いつか見た夢のような桜
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君といた時間はまるで夢のようだった。
「...クソつまんねぇ。」
そう言って俺は白い天井に向かって伸ばした手をおろす。
こんな人生クソくらえだ。まぁ、俺なんていなくても誰も困らないんだが。
外はイライラしてくるくらいキレイなピンク色の花が咲いている。
そう、季節は春。
誰だったか、アホな奴が「花見をしよう。」なんて言ったから、そんなアホな提案に春のテンションに任せて乗ってしまった俺は、
お気づきかもしれないが、バイクで事故って病院にいるわけで。
親はというと、父と母は数年前に離婚し、まぁそれなりに生活してきたわけだが、母が去年の今頃死んでしまい、
俺はみごとにグレたのだ。と言っても、タバコなんて吸わないし、酒も飲まず、友達のバイクに乗せてもらうくらいだったチキンな俺が、まさかこんな事になるとは思っておらず、我ながら馬鹿だと思っている。
いっそ、いっその事、もう死んでしまえばいいとも思った。
あと少し、打ち所が悪ければ、俺が運転していたら、あのまま海に落ちていれば、
死のうと思えば死ねた。でも、やはりチキンな俺は、誰にも望まれることなく今を生きている。
誰も見舞いに来ない病室。一緒の病室にいる人の事はほとんどわかってしまっていた。新婚で、奥さんはお腹に子を宿していたが、きっともうすぐ死んでしまうと思う。ガンがもう手術では取り除けないところにまで転移してしまっているからだ。
旦那が帰ってから泣く奥さんの声を毎日毎日聞いている、と自分はどれだけ贅沢な悩みを持っているんだろうと思いつつ、声をかけようと迷ったり。
そんな感じのことをまた迷っているとき、ふと窓に目を向ける。するとそこには、
ピンクのふわふわした髪の毛を風になびかせ、子供のような無邪気な笑顔の君がいた。
「あのー...窓、あけてくれません?」
お前は一体なんなんだ。
「あのー...窓、開けてくれません?」
ピンク色の髪の毛をしたその子は困ったように笑った顔をした。
「あ、開いてます...。」
俺はとっさに返事をした。
女の子は恥ずかしそうに顔を真っ赤にしてなぜか窓から入ってきた。
ふわふわした白いワンピース、腰のあたりまである長くキレイな髪の毛、長く伸びたまつげにくりくりとした可愛らしい目。
こんな子俺の知り合いにはいない。絶対。
... じゃあなんなんだ? ドッキリ?でもカメラはない。
そんな自問自答をしていると、
「私はあなたです!」 と女の子が言った。
...!?訳が分からん。 まず俺は女ではない。髪の毛もピンクじゃないし、体もこんなに小さくない。
どこが俺なんだ? というか、まずこの状況をだれか説明してくれ。
「あ!えっと、私はあなたが望む姿なんです!もうすぐ寿命が終わってしまう人には必ず来世で自分がなりたい姿の人間が自 分の目の前に実際にやってくるんですよ!」
まるで狙ったかのようなタイミングで女の子は喋り始める。
今、目の前で何が起こっているのか訳が分からない。ていうか...
「俺って死ぬの?」
いつか見た夢のような桜
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