遠い道
近い道
曲がりくねった道

どんな道でもおなじなのは
出発点があってゴールがあること

そしてゴールまでたどりついたら
今度はそこが出発点となってまた自分の前に道が出現する
いままでも今もこれからも

短い道が幾本も数珠みたいに連なってずーっと長い一本の道になって
いったい最後にどこにいくのだろう
ひょっとするとそれはまたもとのところにもどってきて
自分では気がつかないけれど最初の出発点につながるのかもしれない
これまで何回繰り返してきたろう
これからも繰り返すかもしれない

ゆっくり歩いていっても
急いで走っていっても
ときどき立ち止まって来た道を振り返る
失敗したら嫌だし
勇気がいるし
引き返せないからちょっとこわいけど
自分が進む道は足元につながる一本の道を一歩前に踏み出すこと

今までは誰かの世話になりながら歩いてきたから
これからは自分の意思で前へ進んで
その一本の道から見えるいろんな風景を楽しんで
そしてもしできたらその道端には今度同じ道をたどることになったときでも
いいなあとまたおもうようなものをなにか置いておこう

自分の道をあるいていてなにか深い喜びを感じることができたら
それは遠い昔に自分が残していったものかもしれない

人の歩む道って、案外単純なものかもしれません。

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-01-22

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