気弱な二十日鼠を追い詰め

猫(おまえ)は何を思う

先刻まで番犬に追いかけられ

無様に逃げ廻った猫よ

ベニヤで磨かれ 不揃いな

蝋細工のようなその爪を

逃げ場を求め 啼き叫び

這いずり廻る小物に剥きだし

一寸の快楽でも得ようとする

烏に尾を突かれれば

すぐに帰る 逆刃の如き脆さとて

八つ飯には よい具合なのか

なあ猫ら

小腹を満たし満足か

なあ猫

真に下らぬ小さな脳

所詮は汚く 悪臭放つ

路地裏のみが拠(よりどころ)か

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-01-28

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