未来探偵ミニューイ 3
この作品はカブトムシが書いています。ピチャピチャ(樹液を舐める音)。
第三話 「回生」
女の武器を使い、銀之丞がピンチョから聞き出した情報を元に科学技術庁は新兵器を開発。この巡洋艦『はめしお』に搭載された18インチ『カウパー砲』が火を噴くと、ゾゲゾゾ星宇宙艦隊は次々に砕け散ってゆく。砕けた破片が地球に降り注ぎ流れ星となって夜空を彩る。この流れ星を軽井沢のペンションの窓から眺めるピンチョには、仲間を裏切った事に対する反省も後悔の念も何も無い。
また、銀之丞はピンチョからマスカヌールを退治するための薬品の製造方法も入手していた。日本の製薬会社で製造された新薬『ペニシュリン』が大奈松教授に投与されると、マスカヌールを尿道から体外に排出する事に成功、一命を取りとめた。マスカヌールとは、ゾゲゾゾ星の科学者達が「なんとなく」開発して「なんとなく」有史以前の地球に仕込んでおいた「生物兵器」なのであった。
「お父さん、あたし警視庁公安部を辞めるわ」
「辞めてどうする?」
「…この人と結婚するわ」
と、ピンチョを大奈松教授に紹介する銀之丞はもはや公安のスパイではなく一人娘の由美子の顔になっていた。思えば、十年前冷蔵庫のプリンを食べた食べてないで家を飛び出し殺し合いを続けてきた親子であったが、地球の危機は恩讐をも拭い去ったのである。普通の親子に戻った二人とピンチョが窓から外を見上げると、月の横に月以上に明るく輝く光が…。次回 未来探偵ミニューイ 最終回「涙のバースデー」お見逃しなく!
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