壁
考え方や住んでる土地
つかってる言葉やもってる習慣
自分や仲間が信じているもの
人の違いはいろいろ
兄妹でもおなじ親からうまれたのかとおもうほど
性格もちがうし顔も体型も異なる
人の数がまばらだったころ
人の間に壁はなかったかも
自然と一体化し
宇宙の摂理と一致していた
人が増えて地球の果がなにかわかりかけてくると
かってに壁を自分たちの頭の中でつくりだして
見えないが頑丈なものにしてゆき
現代では経済優先社会の中で物と情報があふれだすようになり
自分一人の中でも心の砦をつくってゆくようになる
自分や仲間を守るための壁
一旦できると
そのうち視界がわるくなることに気づくし閉塞感もでてくる
苦しい鬱陶しい息が詰まる
ある人が壁を向こう側へ押しひろげたいとおもったとき
いろんな激突が起こる
そしてまた自分と社会との間の壁もあらわれるようになる
戦いの後一時の平穏はおとずれるが
またおなじことを繰り返す
他人のものを自分のものにできても
あちらをこちらにくみいれるのに成功しても
また知らずにできて簡単に崩せない壁
その壁は見えないからこそやっかい
こちら側からあちらをみたときと
あちら側からこちらをみたときでは
その表れ方が違う
力で崩せそうにないから心の中で消し去るしかない
溶かすように自己解凍させるように
知力とユーモアで
壁の向こう側にあるものを知りよく考える
こちらのものと比較してその違いだったりなぜそうなってるとか
そうするとどんなものでも基本はおなじで小さな差しかないことがわかる
左の手のひらにこちらのものを
右の手のひらはあちらのものを乗せ
両手でそれらの重み色香りそしてその意味を感じて
「なーんだ真剣に考えてたけどほとんどおんなじじゃん私ってバカみたい」とおもえたら
壁はいきなり消え去り広いところに立って遠くをみているような気がする
どんなときでも
どんなところにいても
壁