あなたのとなりに

あなたのとなりに


はじめに声を掛けたのはあなたの方だったね
あのとき、そっけない態度をとってしまったわたし

そのあと、あなたから連絡が来たときはびっくりしてしまった
こんなことはじめてだったから

友だちとして?仕事の話し?それとも....?
頭をぐるぐるさせながら、あなたと会う約束をした
返事をするのに一晩もかかってしまったわ

それから良いことも悪いことも考えた
でも、あなたと会うたびにすべてふっとんで
ただただ楽しい時が過ぎていく

いつのまにか、あなたがわたしの頭の中にいて笑いかけるの
何度、会ってもハッキリしないあなたに
しびれを切らしたのはわたしのほうで
恥ずかしくて目を合わすこともできなかった

ドラマチックなのは性に合わないから
いつもふざけてくすぐりあった

あなたとのキョリはだんだんと狭まって
まるで初めからそこに居たように
気付かないくらい大きくて大切な存在になっていた


いつの間にか時は過ぎて
別れの日は近づいた


見ないようにしていたけど
不安や寂しさは募り積もって
雫となってこぼれ落ちる

あなたの前では弱音を見せたくなかったけど
あなたが楽しそうに話すから
今、手を伸ばせばあなたに触れられるから
余計に寂しさは強さを増して
顔を見て話すことができなかった

「キツかったら、いいなよ。」
その一言がとても嬉しかった

でも、なんでかな
本当のことが言えない

頭と心が反対方向に歩き出して
わたしを切り裂く

だからあなたに触れられる内に
思いっきり甘えたいの


あぁ、この想いが海を越えてあなたに届きますように
あぁ、あなたの温かさが風に乗ってわたしに届きますように


またあなたとくすぐりあえる日が
今日でなくても、明日でなくても


いつかきっと、あなたのとなりに

あなたのとなりに

あなたのとなりに

大好きな人と思いを通じ合わせながらも離れてしまう気持ちを綴ったエッセイです。

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-01-25

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