SF嫌い
わたしはSFが嫌いだ。現実離れした設定。荒唐無稽なストーリー。部外者にはチンプンカンプンな用語。読者を馬鹿にしているとしか思えない。
それなのに、最近では小説に限らず、映画もドラマもほとんどがSFである。わたしのような、古き良き伝統を愛する者には実に堪えがたい。目覚めてすぐの楽しみであった、MHKの朝ドラもSFになってしまった。尼寺に修行に入った女子高校生がアイドルを目指すなど、現実にはあり得ないじゃないか。ああ、もう、この時代の趨勢は、変えられないのだろうか。
だが、所詮、わたしは市井の一庶民に過ぎない。皮膚は平凡な緑色だし、使える超能力はテレポーテーションぐらいだ。まあ、愚痴っても仕方がないか。今日も、宇宙征服を企む悪の組織との戦いが待っているのだから。
(おわり)
SF嫌い