『 海賊王を目指す父と母 』

「俺は海賊王になる!」

真面目で頑固だった父ちゃんが突然のご乱心。

「大海原は私たちのモノよ!」

大人しくて物静かな母ちゃんも腕まくり。

「……ねえちゃんの彼氏、海上自衛官だってさ。捕まんぞ」

「うっ」

「きゅい」

二人が近くの駅に着いたって連絡があったらしい。

遠くから見てただけだけど、きっとアレは良い人で、アレは姉ちゃんを幸せにしてくれる。
馬鹿みたいな事して逃げなくたって、大丈夫だって。

「じ、じゃあ、おあ俺は山賊王に」

……大丈夫だってば。

『 海賊王を目指す父と母 』

『 海賊王を目指す父と母 』

極短小説。

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-01-14

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