妄想的彼氏

妄想的彼氏

2か月だけの研修でやってきた細井君。
彼のことを妄想してると、半分の確率でホントになっていった。
妄想はいわゆる、付き合うまでの過程をシュミレーションするだけで。
どんなことでも妄想なら自由だし。
初めて会って私の中じゃ彼氏なんです♡

妄想

初めまして。今日からここでお世話になります。細井です。
入社4年目ですが、よろしくお願いします。
彼が岐阜から2か月だけの研修にやってきた。
彼が最初にドアが開かずオロオロしていたので手伝ってあげた。
そうやるんだ!と納得ともいえる言葉をつぶやいた。
彼は大学卒の4年目だから26歳ぐらいか。
顔は。イケメンのほうかな。
背も176ぐらいはあるか。
今日が初対面じゃなくて、昨日、社員が集められてミーティングルームに来た時、私もいたわけ。
みんなの自己紹介をして彼はそこで聞いていたの。
今日、だから会うのは2回目と言うことで向こうも私を覚えていたみたい。
「あっ、きのうの!」
私に指を指して彼は言った。
こんなことで、嬉しくなってしまった私。
明日は声をかけてみよう!そんなワクワクした気分になっていた。
私のこと、覚えててくれたんなら興味もあるのかな?
まあ、私しかしゃべらないだろうし、彼を振り向かせるにはまず、どうしようかな?
そう言えば、一人暮らしだったっけ。お昼も一緒にいかかですか?
って誘っちゃう?
いいね!それでいっちゃいますか!
そして、彼はいいんですか?と控えめに言うの。
私は、そこで、「お話もしたいし」と上目使いで男を落としちゃお!
ご飯食べながら、「ねえ、細井君はこっち、初めて?」
とさりげなくデートしようとアピール。
「私、よかったら、案内してあげるよ」
彼は「休みいつですか?」
と聞いてくるだろう。
「日曜だよ。細井君は?」
みたいな展開でデートまでこぎつくでしょう。
みたいな妄想していると、半分の確率でホントになってしまうの!

自己紹介

妄想じゃなくて、これは、現実なんですけど、彼とご飯まで行けることになりまして。
そこでまず、私のこと分かってもらおうかな?と自己紹介して彼に私をアピールしました。
「私、いくつにみえますか?」
「そうですね。僕と同じか、28ぐらいですか?」
こういう答えには慣れてます。
「私、26歳なんです」
と同じ年ですアピールするの。
「えー、一緒なんですね」
彼は結構、興味をもってきたみたい。
彼の方から「今日、帰り、僕の部屋きませんか?もっと、お話ししたいし」
そうなんです。
私の妄想、ホントになっちゃった。
彼を待っているとまた、私は妄想の世界に。
お部屋に呼ばれて、「どうぞ、せまいですが」
彼はテレビをつけてお茶を出してくれる。
「ありがと。細井君は彼女いないんですか?」
と迷わず彼の顔を覗き込んで聞いてみる。
「僕、大学の時にいたような、でも今はいません」
みたいな、期待通りの返事でしょう。
「彼氏いないんですか?」
今度は私が質問されてる。
みたいなことを思ってたところに細井君がやってきた。

彼と二人っきり

「遅くなってすみません」
「いえ、まだなれないもんね」
「僕のマンション、ここから5分ほどです」
「近くて良かったね」
妄想がホントの話になっている。
彼のマンションに着いた。
「どうぞ、狭いですが」
「綺麗ですね。一人だったら十分ですよ」
二人はソファーに座った。
「飲み物、何がいいですか?何でもありますよ」
「私、ノンアルコールもらいます」
「ありますよ。何か言ってください」
「カシスオレンジありますか?」
「はい、どうぞ」
「ありがとね」
彼を見て笑顔で微笑んだ。
彼は上着をハンガーにかけ、私の横に座った。
「僕はもう、飲もうかな。いいですか?」
「私に遠慮しないで。どうぞ」
「僕、初めの日、こっちでうまくやれるか不安だったんです」
「でも、こっちも、いいでしょ?」
「そうでうね、優しい人もいるし」
「あらま。そんなこというと、また、来ますよ」
「もちろん、また、ここで会いましょう」
「約束ですよ」
「はい、うそじゃないです」
彼は私に好意をもちだしたかな?

能力

私の会社での評判?
仕事が出来て能力も高い!
と言われているらしい。実際、細井君と同じ日に岐阜から副所長という人も
こちらの会社に来ていてその人と面談をした時に
「ここの所長が私のことを頼っているよ」
と言われそんなに評価がいいのか!と嬉しかった。
そんな私が彼らと話すときは好きです♡
オーラをバンバン出して
時には笑顔もふりまいて
応対するんです
女子には反感かうでしょうね。きっと
こんな女の武器を出さずにいては
仕事も上手くいかないって思うわけ。
でも、大抵の男はいちころ。
これも、能力なんでしょうか。
この、副所長さん、なんと、29歳なんです。
面談の時、そう言って若さアールをしてました!
彼も私と似ていると思ったわ。
だって、真面目に仕事にかける情熱があるし
やり遂げようとする姿勢も共感できたの。
そろそろ、恋愛妄想の時間だわ。
まあ、副所長と恋に落ちるプロセスを検証してみますか!
向こうからより、こちらから声をかけないとダメですね。
この手のタイプは!
頼られたい人っぽいの。
だから、「すみません、ここ、どうやったら、上手くいきますか?」
とさりげなーく質問して相手のテリトリーにいれてもらっちゃう。
そして、「ありがとうございまーす。また、教えてくださいね♡」
と、とびきりの笑顔で女の武器を使いましょう。
もう、彼は私が気になって仕方がないでしょう。
彼が、いい気分になったその時、一度、身を引くんです。
なぜなら
もっと、追いかけたくなるから!
あえて、逃げます。
もう、男の性(さが)ですね。
間違いなく、目で追われることになります。

二人に想われる

やだ、細井君以外に、副所長も私に気があるようね。
二人のどちらにする?
副所長は責任もあるし自由な時間はない。
だけど、私の出世を考えたらこの人でしょう。
遊びなら、細井君ね。
現実のもとへ戻ると
今日も会社に来てます。
残念だけど、今日は細井君、お休みのようです。
こんなときは、妄想である。
細井君、おはよう!!!
と朝、声をかけるのです。
私はすっかり好かれているんだ!ぐらいのとびっきりの余裕を見せつけて。
彼も故郷を離れ人恋しいころなので
優しさにどっぷりはまっちゃう。
「おはようございます。今日もよろしくお願いします」
と礼儀正しい彼である。
仕事中は仲良しという感じにならないように気をつけてます。
だって、ばれない様にしないとやっかいだし。
ここでいう、厄介は、ライバルがでたらのことで、ばれること自体ではないのである。
まあ、今日は無事に終わったし
また、彼の家にいこうかしらと彼に甘えて聞いてみる。
「ねえ、後でいってもいい?」
すごいことに、彼は「来てください」
と全然嫌がってないからすごい。
「また、仕事の後、待ってるね」可愛く腕組も入れておねだり♡
彼はただただ私の虜になっていくのである。

胸キューン

今日彼は出勤だ。
なんとなく、彼の顔が恥ずかしくて見れない。
妄想してるなんて聞いたら、ドン引きかも。
そんなこととも知らず、私の前のデスクに来た。
「おはようございます。植木ちゃん。植木ちゃんが管理甘かったせいで
報告書に誤差ありましたよ」
あれ?今私のこと、ちゃん付けで呼んだ?
だから、初対面みたいな私にそれはマズイんじゃない?
この前会社帰りに行ったことは秘密にしてるし。
「えっ、今ほんと、聞こえなかった。何って言ったの」
「植木ちゃん、確認したのが間違ってましたよ」
言葉に詰まった。
若い後輩からのダメ出し。
しかも妄想的には彼氏。
こんな時は妄想して嫌なことはわすれましょう。
細井君が私のところにきて、
「さっきから、どうしたの?なんか、様子が変ですよ」
と気にしてくれる。
「あ、なんでもない。仕事しよ。」
となんでもなかったようにかえす。
でも細井君は傍から離れず、
「今日、帰り来ませんか?」
もう、ご飯くらいは行きたい気分だ。
「そうね。いいわ。じゃあ、後で行くね」
私は彼の終わるのを見図って、外にいた。
「遅くなって、すみません。どこ、行きますか?」
「ご飯でも、いこう」
「そうですね。この辺でどこかいいとこ、ありますか?」
「居酒屋さんが近くにあるから行きませんか?」
「いいですよ。お願いします」
と二人で居酒屋に。
いらっしゃいませ
店員に何名様ですか?と聞かれ2人ですと答え
案内されたのはふすまのある締切ができる個室だった。
「いいですね。ここ」
「そうでしょ。まあ、好きなの頼んで」
「はい、僕はビールでいきます。植木ちゃんはビールですか?」
「いいよ!それじゃ、かんぱーい」
飲んでいい気分のところに彼に質問しちゃうのだ。
「どういうタイプが好きなの?」
「僕はかわいい感じで守ってあげたくなるような子がいいですね」
「誰かいないの?」
「募集中です」
「植木ちゃんはどういうのが好みなんですか?」
「私はしっかりしてて、仕事が出来る人がいいですね。尊敬できる人かな?」
「顔の好みはありますか?」
「かっこいいほうが、やっぱりいいです」
「僕かな?もしかして」
「いいんじゃないかな。細井君でも」
「ほんとですか?」
「いいと思うよ」
「期待しますよ」
「して下さい」
とこんな感じでいきたいのが理想なんです。

電話して

今日は細井君ね出勤です。
電話を聞いてなかったから聞こうと思ってます。
細井君が私を見つけてやってきた。
「おはようございます。植木ちゃん。今日もお願いします」
「おはようございます。細井君、これ、私の連絡先です。細井君も教えてください」
「いいですよ」
「と電話の交換も済ませ、今日の目標クリアです。
後は彼に電話してもらうだけのことですが。
「細井君、後で、私とミーティングとるから来てね」
「はい。後で行きます」
ミーティングで彼に仕事のことで感じた点などを聞き、
あとは、雑談になった。
「もう、すっかりここの人みたいですよ」
「褒めてますか?」
「当り前です。よく周りをみて行動してるし」
「ありがとうございます。お役に立ててうれしいです。特に植木ちゃんの役に立てれば」
「もう、調子のいい人」
「今夜、飲みに行きませんか?」
ホントになりました。
妄想で思ってたのが。
「はい、では、お仕事頑張ってね」
「後で、いつものところで」
会社が終わり彼が着替えて出てきた。
「お待たせしました。どこかいい所ないですか」
「ありますよ。近くに居酒屋さん」
二人は私の妄想と同じ流れで展開するのでした。
「何飲みますか?」
「僕、ビールください。植木ちゃんは?」
「私も同じもので」
「かんぱーい」
「植木ちゃんの好きなタイプは?」
「細井君」
「えっ、ホントですか?」
「うん。好きだよ」
「嘘みたいです。気に入られてたんでうれしいです」
もう、お酒の勢いで何でもカミングアウト!
「でも、2か月しか一緒に居られないんだよね。残された
時間、有意義に過ごしましょ」
「そうですよ。時間がないんです。もっと、
植木ちゃんを知りたいな」
「まあ、手が早いこと。細井君に壁ドンされたら
コロッと行っちゃうかも…」
ドンッ
彼は私に壁ドンして
「どうですか?ドキドキしますか」
「からかってる?」
「全然、本気ですよ」
顔から火が出そうだ。
「私から飛び込んじゃうよ」
私は彼の胸に飛び込んだ。

もうすぐバレンタインデー

明日、バレンタインデー。
細井君のために手作りのチョコを作るの。
フォンダンショコラ作ります。
レシピを見ながら彼のためのケーキを作り終え
後は試食してみた。
悪くない出来栄えだった。
当日、彼に渡そうとしたが、なんか渡しそびれた。
次の日、彼が私のところに来て、
「バレンタイン、なんでくれなかったんですか?待ってたのに」
そんな風に言われた。
「あれ、彼女いないの?」
と聞きたかったことを聞いてみた。
「いますよ、22歳の。」
「なら、彼女からもらえば」
「僕、静岡に研修行った時も、チョコ、もらったんですよ」
「じゃあ、こっちでもチョコもらったら全国各地に彼女できちゃうじゃない」
「そんなチャラクないですよ。ただ、もらったって、言っただけです」
「私、そんなんだったら、あげない」
しっかり作ってあるとはさすがに言えない。
話を変えて、
「私も、細井君の会社に行ってみたいな。今度、行こうかな?」
「そんなこと言って、絶対来ないでしょ?でも、来てくださいよ」
「ホントに、細井君のとこに行くから、案内してよ」
「来てください。待ってます」
後、結婚の話になり、
「僕、今26歳ですけど、プロポーズの言葉を考えてるんです。なんかいいのないですか?」
「私が言われたいのは一緒にそばにいてくださいかな?」
「へえ、僕も考えてみます」
彼のことがますます好きになっていった。
私のことも好きと言うのも今日、分かったし、チョコを渡すタイミングを
今は考え中である。

見つめあう

見つめあう

今日はバレンタインデーから2日もたった17日である。
もう、欲しかったと言われてせっかくなので渡すつもりでいるところ。
彼女がいるって言ってたし。
さり気なく「食べて!」
と明るく言っちゃうぞ。
細井君がやってきた。
「おはようございます。植木ちゃん」
「おはよう!はい。食べて!」
「えっ、マジうれしいんだけど。今日、仕事手に付かないかも」
やったー。喜んでもらえた。
私は細井君を見つめた。
うんっ?
彼はどうしたの?と言うような顔をした。
私が見つめた理由?
自分でも長く見つめてたからビックリなんですけど
いろいろ妄想してるから
甘えてた目で見ちゃったんだろうね。
やばいっと、思って適当なこと言っちゃった。
「あっ、髪型、そんなのなんだね。へぇー」
「いつも、ハットかぶってくるからオールバックになるんですよ」
彼はたぶん、動揺していた。
だって、目が泳いでいたんですもの。
ちょっと、可愛そうになったけどまあ、変な空気にならずに
すんだから良かったんだけど。
彼は動揺を隠せないついでに「僕のいけてる写メ見ますか?自撮りの」
と意味不明なことを言ってきた。
「うん。見たーい」
私も細井君も動揺してるしなんかうける。
「これです。どうですか?」
「若く見える!これ、いつの?」
「去年ですよ。自分的にはいけてるんです」
ちょっと…自分に酔ってるの?
でも、顔はいいです。
見とれてしまったぐらいですから。
イケメン君って呼んじゃう?
いいかもしれない!
朝から二人は舞い上がっていた。

私、好かれてる!

今日は細井君来るかな?
と会社に向かう車の中で不安になった。
会社に着くと、今度は細井君を探してしまう。
まだ、来てないのか?
それとも、休み?
すっかり時間が過ぎたころ、他の部署にいる細井君を見つけた。
いるじゃない!
もう、浮かれモードにスイッチが入る。
お昼過ぎにたまたま細井君のいる部屋に私が行くことになり
ちょうどすれ違う時に、こちらに気付き、
なにか言いたそうな顔で見つめてきた。
私はもう、妄想的には向こうが私を好き
という設定なので
こちらから
「おはよ!」
と少し余裕な感じで声を掛けた。
向こうは挨拶にすごく喜んでいた。
細井君が私を特別に見てくれているのは分かる。
好意的なまなざしで…。
こういうのって、まさか?と思うかもしれないけど
ホントに分かりやすいんです。
そのあと、私、仕事に追われてたの。
そこへ、細井君がやってきました。
「今、一人でやってるの?」
「今あっちの仕事を済ませたら手伝ってもらうことにはなってるんだ」
「僕が手伝うから、あっちの方、済ませてくださいってその人に言って下さい」
「分かった。言ってくるね」
細井君が私を放っておかないと思ってました!
「じゃあ、やりますか!」
二人は共同で仕事をやりだした。

好きになりそう

「細井君が来たから少し頑張ってるところを見せようと
やってたんだけど、やっぱり、無理でした」
「僕も、植木ちゃんの前でいいところ見せようとだいぶ
がんばったんですが、ダメでした」
二人はかなりオープンに心を開きあっていた。
隠し事が全くない二人になりつつあるので
今後の展開がちょっと、分からない。
というか、どうなりたいんだろう。
人間として、友達として好きなら
今後の可能性は0だ。
でも、もし、ラブだったら、
そっちの妄想のほうが面白そうなんで
勝手にそうしちゃいます。
まだ、下の名前を知らなくて、
明日こそ、聞こうと思ってます。
で、名前を聞いたらもう明日から、下の名前で呼んじゃうわ。
多分、私も聞かれると思う。100%。
彼の顔を奈々緒風にななめ目線で見つめながら
「○○って呼んで♡」
とウインクしちゃうぞ。
もう、細井君の反応が読めるわ。
きっと、グラッとまいっちゃう感じでしょうね。
「やばいですよ。好きになりそうです」
と告白もどきが聞けちゃうわ。
明日がたのしみだわ☆

彼に抱かれる

普通、好きになるとエッチしたくなると思うんです。
また、妄想しちゃいます。
彼と待ち合わせ彼が運転する車でドライブ。
海なんかに行って車の中で会話が途切れる。
見つめあう二人。
彼は私の座席に覆いかぶさって、初キス。
私はうるんだ瞳で彼に抱き付く。
彼は優しくキスをする。
もう、止められない。
彼に身をゆだねることになるのだった。
彼はホテルに車を走らせた。
かわいい部屋。
照明も薄暗くて恥ずかしい気持ちを隠すのにはちょうどいい。
彼は、私にキスをし、ブラウスのボタンに手をかけた。
一個ずつ外れていく。
下着姿の私は彼にキスをする。
そのままベッドに押し倒される。
胸に手が。
あっんっ。
声が出てしまう。
彼もこんなこと妄想してるんでしょうか?
もう、彼に抱かれてる私。
妄想でだけど。
彼の気持ちが知りたい。
どれくらい本気なのか。
私はこのあとどうなるんだろう。
彼にちょっとモーションかけちゃおうかな。

所長代理も好き

細井君のことばかりじゃつまんないから、ここで所長代理の
ことも素敵なので少し考えてみます。
彼はとても紳士的なの。
嫌みがないし、イケメンです。
包み込んでくれる何かを持った感じを受ける。
彼の横に私から進んで仕事をした時、
「おお、来たか!」
と喜んでくれた。
そんなときは、
「所長と一緒にさせてもらえて光栄です」
と感謝をしてそばにいた。
彼が
「ずっと、ここで仕事したいな」
と言ってきたので私は
「いてくださいよ。ずっと」
とお世辞抜きで言った。
その後、
「明日、仕事?」
と聞かれたので
「はい。忙しいでしょ。明日は。来ます」
と返事した。彼に頼られてるのもすごくうれしい。
彼のハートもつかみたい。
私って贅沢ですか?
明日彼のそばにいてサポートすることになるだろう。
がっちりつかんで離さないっていう覚悟でふるまう思いだ。
彼には奥さんがいるらしい。
私は今の所長代理がいごこちよくていいんです。
どうなりたいかと聞かれると可愛がられたいし、
彼の気になる人でいたいだけ。
草食男子みたいな内気な彼。
会社でも人気が出てきている。
私はそんな彼が好きなんだ。

細井君、よそよそしい

このところ、細井君の態度がよそよそしい。
どうしてなんだか分からない。
考えられることを浮かべてみた。
一つは、何らかの事情で距離をとったということ。
一つは、さけている
どちらかと言うと下の方かな
なぜだか分からない。
そんな時は仕事に打ち込むしか方法がなかった。
そう言えば、細井君の来た岐阜に行ってみようと
思い、さっそく前の所長に連絡した。
「お久しぶりです。
仕事の見学、させてもらえないですか?
来週辺りどうですか?」
しばらくすると返事が来た。
「了解!」
上司は快く承諾してくれた。
後は行く準備だ。
家の方にも言わないといけないし、
いろいろとやることが多かった。
そのおかげで、細井君が冷たいという現実から
逃げることができた。
ある意味、上手く判断したと思った。

チョコあげたかった

細井君がニコニコして挨拶してきた。
今日は機嫌がいいのか?
まあ、そんな時はあの話が出来そう。
「ねえ、細井君、バレンタインのチョコ、私から欲しかったって言ったでしょ?」
「うん」
「実は、あの日手作りのやつ、用意してあったんだよ」
「うそでしょ?」
「でも、渡しそびれて自分で食べちゃった」
「マジですか!全部ですか」
「そう、おいしかったよ」
「いつでもいいから、待ってるよ」
と言われ、私はまた作ることになった。
あの時はなんか勢いでいいものが出来たんです。
今、作ったやつの方が出来が悪い。
で、あげるべきかまた悩んでます。
試食に一つお友達にあげました。
結果はまだ、聞いてません。
明日の結果次第で決めようかどうするか決めたいと思います。

所長代理と電話交換する

所長代理にいつもお世話になっているので、とりあえず人気の(ひとけ)のいない
彼の机の引き出しに手作りチョコをしのばせた。
彼が私のところに来たので、
「本命チョコ、なんです!机の引き出しに入れときました」
彼はえっという様な顔をした。
どうとっていいか分からなかったが、そのまま、彼と仕事をしていた。
その日は、何にもなかった。
次の朝、彼が私の太ももあたりに軽くポンっとタッチしてきて、
「あれ、自分で作った?」
と不思議そうに聞いてきた。
そして、
「岐阜に火曜日いくんでしょ?俺も月曜はあっちにいるし、
火曜日もいるよ」
なにか、言いたげな話し方だなと思った。
誘ってる?一緒に行こうと言いたいのか!
分からないがそう聞こえた。
「はい、火曜日に先輩と一緒に行きます!」
「大丈夫なの?」
「ええ、なんとか」
そんな会話で、少しも彼がこの時、何を考えてるのか
気がつかなかった。
「所長代理、後で電話教えてもらえませんか?」
「じゃあ、あとで!」
このあと、仕事の帰り際に彼が急いでやってきた。
「はい、電話番号。こっちが、いつもでるやつで、会社用。
こっちは、LINE用かな。ねえ、電話教えて」
「あっ、はい」
あわてて、彼から紙をもらい私の番号を渡した。
「じゃあ、今から、おれ、行くから」
「お疲れさまでした」
ここまでは、特に普通の電話交換なんだ。
この夜、まさかの展開に。

所長代理とLINEでつながる

せっかくですから、彼にLINEでも送ろうかな。
彼の電話番号を入力して驚いた。
すでに彼からのLINEが来ていた。
おつかれ
ライオンのかわいいスタンプまでも。
こんなの送る人なんだ。
私は送ろうとしていた文章を入れ送信した。
「お疲れ様です。
火曜日、朝、そちらに行きます。
また、よろしくお願いします」
その時、彼から返事が来た。
「気をつけて来てよ
友達感覚でいいよ」
彼からの初LINEだ。
でも、まだ、上司にため口はだめだ。
「そうですね。
徐々にでいいですか?」
彼から返信。
「今日、休憩来た?
待ってたのに????」
これは、まだ社交辞令だろう。
前から彼の血液型が気になっていたので
このタイミングで聞いた。
「O型みたいですけど、何型ですか?」
「植木さんのほうがO型でしょ」
「俺はAですけど
ご飯行こうとか本当は誘いたいけど…
ダメだよね…とか1人で思ってた
あんまり期間限定でいつまでいるか分からないし…
とか考えて」
うそ-------
こんなに思われていたなんて。
自分で、気付いていなかった。

まさか自分?

彼の想いをどう返せばいいんだろう。
ビックリしたのもあるけど、照れる。
「顔が熱いです」
と返す。
「カワイイ」
「仕事に影響するからダメだよね
そんな事を言ったらね」
自分に言ってくれている。
返事に困った。
彼の下の名前を聞いてなかったな
名前を聞くことにした。
「名前、教えてください」
「名前???」
幸浩だよ」
名前を聞いてからは
さっそく使ってみた。
「幸浩さんですね
ずっと一緒にいられたらいいですね
今、仕事行くのが楽しいです
幸浩さんがいるからですよ」
少しだけ、自分の気持ちに素直になってみた。
「俺も楽しいよ。
早く会いたい。
ずっと一緒にいたいし
ずっと一緒に仕事がしたい」

彼の猛烈アタック

彼のこと、本当に上司として好きだった。
だけど、今告白されてる。
「仕事できる人、素敵ですよ」
と尊敬してると伝えたはずが、
「素敵よりは上にならない??
好きになっちゃうにLOVE」
こんなにも言い寄られて
迷った。
「ご想像にお任せします」
後は、彼がどうとるか?
今夜は夜中までメールした。
おかげで寝不足気味。
だけど、昨日のことが信じられない。
今日は私がメールを出した。
「おはようございます」
彼から返事が来たのは15時だった。
慌ててみると
「逢いたい」
これは本気かも。
少しかわいらしくスタンプで返事した。
「会えますか?チラッとでも、顔が見たいです」
と尊敬する上司に送るより甘えた感じを含めた。
「逢えるか微妙な感じだけど…
逢いたいよ」
彼の猛烈アタックにノックダウンしてる私。
嫌いとかじゃなくて、熱いと思ったから。

初キス

仕事が早く終わったのでもしかしたら
彼と二人で会えるかもという期待をして彼に
メールをした。
仕事まだ終わりませんか?
まだ少しかかる
あと、どれくらい?
6時半ごろかな
会いたい
どこで?
どこでもいい
家来る?
待ってるから
こんなにも突然に展開していく。
私は彼の終わるのを待った。
彼からメール。
もう、家着いた
じゃあ、TSUTAYAまで迎えに来て!
彼は私のところに来た。
本当に今からかれの家に行く。
二人は彼の家に向かった。
初めて入る彼のマンション。
椅子に二人は座り、緊張して見つめあった。
間が持たなくて彼の方を見て照れ笑いした。
彼は立ち上がり私の椅子のところへ来た。
頭をなで、顔を触る。
彼が椅子に座り私は彼の膝に座った。
後ろから彼に抱き付かれた。
そのまま二人は黙ったまま。
沈黙が途切れ見つめあう。
そのまま彼の唇が私の唇と重なり合う。
ウットリするような甘いキスだった。

一緒にいたい

もう、帰る時間だわ。
一緒にいたい。
最後にキスをして別れ惜しそうに彼のマンションを出た。
外は寒かった。彼の腕にしがみついて歩く。
自分の車に着きそこでお別れをした。
その日を境に二人は愛し合うようになった。
体はまだだがすごく迫るメールが多くなってきた。
早く会いたいとか大好きだよと言われるたびに不安になる。
うそでもいいから
ずーっと一緒だよって
言って欲しいよとメールした。
ずっとずっと一緒だよ
彼もまた送り返してきた。
夢みたいと私は返信した。
休みに日に「時間作りたい」とメールが来た。
「マジで好きだよ」
とも添えられて。
私も「会ったら離れませんよ」と送る。
「めっちゃ好きやから抱きたい。もっともっと。裸ってことね」
と恥ずかしくなるメールも来た。
私は彼とおそろいのものを持ちたいとせがんだ。
彼はいいよと今度買いに行こうとも言った。
仕事帰りに会うことになり、私の運転でダムを見に行くこととなった。
「車の運転上手いね」と彼が言った。
「そんなことないよ。きっと車体が低いからじゃないかな?」
照れ隠しにはぐらかした。
走っていくうちに突然辺りが暗くなった。
山道を走るせいでか、胸の高鳴りも増していった。

骨抜きになっちゃう

ダムに着くと辺りはすっかり暗くなっていた。
二人は車を降りてダムの景色を眺めた。
「寒ーい」私はそう言って彼の腕にしがみついた。
「もう、車に乗る」
「早っ」
彼も少々ビックリ顔だった。
車に戻り沈黙が二人をより惹きつけあうのだった。
彼の方から軽いキスをされ、軽く私も返した。
見つめあうと愛おしさで抱き合うようになる。
彼が私の胸に飛び込んでくる。
私はしっかり受け止めてあげた。
彼が私の顔を覗き込みキスをしてきた。
彼のキスが少し激しく変化した。
そのキスが私をとろけさせ、私もまた彼に濃厚なキスでお返しした。
骨抜きみたいになりトロンとした目で彼を見た。
彼もまたその顔にキスをしてきた。
その日のメールで
「一緒にお風呂入ろう」
ときた。
「嫌じゃなくて、勇気がいるの
何とかなんないでしょうか!!」
と返す。
めっちゃ好きやから抱きたい」
とのメールの返事だった。
これが初めて誘われたメールだった。

ひとつになりたい

彼が絵文字でホテル「のスタンプを送ってきた日の夜。
ちょっとまだ行きたくなかったので拒否していた。
「もう少し慣れたらにする?」
と少し余裕の返事が来た。
「ひとつになりたいのは分かります。
あと、数日かも…」
なんだか抱いてほしくなってきたような返事を返す。
今度会えるのが2日後だった。
彼から会う日の約束メールが来た。
猫がお願いしているスタンプが来た。
すぐ、分かった。
「猫さんは何てお願いしてるの?」
あえて聞いてみる。
「抱かせて。一つになろう」
「待てないようですね。
ひとつになりたい~
って言ったらどうしますか?」
「待てないかな。
抱く
いい?」
「抱いてください」
これが決定的な瞬間だった。
お互いに抱かれることを意識した日だった。

帰ってきたら捧げます

彼は週末、岐阜に帰ってしまう。
会議があるのと休みを向こうで過ごすからだ。
彼から毎日メールが来ている。
その日もメールが来た。
「早く会いたい」
私のことを忘れないでいてくれているだけでうれしかった。
会えない寂しさから
「帰ってきたら捧げます
最後まで来てください」
今までの消極さがなくなっていた。
「最後まで来てください??
エッチの事?」
「そうかな」
「ガンガンいくよ」
「どうなっちゃうかな?」
彼はわざと聞いてきた。
「何がどうなっちゃう??」
ガンガンこられたらってことですよ」
「ガンガンいくくらい好きって事」
この勢いで抱かれたら間違いなく彼にのめり込みそう。

この先どうする??

会えない二日が辛かった。
「逢いたいよ」
彼もまた、言ってくれた。
「会いましょう」
「長い…なら逢おう」
彼の逢おうにキュンときた。
「積極的な言葉にキュンときました」
「この先どうする??
来月からは??」
彼から、この先も会う気持ちがあることを知った。
「来月からは月一でも逢いたいな」
「それはすごく嬉しいです
また、会えるんですね
ありがと」
「逢いたい??
めっちゃ好き
同じくらい好きだよね」
「うん。だ~い好きだから
明日、絶対ですよ」
「何が絶対??」
「あっ、絶対会うよ!!ですね」
「何する??
どこ行く??」
「とりあえず、仕事終わったら会いましょ」
「早くギュッしたい
好き過ぎ」

体調悪い

彼が岐阜から帰ってきた。
その日、仕事も後にメールした。
「体調悪い」
まさか?こういうのって?
「頭痛いし、肺が痛い
けど…逢いたい」
「苦しそうですよ
仕事はまだかかりますか?
会いたいのなら待ってるよ」
「逢いたい??」
「うん」
だめだろうと思いながらの返事を送る。
「何時まで一緒にいられるん?」
「7時ちょっとくらいかな」
「ホテル行く?」
「体調大丈夫なら」
うわっ、とうとう誘われた。
と言うか、Ò.Kしてしまった。

ラブホでエッチ

彼が待ち合わせ場所に来た。
彼の車に乗り走り出した。
彼にとってこちらのホテルはどこか分からない。
むしろ、私が教えて行くのか?
彼の顔を見て緊張してきた。
「どうしよう」
彼は余裕だった。
「細井の家の近くにラブホあった」
と言ってホテルが立ち並ぶ方へ向かった。
彼がここは?
と言って入った。
大きなラブホで初めて彼とするには
申し分なかった。
部屋に入り、シャワーあびてくる
お決まりとのセリフで私はお風呂に行った。
体を洗い、もう彼に抱かれるんだと思うと
緊張でガクガクしてきた。
バスタオルで隠してまいた姿の時、
彼が入ってきた。
お互いにうつむく。
初めて見る彼の表情。
「シャワー終わった?」
「私、このままでいい?」
「いいよ。待ってて」

激しく抱かれて

彼がシャワーを浴びている。
その間、初エッチのことしか考えられなかった。
バスタオルのままベットで待つ。
彼が部屋に戻ってきた。
とうとう、この時が来てしまった。
「あれ、音楽消えて静かだね。消した?あと、真っ暗だね」
「集中出来ないから消したの。このままでお願い」
彼が私のいるベットに入ってきた。
もう、身を任せることにした。
私に布団をかけてくれた。
優しくキスをして私もそれに答えるように返す。
彼の手が私の体を優しくなでる。
全身なでられ体の力が抜けていく。
バスタオルがとうとう脱ぎ取られ私は裸のまま彼に抱かれた。
彼の力を感じる。
激しく抱かれ、自然に声が漏れた。
彼に初めて抱かれる。いきそうになる。
もう、骨抜きになる。
期待以上にいい。
彼に抱かれて最高の幸せを感じた。
彼が終わった後、
「いっぱい出たよ」
と笑った。女の喜びをかみしめる。

愛し合う

「忘れられない体になってしまいました」
私はうそじゃなくそう思った。
「もう離れられない」
彼からの意外な言葉にびっくりした。
それから、彼と会ったのは、彼の家に行った時だった。
久しぶりに会うので二人はすぐに抱き合った。
彼が私にベットのところへ手招きした。
彼の隣にいくと、キスされた。
押し倒され再び、キスされた。
この時間を待っていた2人。
愛し合うことがいま私たちの距離を埋めることのできる証なのだ。
彼が激しく求めてくる。
私は、彼に身を任せて愛し合った。
彼なしでは考えられない自分になっていた。
時間が二人を裂くように彼が
「もう、帰らないと」
と私を気使う。
その言葉でいつも私は彼の部屋から出る。
今日も彼と燃えるようなセックスをした。

来月も逢おう

昨日のことを彼にメールした。
一緒にいるとそうなってしまいました。
ベットに誘ったら、何もないほうが不自然かも…
彼もまた、
好きだからそうなってしまうよね
彼から離れた後の話が出た。
来月も逢おう
どうしたい?
どこで逢いたい?
夢のような言葉であった。
2人の中間で会うってことでどうですか?
思った。と彼も同じようなことを思っていた。
それか、交互に逢いに行くか
私はたくさん会えれば何でもよかった。
彼からエッチの相性もいいしと
返事が来た。
彼に抱かれる今が私の幸せだった。

所長たちの飲み会

彼らの飲み会が行われることになった。
私たちもまた、その日に会いたいと思っていたから。
4日ぶりに会う二人。
また、飲み会の後で逢いたいと気持ちを確かめ合った。
早く終わればいいのに
逢おう
そして、飲み会の夜。
私は仕事のあと家に戻りシャワーを浴びて出かけた。
お店に着くとしばらくして彼の姿があった。
目を合わせないようにうつむき加減でいた。
彼と会うのも久しぶりだ。
彼も私の方を見ていた。
部屋に案内されどう座るのか?
緊張していると私は彼の斜め前になった。
そして飲み会が始まった。
悪いけど私の横は喋りやすい男の社員だった。
御飯をとってもらったりいろいろ、世話を焼いてもらっていた。
彼とたまに目が合う。
意識しているようだった。
副所長が私に
「今日はおとなしいな」
と嫌なことを言ってきた。
それも二度も。
彼の前だからとも言えない。
そのあと、
「所長の隣に座ったらどうだ」
とも言われた。
2人はひやひやする思いだった。

飲み会の後で

飲み会もお開きになった。
私は不安だらけだった。
彼が連絡をくれるだろうか。
私たちはレジで精算を済ませそれじゃ明日!と
解散した。
私はどうしていいか分からず、とりあえず車を運転した。
すると、道路を横切る男たちの姿。
うん?
それは確かに今まで一緒だったメンバーたちだった。
「あ、植木さんだ」
と声を上げたのは所長だった。
私は軽くスピードを落として会釈した。
今、TSUTAYAで待ってると
メールし彼を待つことにした。
彼から返事が来た。
着いたよ。来て。
やっとこの日が来た。
会えなかったことでより強く求めてしまいそうだった。
彼の部屋に入り久々に彼に抱かれる。
とてもうまくて完全にのめり込んでいる私。
彼に私は変えられてしまった。
感じてしまうほど敏感な体に。

細井君、岐阜に帰る

とうとう、細井君が岐阜に帰る日がやってきた。
みんなで花束と寄せ書きをして彼に渡した。
「これ、めっちゃうれしいんですけど」
とすごく喜んでくれた。
最後に私は彼から握手を求められて
彼の方を見た。
「所長は植木さんのこと、かなり評価してますよ」
と聞かされた。何がどういいのか聞きたかったがあまり聞くと
バレたらまずそうなのでやめておいた。
所長も実は細井君から忠告されていた。
「所長と植木さんのうわさが流れてます」
そのことを所長から私は聞いた。
「でも、何も会社ではしてないし、ほっておきましょう」
これくらいのうわさはどうでも良かった。
彼はもう岐阜へ帰るし、私はあとわずかな日を所長と過ごすことしか
考えられなかった。
あと、二人で過ごすのは4日となった。
今日は部屋で会うことになった。
部屋で過ごすのはあと2回。
そんな日なので私はとても焦っていた。
彼がベットに手招きして隣に行くと
もう求めてしまいたくなっていた。
彼がようやくキスをして、私もそれにこたえていった。
だんだん燃えるような激しいふれあいとなり
最後の夜かと思えるほどのエッチだった。

あと2日

残された日があと2日になった。
仕事が終わると、さっそく彼から逢おうと連絡が来た。
どこで会う?
私は近くのショッピングセンターを指定しそこで会うことになった。
もう彼の奥さんが引越しの手伝いにマンションに来ているので部屋では会えない。
彼が待ち合わせの場所にやってきた。
私は彼の車に乗り、その場所で残された時間を過ごすことになった。
彼が後部座席に座り私もその横で座った。
彼は私に抱き付きハグ状態でため息ばかりついた。
彼も思い悩んでいた。
私も彼につられるようにため息ばかりついた。
俺もこれから辛いよ。
寂しげであった。
私も先が見えない彼との未来に不安しかなかった。
あと何分しか居られないね。
そう言うと私は彼にキスをした。
彼も激しく返してきた。
もう、離れてしまう不安が私たちをより強く結びつけた。
もう、帰るね。
彼は最後にまたキスをした。切なくて涙が出そうだった。
笑った顔を作り彼にお別れした。
彼の車が見えなくなるまで見送り私も帰った。
明日はとうとう最後の日になる。
彼からの連絡を待つことにした。

最後の日

彼は最後に仕事をしてから私に会うと言った。
彼が仕事をしていると知っていたので私は
彼に内緒で仕事場に顔を出した。
彼はとてもびっくりして私を見た。
その後私は彼が来るのを待っていた。
しばらくして彼は私の頭をこつんと触り、
もう、手伝うことなさそうだから帰るよ
と言った。今から会おうという意味だ。
私は笑顔で彼を見た。
彼からどこに集合する?
とメールがきて近くのドラックストアで待ち合わせした。
彼の車が来たので私は早速乗り込んだ。
どこに行く?と聞かれ私は近くの河川敷を指定した。
すごく大きな川で
彼との最後の場所になる。
彼がお酒の瓶とチョコをくれた。
何これ?
あげるよ。
彼はカクテル用のお酒とゴディバのチョコをくれた。
ありがと。
彼とまた後部座席に座り彼は私に抱き付いてきた。
見つめあうとまた彼からのキス。
これが本当に最後となるわけで、私たちは愛を確かめ合うように
何度も、そして激しくキスした。
今まで以上の激しいものだった。
離れるとまた私がキス。
そして彼がキス。
もう、離れれない。
だが、別れの時。
彼はそろそろ行く?
と聞いてきた。
私は嫌だよと言ったがそんなわけにもいかない。
待ち合わせの場所に戻り最後に私から最後のキスをした。
彼の車が見えなくなるのを見届け家に帰った。

岐阜に引き抜かれる?

彼が岐阜に着いた時にメールが来た。
好きだ
大好きだよ
私は会える時は連絡してと
いう言葉とその時は離れませんからと
送った。
その後、岐阜に大きな支店が建つことになり所長が私の業績を
上に報告していたせいもあって、岐阜の所長が私を引き抜きに来たのだった。
あれは岐阜の所長だ。
私はなんとなくこうなることが分かっていた。
私に近付いて、
「植木さん、今度岐阜へおいで。部屋は借りるから」
それを聞いていた私の上司は
「おい、むりだよな?」
と嫌がっていた。
「そこに行ったら夜まで帰れないぞ」
「じゃあ、遅くならないようにしてあげるから」
完全に向こうのペースに押されていた。
無理もなかった。
秋に会社が稼働するにあたり、もう引き抜かないと間に合わないのだ。
そのメンバーに私が入った。
奇跡と言うか運命、または岐阜の彼との再会。
いろいろなことを思い、彼に連絡した。
岐阜の所長が私においでと言ってきたよ
彼もまたすごいなと喜んでいた。
私は所長が私と同じとこなら行きたいよ
とメールし、彼も
本当に?
家に泊まりに行ったりするよ。
そしたら一緒に寝れるかな。
と嬉しい言葉をくれた。
好きにしてくださいと送った。
どう捉えれば??
どうでもいいってこと?
植木ちゃんを好きにしてって??
彼からの返事。
好きな様にして
私は捧げる意味で送っているのに
もどかしい。
彼はまた、一緒に仕事がしたいと送ってきた。

会う前日だ!

なんか寂しいよ…
植木ちゃんがいないからとメールで言われた。
「本当に仕事している方が紛れます。
一人の時間が辛い」
「寂しい??」
「逢いたい??」
「でも、無理でしょ?
会いたいですが」
「来週会えるかなあ?」
「そんなに早くて驚きました。
幸浩優先なので絶対会うよ」
「いつならいい?」
「火曜日か水曜日だよ」
「それでいいですよ
朝9時頃に会いたいです」
「3時間くらいしかないよね」
少ないですね。時間がないので焦ります」
「何に焦る?」
「焦りますよ帰る時間とかです」
その日がとうとう明日になった。
彼からメールが来た。
「植木ちゃんに逢いたい」
「逢えますよ。火曜日。
待っててください。
離れませんから」
「俺もぎゅーってする」

ドタキャン

まさか、会えないことになるなんて。
彼がメールしてきた。
「体調悪いし。
嫁も具合悪い」
最悪だった。会うことに希望をかけていたのに、
ドタキャンなんて。
でも、ぎゃあぎゃあ、騒いでもみっともないし、
むしろスマートに返事した。
頑張って。と。
彼はストレスだろうね
明日、病院に行くとメールしてきた。
私も火曜日の約束ダメですね
諦めようと短く送った。
うん。
ごめんなさい…
また時間作ります
彼からの返事だった。

検査結果

一週間かかるよ…
安静にって
私は腎臓病を疑っていた。
奥さんに作ってもらって。
早くよくなるように…
植木ちゃん作って!!
本当は逢いたいけど…
かなりストレスが…
ご飯作っても食べるときバレてしまうよ
バレる??
バレないよ
彼からのメールがかなり少なくなってきて
一週間がたった。
結果はどうだった?
と送るが返事が来ない。
まさか悪いのか?といろいろな不安の中
メールが来た。
安静にと言われたと返事が来た。
彼が仕事で忙しそうなのも分かっているが
距離がある感じが嫌だった。
私も彼の出方を待つことにした。
彼が返事などをこれからも送ってくるなら
大丈夫だと思うことにした。
この一か月は不安の中で暮らしていた。
とうとう彼がメールを送ってきた。

幸浩君の愛人

疲れた…
彼からのメールだった。
私は
一緒にいたいな。長く
と送る。
彼から
好き???
と返事。
幸浩君の愛人だね
と送る。
めっちゃ好きやね
そんな事言うと離してやらんに
と今までにない優しいメールだ。
離さないほうがいいの…
私も彼に甘えた。
離したらダメやね
岐阜に来てほしかったし…
植木ちゃんの所長が定年したら、
俺がそこの所長やから
上層部の噂やけど。
彼の言葉が嬉しかった。
幸浩君のところへ行くには
全てなくす覚悟が必要だったので…
決断に迷ったよ
そっかぁ~
その決断は迷うわ
けど、迷うぐらい思ってくれて嬉しい
今から岐阜においでと言われたら揺らぐって
そんな好きなん??
彼が私がどれくらい好きか全く分かってないようで
しかも、少し彼の方も不安なんだと感じた。

最終章

今日から愛人の道を選んだ。
何をする?
彼の優しさを独り占め出来るし
嫌な面を見なくて済む
彼とのセックスも燃えるように愛し合える
何不自由ない道を選ぶことにした。
心が楽になった。
今までの不安が消え、むしろ希望が出てきた。
彼の愛も感じたし、私のことを何よりも考えている
気持ちに気がついた。
彼がこれから先、私を必要としている限り
彼の傍で見守っていきたい。
彼は私と妄想の中では
離れられない糸で結ばれているんだから…
幸浩君が好き
また会える時は彼の胸に飛び込んで
いつまでも可愛い幸浩君の愛人になりますっ!!!

妄想的彼氏

彼は2か月しかいられない研修生。
妄想好きな私の思いがホントに
彼に届き、両思いに。ひょんなことから一緒に来ていた所長と恋に落ちる。
岐阜に彼は帰っちゃうと私は
どうすればいいの?
妄想と現実の空間で
起こる将来は?

妄想的彼氏

彼はどうして私に興味があるのかな? やっぱり、男は女子らしさを強調されると弱いんだね。 頭の中ではすっかり彼氏。 彼のことを思うと、現実にだんだん仲良くなっていった。 妄想的彼氏は実現に私の彼になるのか 妄想しちゃいまーす♡

  • 小説
  • 短編
  • ファンタジー
  • 青春
  • 恋愛
  • 青年向け
更新日
登録日
2015-02-04

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted
  1. 妄想
  2. 自己紹介
  3. 彼と二人っきり
  4. 能力
  5. 二人に想われる
  6. 胸キューン
  7. 電話して
  8. もうすぐバレンタインデー
  9. 見つめあう
  10. 私、好かれてる!
  11. 好きになりそう
  12. 彼に抱かれる
  13. 所長代理も好き
  14. 細井君、よそよそしい
  15. チョコあげたかった
  16. 所長代理と電話交換する
  17. 所長代理とLINEでつながる
  18. まさか自分?
  19. 彼の猛烈アタック
  20. 初キス
  21. 一緒にいたい
  22. 骨抜きになっちゃう
  23. ひとつになりたい
  24. 帰ってきたら捧げます
  25. この先どうする??
  26. 体調悪い
  27. ラブホでエッチ
  28. 激しく抱かれて
  29. 愛し合う
  30. 来月も逢おう
  31. 所長たちの飲み会
  32. 飲み会の後で
  33. 細井君、岐阜に帰る
  34. あと2日
  35. 最後の日
  36. 岐阜に引き抜かれる?
  37. 会う前日だ!
  38. ドタキャン
  39. 検査結果
  40. 幸浩君の愛人
  41. 最終章