ゆらの涙
ゆらは泣かない
涙を捨てたんだから
ゆらは負けないよ
だって強いから
序章 -ゆら-
焦るな私
たった9年間の義務教育じゃないか
我慢しろよ。弱いな私
「ゆらさぁぁーん」
ビクッ
静かな足音が私には近づいた
私はイジメられている
「どこいっちゃったのぉ?」
たいていイジメられる理由なんてない
気に入らないから八つ当たり
「…」
「みーけっ。逃げんなよ」
そうやって私につかみかかった
痛い痛い助けて痛い
「やめてよ」
「は?」
「いいい加減にして…ください!」
「あぁあぁお前のさ、死神みてぇな目がきめぇんだよ。人殺しっw。死ねよブス」
私は死神ってあだ名をつけられた
長い髪に暗い目。あまり友達と話すのが苦手だから、つまり無口。
私にはピッタリ過ぎるあだ名だった。
「てかさぁ。お前学校来んなよ。菌がうつるんだよ」
うるさい
うるさい
うるさい
「ぁぁァァァァァァァ」
「な、なんだよ。」
「うるさいうるせぇうるせぇ。ゼァハァ。ゴホッ」
「咳すんなよ菌がうつるだろ」
「うつれよ。」
「は?」
「お前なんてうつって死ね」
「なんだよこいつ、、行こうぜっ」
あぁ。わたしまたひとりだ。
春香 side
「春香〜。」
小六にもなると私にも欲が出てきた。
好きな人やクラスでの立場
そういうのを求めるようになった。
「なに?」
「きいてよきいてー!めっちゃ面白いはなし♡あの気弱な死神女が和也たちに死ねよって言ったらしーよ!笑えるゎー!」
死神女?あぁ。花塚由羅か。
「ふーん。で?」
「おっと、春香は興味ないかぁ。つまんなぁい。」
「ごめん千亜美。私塾あるから先帰るわ」
塾。塾。じゅく、、。
「偉いね。じゃあねっまたあしたぁ。」
正直塾なんて行ってない。
私の取り巻きがうざいだけ。とくに千亜美が一番馴れ馴れしい
「はぁ。また今日も同じ一日だったなぁ。」
《 日本国憲法 》
第0条 国ノ秘密暗殺機関ヲ儲ケル
第00条 暗殺機関ノ殺戮を許可スル
一章 いっしゅんで
「おはよ。」
元気良く挨拶をした朝の日
私のクラスはおかしかった
「お、おはよ。ゆ、ゆら。」
ゆら?そうだ。私の名前はゆらだ。
死神なんかじゃない。
「おっはよー!ゆら!」
「おはよ。春香っ。」
私が死神と呼ばれるのは私の中の妄想に過ぎない
私のことクソ退屈な毎日を誰でもいいから変えてください。
「はあぁい!みなさん席について~。」
『ミーンミンミンミンミー』
「先生〜セミがうるさくて聞こえません」
「窓しめてー」
『ガタッ』
「はい。今日は大切な話がありまーす。最近ニュースにもなっていますが国が少子増化問題が悪化しているので学校放火しているという話を見ましたか?」
少子増問題…現在2021年 日本人口2億5500万人 のうち18歳以下約1億7080万人
少子化問題解決作にて異常なほどに子供増加
国がまわらなくなった為に解決作として
子供を減らそうプロジェクト
さぁ、一人でも多くの子供を殺そう
『今日は政治家の春川 忠義さんに来てもらました!子供を殺そうプロジェクト!どう思いますか?ちなみに子供が一人死ぬとその家に20万振り込まれます。』
『いやぁ。じゃんじゃん子供を産んでじゃんじゃん殺せば最高ですね。』
ゲス共め。
私は大人が嫌いだ
自分勝手。自己中心
『ちなみに噂できいたんですが、国の暗殺機関があるって本当ですか?』
『いやぁ。それは流石にかわいいアナウンサーに聞かれても答えられないなぁ。』
『じゃあじゃあ。ちなみにその暗殺してるのって子供かやってるって本当ですか?本当だったら子供そんなことさせて大丈夫なんですか?》
『もしも本当 だったとしてもどうせ子供は死ぬんだから大丈夫じゃないかな?』
『それもそうですねーアハハ』
「それでですねー。先生残念ながら今日でみんなの担任終了なんですよ~」
え?
「えー。なんでですかー。」
「だってぇ。」
まって。
「今日でみんなは」
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
「「死 ん じゃ う ん だ か ら ♡」」
「え??何言ってるの先生」
「俺たち大人になれないってこと?」
そうだ私達…大人になれないんだ。
生まれた時から決まってる運命じゃないか
「いやよ。いやっ!絶対にいやっ!死にたくないっヒック」
「泣くなよ桃菜。みんなはで逃げようぜ」
『ガチャ』
「まって。ドア開かない」
「先生開けてよっ酷いよっ!人殺しっ!」
ドアは開かない。早くしなきゃ暗殺される
暗殺?これは。こんなの。公開処刑じゃない。
「いい。すごくいい。待ってたこんなスリル。私待ってた。」
「こんな時に冗談やめてよ、ゆら。」
待ってた。待ってたよずっと。
『グォォ』
「ね、ねえ、みんな。これなんの音?」
「しらないわよっ。出口探してよっ」
『グォォォォ』
「ヒャッえ。誰。」
『キタ』
キタ
「きたきたきたきたきたァァァァァ暗殺者だよ。死ぬんだよ俺らぁあぁぁぁぁ。」
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。」
「こ ん に ち わ♡ 生きるのを許されないモノたちよ」
銃声が鳴った。鼓膜が破れそうになった。
いや、破れたかもしれない
一気に胃が沸騰したみたいに緊張が沸き上がってきた
「いい。すごく」
ばこん。どかん。ぱりん。
全部何かが消える音だった。
私の周りがみんなの血で赤く染まった
『カチャッ』
頭に固く残酷なものを突きつけられた
「お嬢ちゃん。よそ見は良くないよ」
細く小声で囁かれたその声は私の神経を震い上がらせた
とっさに振り返った
「おっと。殺すのには惜しいほどの美人だね。」
「私は死なない」
「死なない?俺はお前を殺すよ?周りを見てみなよ。みんな当たり前みたいに死んでいく」
「ここは私の墓場じゃない。」
「?」
そうよ。終わってたまるものか
「いーつのことだか思い出してごらん。あんなことこんなことあったーよねー。」
「おまえ…」
「ふふふっ。ビンゴ。拳銃持ってるんだなっ。」
私の右手にある拳銃が目の前の彼に突きつけられた
『お相子♡』
「てめぇ。」
「人殺すのって楽しい?あんたたちってアレでしょ」
「は?」
「政府のわんわんっ。いーぬ」
「ぶっ殺すぞてめぇ。」
「ふはははは。滑稽滑稽。ねえねえ。私使えるよ?暗殺の仲間入りしたいなぁ。」
『パァッン』
「調子にのるな。」
「アルナッ」
「痛ァ。んふふ。銃で撃たれるのって意外と痛いんだね。」
「銃を下ろせ女。ハルもさっさと女を殺せ。」
「わんわんっ。殺さないで欲しいワンッ。ねえねえ私も人殺したいワンッ」
『ゴッン』
「みねうちだぁ。」
「政府…の…犬が…ウッ…」
「その女どうする。」
「持って帰る」
「私は責任とらないからな。」
「オカッ、ナツメ、ナルッ後は頼む。」
「「「りょーかいっ」」」
2021年 7月12日 夏休みを迎えることなく私達2年1組39名は
私を除いてみんな死んだ。
中2の暑い真夏のことだった。
二章 かればな
「2…5123」
ん、んん?ん…。私は死んだのか
「23654......3」
「ヴッぁあうぁ。」
「静かに」
口にはガムテープ
両手両足固定
「いまガムテープとるから」
「プハッ。ここどこ。」
ゆらの涙