流れ星


散らかりすぎた部屋を見つめながら
どれだけの時間が過ぎたのだろう。

怒り狂って部屋を荒らしていった私の愛しの人は
背中を丸めながらいつのまにか自室へ消えていった。

ときどき、ふと、何故わたしは
この人から離れようとしないのかと
自問することがある。

タイミングなんていつだってあったはずだったのに。

ただ、あの人から離れようとすると浮かぶのは
寂しそうな瞳だけで。

きっと心が弱いだけなのだと思う。
私がいてあげなきゃ。

そうやって、自分の心に嘘をついて
あまやかすことで
自分自身を麻痺させている気もする。

でも、もう、決めたのだ。
どんなことがあってもわたしは
この人のそばにいなければならない。

例え、あの人に殺されるときが来ても。

流れ星

流れ星

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-01-30

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