小説の世界
小説家になろうにも投稿してます。
要するに二股です。
短編ですので読み易いでしょう。
私は共感した。
この文、共感せざるをえない。
この世界は小説である、という題で始まった一つの文献。
これに私は、大いに共感した。
この文献を見て気付いたのだが、私には姿がない。
物を“見”るということを、今の今まで考えたことが無かった。
勿論、この文献や私の親族も、見たことがない。
今まで、物を“見”たつもりになっていたのだ。
では、私はどのように皆を認知していたのか。
それについて、三日間程考えたのだが、答えは一向に出なかった。
三日目に、考える気も失せた。
だが、四日目にふと、思いついた答えがある。
この世界は、私の妄想なんではないか、という答えだ。
妄想の世界では、物を見る必要はない。
物を見ずとも、存在を認知することは容易い。
しかし、ここで疑問が生じた。
私は、この世界、いや、妄想の中で長い年月を過ごした。
そして、夢も見た。
妄想の中で妄想に耽ることも多々あった。
こんなに長い間、私は妄想していたのか。
私の生きてきた中で、最大の疑問である。
いや、私は生きているのか。
生きているなら、今、妄想をやめたいと思えば、この妄想を終わらせることができるはずだ。
だが、できない。
妄想をやめたい、と強く思っても、この妄想は続いている。
しかし、妄想ができるのならば、生きているはず。
私は、なんだ。
考えるのは、ここでやめた。
小説の世界