真紅の月
この話は一話です
なんとなく読んでみてください
別世界
その日は、なぜか赤い月が出ていた。何かのげんしょうだろう現象だろうと思いつつも、ぼくの目は「それ」から離れることはなかった。
「どうしてだろう」
僕は誰もいない出入り禁止の屋上で寝転がって、溜め息をついては、嫌気がさしているかのような口振りで呟いた
「おーい!緋霧ー!」
友達の沢泉の声が聞こえる
いつもなら返事をするだろうが今日はその気がなかった、いや、そうする気力がなかった
「.........無視!?何時にもまして酷いぜ~」
いつも僕は君にたいしてどういう態度をとっているんだ
そんなことを考えていたら「時間」が来てしまった
「準備はできてるんだろ?」
「お前に言われなくともできている」
「ヘイヘイ」
こいつはいつもヘラヘラしているが僕の気にすることではない
あぁ、また始まる嫌な「時間」。今日はあの人に会えるかな
そんなことを考え、「あの人」の姿を思い浮かべる、長く延びた髪のしたには切れ長の真紅の瞳、あの目から目が離せなかったのは、きっと.........
そんなことを考えていたら、体が消えていく
あぁ、今日はなんて嫌な日なんだろう
そんなことを考えながら薄れる意識の中で見たのは、あの日見たどこまでも赤い月だった
真紅の月
緋霧くんが活躍するのは少し先のお話
長い目で見守って上げてください。
それではまた...........