僕恋其ノ壱

やっと書けました!
シリーズです
予定では其ノ弐で終わるつもりなんですが…
それではご覧ください

まだ更新中です

一人に一つの物語

人は一人一つずつ毎日物語を編んでいく
でも振り向かない限り、綻びには気付かない
直さない限り、無くしたものは戻らない
でも信じている
この今日と言う日を積み重ねた糸が
僕らの明日の道しるべとなってくれるから
だから!振り返るな!取り繕うな!
編み方を間違えたって大丈夫!
編み方が分からなくたって大丈夫!
僕たちが向かう先がゴールなんだよ!
でも、糸がなくなった時一度だけ振り返る
あなたの糸は自分色に染まってましたか?
何があってもちぎれない強い糸でしたか?
後悔なんてしたくないんだよ!
最後に笑顔で終わりたいんだよ!
ならば…


“今”を精一杯生きる以外に無いだろ!

基準の時間にて

僕は今とてもハッピーな気分である
「和希ーっ」
ほらっ♪
「今年も同じクラスだね!」
「そうだな」
そう僕はただ今クラス替えという年一のイベントを終えた所だ
学生を経験した人ならだれしもが分かることだが
これによって一年が決まるといっても過言ではない
「奈津は僕と一緒のクラスがよかったの?」
コイツがハッピーな気分の時は基本何でも言える
「そっ、そんなわけないじゃん…ただ仲の良い友達が同…」
かっ、かわいい…
ただ例外もあり
「あれ?春休みでまた背縮んだ?」
「ハァ?もう150有るんですけど!今すぐ謝れ!」
「じゃあ背比べしてみる?」
僕は彼女に一歩近づいた
「ほら150有るでしょ?」
「いやいや149ぐらいだって」
「ところでさ…今日一緒に帰らない?」
突然話が切り替わってよく分かんなかった。僕がびっくりしていると
「えっ、いっ、いやいいんだよ?和希が良いならって…」
「お二人とも初日から暑いですね~」
日向っ?やっかいな奴が現れた…
「奈津?じゃあ帰りのHR終わったら校門前な」
まだ話したかったがとりあえずサラっと約束をっと
良い選択支だ。今学期もいけそうだ

出会いと失敗

彼女との出会いは小六の時。僕はクラスでは目立つ方だった
そんなわけで女子のグループを作っている彼女とは接点が無かった
だが、ある出来事を境に僕と奈津の物語が始まる事になった
ー小六の12月25日ー
「いってきます!」
僕は今日ハッピーな気分である
なぜなら日向のデートを見れるからだ
正確には‘デート’と言うものを見てみたいのだが…
~2日前~
「はぁ?何で僕が?二人でいけばいいだろ?」
「あいつがさ、2対2がいいって言い出したんだが」
「だからって何で僕が?」
まぁ女子と遊びに行くのは初めてだし、良いかな…
「あぁ行ってやるよ」
「本当?ククク…」
「?」
「あぁなんにもない。じゃあ俺ら待ち合わせしてから行くからさ」
どゆこと?
「とにかく和希はバス停で集合な」
まぁいいや…
~時が戻って25日~
「寒っ!」
今日の気温は氷点下三度、今にも雪が降り出しそうだ
「おはよう!」
僕のクラスの佐藤さんだ
「うん、おはよう…」
「なんか元気ない?どうしたの?」
「えっ、えーと日向たちどこにいるのかな?って」
嘘ですいつも学校では着てこない様な大人っぽい服装に…
「…今日服似合ってるね」
???……ミスった~(泣)

君と僕の名前

「えっ?」
どしよ?どしよ?どしよ?
えーと1「冗談」とか言ってごまかす
   2「えっと日向たちは?」とか言ってそらす
   3とりあえず今の所は黙って過ごし無かった事にする
   4とりあえずトイレ(笑)
選んだのは…
5訳分からん事を言い出す
「アハハっえっとその服大人っぽいな~って」
もう知らない!えっと…えっと…
「あ、今日の朝何食べた?」
「きょ、今日の…」
「フフっ…慌てすぎだって、君もその服似合ってるよ」
ハハハ…こういう時のマニュアルがあればいいのに
この時だ、たぶん。僕の物語が始まったのは
「ひっ、日向たちは?」
もう声は直らないな~
「それがさ~遅れそうだから先行っといてだって」
ん?んん?
プシュー
一時間に三本のバスがやってきた
「うわー満員だね」
椅子がワンセットしか空いてない…
「窓際か中かどっちがいい?」
とりあえず在り来たりな質問をかけてみた
「優しいんだね」
男って単純だな…少し誉められたくらいでドキッてするなんて…
「ねぇ佐藤…今日から名前で呼びあわない?嫌ならいいんだけど」
残念ながらこれが精一杯の勇気です
「…よろしく!和希!」

運命の値段

内心は心臓が出そうなくらいにドキドキしてた
好き…ではないと思うんだけど、この慣れない状況下
それから30分間のバス中一言も喋らなかったのだが…
「嘘っ!」
奈津がいきなり携帯を見てさけんだ
「しっ!」
「ごめんハハハハハ…」
どした?日向たちの事か?
そう思った僕は聞いてみた
「…ウン」
熱でもあるんじゃないって程、頬を赤に染めて呟いた
「まさか…」
「たぶんそのまさかだよ…」
僕から目を逸らして続けた
「見て」
奈津は携帯を差し出した…
『ごめん!私たち風邪引いちゃって
そんな訳でお二人で楽しんできてね』
的な内容で…
これって、これって…ベタなドタキャン作戦じゃん!
「……」
「……」
そして沈黙のまま目的地についた
僕は喋りたいんだが、脳内の整理が追いつかない
今日の予定は午前スケートやった後、街でブラブラとっていうものだ
「じゃあ、スケートいこーぜ」
「そうだね!開き直って楽しもう?」
この言葉で解った『運命』って言葉はけっしてチープなんかじゃない
だって感じちゃったんだもん。運命
「そうだな!」
これは将来中二候補だな、そうも思った

かくれんぼ

きっと彼女も内心あせってるよな~
そんなことを思いながら休憩しよって言うために振り返った
!!
「奈津!急いでこっち来て!」
僕は夏美の手を引き近くの自販機の影に隠れた
「何?何?」
彼女の吐息も聞こえるぐらい体が近いんだが今は気にしてられない
「瞬…後藤たちだよ」
「後藤ってたしか三組の?」
「見つかったら大変なことになる」
瞬は口が超軽い、その上今日一日追跡されるかもということを話した
「後藤たちこっちに来るよ!」
急いで引っ張って隠れたのでほとんどハグみたいな感じになっている
「フード被って!どこにでもいるカップルみたいにリンク行くぞ!」
僕たちは並んで休憩所から歩きだした
「日向たちって今日ここでデートらしいぜ」
「マジか」
後ろから声が聞こえる
「絶対振り向かないでよ!」
「分かってるって」
「そういやお前背ぇ何センチだ?140ぐらい?」
「失礼なっ!141はありますっ」
僕のわき腹を突いてきた
「いったいな~」
あっミスった声出しちゃった
「あれっ?あれって日向?」
「いや違うだろ」
よかった気付かれてない
「よしっ反対のリンクサイド行くぞ!」
「私滑れないんだけど…」
知ってる、けどどうする?

限りない選択支

つきあってるなら?黙って手を出すだろう
無関係なら?知らんふりして行く?のかな
じゃあ僕は?
彼女とどういう関係なんだ?
なんて答えれば…
「ねぇ…引っ張ってってよ」
「お、おう」
突然の申し出にそう答えるしかなかった
まったく…中途半端だろ…
「じゃあよろしく!」
僕の服の裾を持って滑る彼女を見て
「さっきはごめんね。後でコンポタおごるから」
彼女にせめて男っていうのを見せたかったのかもしれない
「いいよコーンポタージュは」
「へー、そういうの断るタイプなんだ」
「は?コンポタ派じゃなくてお汁粉派なの」
そういうことか…

後藤たちの包囲網もすり抜け、僕がお汁粉をおごっている時
「なんか見られてる気がしない?」
今度は奈津が言い出した
「気のせいだって」
特に周り見渡しても、こっちをチラチラ見る小学生はいたものの、知ってる人だとか、いかにも怪しい人の気配は無かった
「そうだよね、そんな怖いこと」
「よし!あいつらも行った事だし僕がレクチャーしてやる」
「フンっ和希なんかに教えられなくたって滑れるわ」
「『ねぇ…引っ張ってってよ』って、忘れないよコレ」
「うるさいっ!」
純粋に楽しいな。そう思った

天然物にはご注意を

僕らはスケートを終えた後、ファストフード店で昼食を食べた
「ねぇ明美たちって何カ月だっけ?」
明美=日向
「ん、確か一ヵ月」
「そうかぁ…ねぇ…」
「ん?」
奈津は何かを迷った後
「まぁいいや。それよりさ~親になんて言って来た?」
まぁいいや?話したくないならまぁいいや
「日向と遊ぶって」
「そっかぁーその手があったか」
「他にどんな手があるんだよ!」
「私は白状したけど」
リリリリリ…
奈津の電話がなった
「明美から」
「もしもし…うんうん…えっ…分かった…」
「なんて?」
「風邪直ったからそっち行くって」
はいはい…やっとですか
「まさか騙すとは思わなかったよね?」
「えっ?騙す?えーーっ!だからすぐに直ったのか!なるほどー」
「まさかって言ってなかったっけ?」
「ほんとに風邪だと思ってた」
僕たちがいろんな意味で呆然としていると…
「ハハハハ…ハーハッハ」
聞き覚えのある声…日向だ!
「ハグまでしちゃって…最高!」
明美!まさか…今日つけられてた!?
「明美…ひどいよ…」
奈津が泣きながら店を飛び出した
「奈津っ!」
僕はすぐ後を追った

それぞれの運命論

僕の足ならすぐ追いつく
だけど…追いついたところで何言うの?
ごめんか?僕がついてるか?大丈夫か?
ちがう!何も中身が無いじゃないか!
はっきり言って『他人』なんだもん
「なぁ奈津!」
僕は腕をつかんだ
「今から言うことはただの独り言だ」
「僕は運命ってあると思う」
突然の話に奈津はキョトン顔だ
「まぁいいか、こんな独り言…」
やっぱ中途半端だな…
「私がこれから話すことは独り言だよ?」
奈津は涙を拭って言った
「私も今日運命を感じたの。でもそれが作られたものだと解って…」
「それは違うな!」
日向が追ってきて後ろから言った
「ハァハァ…運命ってなんだよ!」
「決まってた事…かな?」
「それは俺にも解らん!」
ハァ?
「だけどなぁたとえ作られたものだと知ってても何億といる人の中で出会えた時点で俺は運命を感じるよ」
いや…論点ずれてるしって僕、妬いてるの?
「僕はさ、運命うんぬんの前に、今日楽しい、それでいいと思う」
彼女は前を向いて
「よし!じゃあ午後も楽しもう!」
「騙したのはごめんな」
「じゃあ僕たちにおしるこで許してやるよ」
やっぱり奈津は笑顔が一番似合う

脳内支配率

話は進んでここは映画館、明美&日向のせいで恋愛映画だ
左の二席でイチャイチャしてるんだけど…
「奈津、画面やっぱ大きいね?」
「う、うん…」
ぐらいの話しか出来ず…
つき合ってはないんだけど
さすがに好きな人とラブシーン見るのは…左も見ないけど!
こいつはどう思ってんのかな?
そんなことを思ってると、奈津がもたれ掛かって来た
「奈津?いや寝てるし!」
もう…じゃあ僕も少しくらい寝てもいいよね
彼女は僕のことどう思ってるんだ?
もしかして今告ったらいけんじゃないか?
いつの間にか僕の頭の中から奈津が離れなくなっていた…
「おい!おまえら起きろ!」
日向の声がする…ハッ!本当に寝ちゃった
そして二人同時に起きた
「コレ見て…」
明美が携帯を見せてきた
僕たちの寝てるときの画像だ
いつの間にか僕は奈津の頭を枕がわりに使ってしまったらしい
「君たちつき合ってるみたいじゃん」
「映画館は撮影禁止だろ?」
僕がはぐらかしたのを見抜いて日向は
「えっ?まさかもうつき合ってるとか?」
ゴゴゴゴゴ…僕が話している後ろで炎が燃える音が
「今すぐ消しなさい!その写真!」
この言葉を聞いたとき僕はうれしく感じた
いや僕はMじゃない

聖夜の贈り物

人の心を扉で表すことはよくあると思う
そして怒りって言うのは相手を信じないと出せないと思う
「何ニヤニヤしてんの?」
その怒りモードの奈津が言った
「フフフ…もう何でもない…」
「よしっじゃあここ出るか」
僕たちは映画館を出た後ショッピングモールをブラブラしていた
日向たちは僕たちを気遣ってか、二人になりたいだけかは知らないが、「じゃあここで解散で」という言葉だけ残して行ってしまった
やっぱあの二人お似合いだな、そう声を掛けたら奈津は
「うん…そうだね…」
とだけ言って俯いてしまった
またバスの沈黙再びかと思っていたら
「きっとさ、お互いのことを信頼しあってるんだよ」
今から放つ言葉に僕は黙って聞くことしかできなかった…それは…
「誰にも言ってないんだけど、私…今つき合ってる人がいるの」
「今日も一応許可取ってきたんだけど…」
どういう事だよ!じゃあ何で僕に優しくした?何で…
僕は黙って回れ右をすると、バス停の方に向かって歩いた
彼女が何かまだ言いたげな顔だったがどうせただの言い訳だろう
月が照らす少年少女二つの影が冬の風に引き離された

少年の気持ち

そもそもつき合ってなんか無いだろ
別に好きだった訳じゃないだろ
それでも…
奈津を嫌いになれないんだ…
ふと思い返してみる
「私は今日運命を感じたの…」
あれは嘘だったかなんてどうでもいい
ただ、友達としてあいつをもう少し信じれたんじゃないか?
はぁーあ
何考えてんだ僕は?
僕の気持ちはたった一つ…
好きなんだよ!
ならば?
諦める。それはどんなに楽なことか?
君を知りたい
君を見たい
君と話したい
君と分かち合いたい
君と…
“もっと一緒に居たい!”それだけだろ!!

少女の気持ち

ハハハ…やっぱりそうだよ…
いきなりつき合ってる話なんて…
でもせめてあと一言伝えれたらな
「今の彼氏と別れるから」って
悪いのは私。ただの興味本意でつき合って…
結局やっと見つけた大切な人も傷つけて
もう会う資格なんて無いよ
あれ?何で涙が出てくるの?
こうなる事は薄々分かっていたじゃんか
それでも君とはもう話せないの?
君の笑顔はもう私に向けられないの?
“君のすべてが欲しいよ…”

Bestfriend

離れるのは簡単だが
戻るのは難しい
まるでその言葉の様に時は過ぎていった
まだあいつを見てたら僕、未練タラタラみたいじゃん
そう思うとあいつのことを見れなかった
気まずいのか気にしてないのか僕のこと見ないし…
でもあいつの隣のあんま仲よくない奴に、わざわざ喋り掛けにいっちゃうんだよ…
これって病気なのかな?
あの日から二ヶ月、僕と奈津は完全に別の道を歩いていた…
と言うか、そう感じた
でも僕はつき合ってるわけでもないのに
奈津が他の男子と話していると気になって仕方がなかった
あいつには彼氏が居るのに…
とにかく僕はまだあの一日が残っていて
これがとんでもなく厄介だということ
授業中も気になるし
気がつくとあいつのために朝起きて、あいつのために学校へ行って、あいつのために見て話して聞いて…
それでもこの気持ちは伝えられない
あいつが楽しいなら身を引くという大義名分のもと
本当は振られるのが怖くて…
「なぁ?お前ってさぁ奈津となんかあったのか?」
日向だ。こいつになら全部話してもいいんじゃないか?
「じゃあお前等のことも話したら言う」
「んじゃとにかく帰ろーぜ」
「そうだな」
こいつとは一生やってく気がするな…

大切なこの時間

僕は奈津に彼氏がいたこと、それから喋ってないことなどを話した
「まぁこんな所なんだけど…」
「お前はどう思ってんだ?」
まぁ好きなんですけども何か?
「ならいいんじゃんか」
「あのなぁもっと真面目に考えて…」
「俺はさ!…」
僕の言葉を遮るように言った
「一年生の頃から好きだったんだよ。明美」
「何度も何度も嫉妬して、アタックして、でもダメで…そんな時思ったんだ」
“それでも君が好きなんだ!”って
「そしたらさ、今この時間を大切にしなきゃって思って」
そうか、そういうことだったのか
というか日向って実はよく考えてんだな
「だからお前の今も大切な物語なんだよ」
「物語って…小説書いたりしてるの?」
「よく解ったな!実は小説書いてんだよ」
「んじゃ一緒に書かないか?僕字下手でさ」
ついでに言っておくとこの小説は五月に出来た

そして3月23日
相談をした日から、僕は距離を置くことに決めた
諦める訳じゃない
強いて言うなら“隙を伺ってる”かな?
相変わらず零喜十憂だけど…
客観的に見てみると色々分かることがあった

大きな桜の木の下で

たとえば実はあの相談より前にヒナアヤが別れていたこと
奈津がこっちをたまに向いていること(気のせいだろう)
ほかにも今まで気づいてなかったクラスの恋愛事情が見えてきた
これも僕の脳が少しずつ大人になってきていると言うことだろう
と、思ったのだがひたすら何もないまま今日は卒業式
何かもっと熱い物がこみ上げてくる…なんて思っていたんだけど…
この程度とは…まぁ先生とその近衛兵団が泣きじゃくっていたが…
暗黙の了解があるように皆携帯を持ってきて自撮っていた。
うちの学区は二つの中学に別れるんだが、日向は同じ学区で他に仲の良かった人は何人かいたが、携帯を持ってなかったためそれっきりだ
今は桜が花開く頃、下級生のアーチをくぐって桜の坂の下、一人感慨に耽ける。そんな事もあったな~と考えながら、ふと奈津を見る
目があった。と、同時に目をそむける。最近はこんなのばっかだ
目は三秒合わせるのが一番好感度が上がると言われているのだが
三秒どころか目が合った瞬間まるでメデューサのように体が石になる
体に電気が走ったようにね…後悔はしたくないけど、話しかけるのもなんか気が引ける。こんなジレンマが頭をグルグル回っていた
「ねぇ和也」

真昼の星は美しい

あの大好きな声だ
まるで反射するかのように体が一回大きく震えると
一度深呼吸してからゆっくりと振り向いた
「何?」
僕は不愛想ともとれる声と態度で返した
「あの日のことなんだけど…」
何だそのことか。僕の気持ちは自分の意志と裏腹にどんどん曲がる
今更何を…だの、彼氏と話してろよ…だの期待を裏切られるのが怖いのか、負のイメージしか出てこなかった
僕の気持ちは…?
「あのさ?ごめんその話はい…」
あ~またやっちゃった
「そうか、そうだよね!いきなりこんな話…」
奈津は俯きあのとき僕がしたように回れ右をした
“このままでいいのか?”その感情は何とか次の言葉を絞り出した
「星が綺麗ですね…」
彼女は、は?と言うような表情をした後、桜が舞散る坂道を降りていった
引かれちゃったかな?まぁいいや思いは伝えられた
“あなたは私の想いを知らないでしょうね”と
そう、こんな真昼でも星は輝いているのだから
こうして僕の小学校生活は幕を閉じた
結局気づいたのは僕がとんでもないヘタレだということ
そして僕がとんでもなく奈津が好きだということ
中学でだったらどうだったんだろう…ちゃんと伝えられたかな?

僕恋其ノ壱

僕恋其ノ壱

何度も何度もすれ違う だが、今日も物語は進んでいく これはどこにでもある青春の1ページ スピード感あふれる夏野修二第三作 甘い恋と少年の心情映すベターな恋愛小説 (更新中です)

  • 小説
  • 短編
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-01-14

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted
  1. 一人に一つの物語
  2. 基準の時間にて
  3. 出会いと失敗
  4. 君と僕の名前
  5. 運命の値段
  6. かくれんぼ
  7. 限りない選択支
  8. 天然物にはご注意を
  9. それぞれの運命論
  10. 脳内支配率
  11. 聖夜の贈り物
  12. 少年の気持ち
  13. 少女の気持ち
  14. Bestfriend
  15. 大切なこの時間
  16. 大きな桜の木の下で
  17. 真昼の星は美しい