17歳

17歳

17歳。
この年が特別なのは分かっている。大人と子供のぎりぎりのところ。
さすがにこの年になると、自分のもとにやってくる次の新たな環境ってのがわかってきた。
いつだって、現状を猛烈に批判して、それが過去になるたびにその状況に戻りたいと愚痴を漏らす。
結局今が一番幸せってことなんだ。
ただそれに気づいたのはほんの最近の事で、気づいころには終わりがけ。
だからきっと私は高校を卒業してから、高校生に戻りたい。と愚痴を漏らすのだ。
散々今に呆れて嘆きを続けたこの時代を、欲しがるのだ。
分からないはずの未来も、分かってしまう。そんなこの微妙な年齢が、恋しくなる日がいつかくるのだ。
人生は難しい。とても難しい。
人生はクソゲーなんて事を耳にしたこともあるが、本当にそうだと思う。
分からない事が多すぎるのに、それを分かろうと推測を測ってしまう自分ばかりがいる。死後の世界がまさしくそんな私たち人間の特性を表しているのでは、と思う。
見たわけでも体験した訳でもない。
そんな世界の話がこの世には存在する。
つまりは誰かの思想に人々の個人的意見を組み込んだただの推測、憶測、簡単に言えば妄想話だ。
人々はそんな妄想話を真剣に信じるし、亡者のことを敬う。
ほら、私はまた無駄にこんな考えをしてしまう。
結局はそういうことだ。
17歳という年齢は、世のルールに疑問反感を持っていても従う大人でも、夢を信じ目を光らせる子供でもないのだ。
夢は叶わないし、自分という存在は社会のパーツにしかすぎないし、この時間だっていつかは世界の闇に吸引されてしまうのだと、気づいてしまう年齢なのだ。
ただ、私は大人を経験したわけでもない。予知能力なんかがある訳でもない。つまり今話した事はついさっき私自信がののしった推測、憶測、妄想話と同じ類のものなのだ。
まだまだだ。
こうして人間は成長し、いずれ全てがわかるであろう時に死ぬのだろう。
あぁ、これも妄想話になってしまうのか。
人生は難しい。とても難しい。
明日には私は世のルールに従えているのだろうか。
1分後の私に、17歳の私は問いかける。
時計の針は重なった。

17歳

17歳

  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-01-18

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted