本が難民等対策のために出した二億ドルについて感じた事を書いていきます。
緒言の結びとして『イスラム国』に関係しては最初の日本人犠牲者のお二人のご冥福をお祈り申し上げます。
有志国連合は国際連合の機能不全を象徴しているように思います。自分たちで作ったルールを自ら進んで破っている。そして、それで良しとしているように感じるのです。
安全保障理事会で話し合い国連軍を派遣するという方法を取らず、有志国連合という方式で他国を空爆する。これに国連の存在感の薄さを感じます。危機に於いて悠長に話しをしている暇はないということなのかも知れません。ですが、他人様の頭上に爆弾を落とすのですから、慎重に話し合わなければならない。そう、思うのです。誤爆は起こるのですから。爆弾テロなどによって何の非もない人を殺されたことは、空爆によって出る何の非もない人の死を肯定する理由にはならないのではないでしょうか?
このように考えるのは、私が被害を受けていない平和ボケした日本人だからなのかもしれません。この度の犠牲者二名とも同国人という縁しかないので、暢気なことを書いているのかもしれません。しかし、仮に親しい人が犠牲になったとしても「敵を殺せ」だとか「空爆に参加すればいい」とは発言しないと思います……少なくとも公の場では。
さて、先日アメリカによって公開された有志国連合リストに日本も名を連ねています。日本国政府の本意がどこにあるのかは知りません。しかし、リストを見た空爆を受けた人たちは、日本が空爆……つまりは身内を殺すことを肯定したと認める可能性は十分にあります。日本に対して悪感情を持つ人は増えることでしょうね。
仮にも平和国家を標榜しているのですから、空爆のような行為に加担していると取られる行動は慎むべきだと思います。李下に冠を正さずです。
しかし、勘違いして欲しくないのは、私は難民対策などに協力せず無関心に振舞えと言っているのではないのです。
イスラム国に対する敵対陣営に立つことと資金提供という方法が良くないと考えているのです。前者については既に所感を述べました。後者についてですが、金などという如何様にでも化けるものを渡せば、それが何に使われたかなど分かったものではありません。もっとも、物資による援助をした所で、繰り上がって戦費に回るのかも知れませんが、幾らかはマシだと考えます。ああ、そう言えば、少し話は逸れますが、武器輸出も似たような理由で反対です。
積極的平和主義を掲げるならば、自衛隊など解体して、純粋な国際災害救助戦災等の復興部隊に再編すれば良いのです。武器などは一切持たないで良いのです。例え、それで犠牲が出たとしても人々が普通に暮らせるように愚直に働き続ければ良いのです。戦争に加担する方向で過激になるぐらいなら、こんな風に過激になって貰いたいです。
戦争の出来る普通の国よりも、夢見がちな理想主義国家で良いんじゃないかと思います。
だいたい戦争ばかりの人類史、そろそろ別の段階に入っても良いんじゃないかと思う今日この頃。
有志国連合や二億ドルに対する所感
このような文章を書いた私ですが、若干争い事を好む性質を持っています。人間の持っている性質の一つなのか個人的な悪癖なのかは分かりませんが「敵を倒す」というのは気分が良いものです。だから今回、倒すという意味を自身に再認識させたのでしょう。恐らく自制の意味も込めてこのような文章を書いたのだと思います。
しかし、結局、この争いは誰が得をしているのでしょうか……まずは武器屋。それに食料を始めとした様々な物資。う~む、割と利益を得ている人が多そうですね。そして、利益を確実にするのは土地には関係ない人たちなのでしょうね。嫌な話です。