『 白と橙 』

真っ白い空間。
避難する為だけに作られた世界に、彼と私は逃げ込んだ。

「死ぬかと思った」

世界が崩れた時、私は持てるだけの食料を抱えて逃げた。

「本当本当、危なかったねぇ」

世界が崩れた時、へらへら笑うこの男は。

「……」

二人の思い出の花。
真っ白い空間にぽつんと置かれた植木鉢。

「……」

いつもの笑顔といつものオレンジ色を前にしたら、怒るだなんて、そんなこと。

『 白と橙 』

『 白と橙 』

極短小説。

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-01-22

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted