第七話 「ジャンプとかサンデーとかマガジンで百合」
61 作
Sunday 編
エロの半分は、ガンガンです
あくる日の行動なんて、ある程度は予想してたのよ。
ほら、オレ達って短い付き合いでもないじゃない?
中でもあのオンナの行動は明快すぎよね?。
「おはよ、サンデーちゃん」
吹き抜けのカフェに、朝のざわめきが響く。
その入り口にクラスメイトの姿を見つけて、講談マガジンは立ち上がった。
「あ、マガジンちゃん」
朝食が用意されたホテルのカフェには、見知った顔が集まり出す。
観劇にもご馳走にも満足したクラスメイト達は、いっそう華やかな声をカフェ中に咲かせていた。
さすが雑誌界でも名の通った少女達。その姿は店内の客の目を喜ばせるばかり。
そんな中、眠そうに目をこすりながら案内されていたのは見ないフリした。
「昨夜は災難だったよね?。あのオンナずいぶん荒れてるんだもん」
そのまま、入り口に目を向ける。
「あはは、で、当のジャンプは起きてこないか?。
フテ寝?さすがにテレくさいとか。オレ、気にしてないのにぃ」
困ったような笑顔であいまいにうなずくサンデーちゃん。
マガジンはその背の後ろに影も見えないので、一緒に困ったように笑ってあげる。
明日ガン無視されたりして、とは思ってはいたのだ。
合わせる顔がないとかで、最悪、ばっくれるかも。あのオンナならやりかねない。ワガママだし。
でもその通りにされるとは。分かっていたことだけど、呆れるよ。
「どうしよ。なんかオレ、手伝える事ある?」
「いいよ、用事があったら・・・メールか電話くれるだろうし」
そして、そんな二人を眺めながらガンガンちゃん。
甘いわよ。
夜明けのエスプレッソを片手に、軽く鼻で笑う。
さんざ愛をささやいた相手だろうに。甘いわよ、マガジンちゃん。
カップの淵ごしにサンデーちゃんを観察して。
あれ、えっちしてないわよ。可哀想に。
隣のテーブルにいる秋田チャンピオンに、挨拶と一緒に座るサンデー。
向かいは空席だ。ちらっとその空席に目を上げてから、サンデーちゃんは疲れたようにため息。
そして二人の見解の内、当たってるのはガンガンちゃんの方だった。
「???」
集英ジャンプは、目が覚めてしばらく呆然とした。
なんでオレ一人・・・?ベットの上でぼーぜんと朝の光を見る。
昨夜、マガジンの部屋にほとんど怒鳴るように電話をかけた。
だって頭にきたんだもん、あのオンナ、絶対に小学館に取り入りたいんだよ、低年齢層が苦手だからってなんでもかんでも横からかっさらうマネばっかすんじゃねーよ!
『どうしたの?!ジャンプちゃん、どこか痛いの?!』
そしたら急に電話の向こうがサンデーに代わって、ジャンプはすぐさま受話器を置いた。
そのままシーツを頭からかぶる。ええー?!何?どゆこと、なんでサンデーが・・・?!
それからの、何がすごいってサンデーちゃんの忍耐強さだ。
この少女は本当に待つ事に対しての感覚を持っているのか。チャイムが鳴らされて、ノックと一緒に「ジャンプちゃん?・・・」のジャ、までは言えた。
でもドアにまくらが叩きつけられたら、もう音はしなくなった。
それからジャンプはシーツの中で耳をふさいで、身悶える事、言葉どおりに七転八倒。
うわー、死ぬー!恥ずかしさで死ぬー!じたんばたんと転げまわる。
「・・・」
だからドアが開けられたのは、一体、どれほどの時間の後なのか。
時間が経っても、物音もしなくなっても、疑問もなく開けたのはジャンプは知っていたからだ。
ドアの向こうには、心配そうにサンデーが待っているのを。
で、それからはえんえんと愚痴だった。
「大体さ?なんでオレを後回し?オレが寂しいとか思わないと思ったわけ?のど渇いたなーって思った時もあったんだよ?あんたいなかったでしょ。あんたいなかったらどうすんだよ、誰がオレにスポーツドリンク渡してくれるのよ」
ベットでサンデーに抱きついて、えんえん、えんえん。
スネたり、ふてくされたり、へそ曲げたり・・・言い訳、誤魔化しも入ってたかも?
えんえん、えんえん。
「うんうん、ごめんね、ごめんね、ジャンプちゃん」
でもサンデーは、ジャンプの頭を抱きしめてずーっと撫で続けていた。
最後までそれだけを繰り返して・・・。
気付いたら朝とは。
どこまでオレ、バカなんだよ!せっかくの泊まりなのに、二人きりになれるのにっ。私服のままだしっ。
あ、でもジーンズは脱げてる・・・?上着も。
きょろきょろ見回したら、ベットの上にきれいに畳んで掛けてあった。
サイドテーブルを見るとサンデーの字で書置き。
『ジャンプちゃんが寝ちゃったようなので、部屋に帰ります。
用事があったら連絡ください』
その後に携帯番号とメルアドまで書いてある。ほんと丁寧だよ、あのコは。
ジャンプちゃんはさすがに呆れた。呆れ果てておのれをののしろうとして
「???ォ゛レ゛のバ・・・!」
喉の異常にも気付く。
「・・・?・・」
あ゛ー、あ゛ーと確認。
とほほ。喉まで枯れてるし。
オレ、さんざ愚痴ったしな。文句言いながら寝るとか、もう呆れ果てて言葉もねーよ。オレのバカバカ!
ごそごそと自分の携帯に手を伸ばす。
声も出ないし。残るけどメールしよ。
ぴろぴろりん♪
「あらま、メール?」
でもそのメールの届いた相手は・・・
スクゥエア・ガンガン・エニックスは自分のバックに手を入れた。
音からしてサンデーちゃんの携帯かしら?びっくり。ちょうど今、同情してた最中だったのよ。測ったようじゃない。
ごっそりと携帯が入ったバックだ。
その数と種類の揃ってない具合から、バハラの違法叩き売りをイメージしてしまうのは人徳みたいな物だろうか。
あながち間違いではないが。
たくさんの携帯から淡い水色のドコモを取り出す。点滅するランプにやっぱり、と頷く。
送信者:集英ジャンプ
件名:re:
本文:喉痛い来て
「へー、ジャンプちゃんから?珍しい」
ずいぶんとサンデーちゃんの携帯の内容に詳しい感想。
本当に詳しいのだ。
別に盗んだんじゃないのよ?ガンガンちゃんは誰ともなしに前置きをした。
返却するのが前提だもの。ちょっと借りて、いろいろ設定いじれないかなあっ、って。
昨日借りちゃったの。なにか面白い設定出来たりして。
・・・さっそく面白いコト、出来そう。
サンデーちゃんに目を上げる。
一人テーブルで、朝食を取るクラスメイト。
ガンガンちゃんの目が細くなった。
うふ、えっちも出来ないなんて幹事としては身につまされちゃう。当方の企画では皆さんがお楽しみいただかないと。
ぱらぱらりん♪
「え?メール?」
サンデーちゃんは携帯に手を伸ばした。
ああ、良かった。昨日携帯、失くしちゃったんだよね。どこで失くしちゃったのかな?荷物をフロントに預けた時には、確かにバックに入ってたのにな。
でもガンガンちゃんが貸してくれて助かったぁ。
本当、幹事は適任だよね。
「あらら、携帯、失くしちゃったの?急場で良かったら、これ、貸しましょうか?」
機種変更しようと思ってたら、お家で働いてる方のを試しに持たせてもらえたんだって。
エニックス社の社員の方なら安心だね。帰って解約するまで借りておこう。
ジャンプちゃんに携帯番号とメルアド、書置きしておいて良かったぁ。
サンデーちゃんはほっとしつつ携帯に目を走らせる。
でも直接じゃなくてメールってどうしたんだろ。メールじゃないと駄目な事かな。
件名:素直になりたい。。。
「?」
サンデーちゃんは本文に目を通す。
本文:誰にもナイショにしてるヒミツ。。メールなら話せそう。。。
「!」
動揺したサンデーは、テーブルの皿にカップをぶつけた。
響いた食器の音に
「?どうした?サンデー?」
孤高のイメージの強いチャンピオンちゃんだが、近年は打ち解けた感がある。
最近の彼女の業界への妥協だってめざましい。気遣うようにサンデーちゃんに眉をくもらせる。
「う、ううん、なんにもだよ?」
「?」
サンデーちゃんはごくん、と唾を飲んだ。ど、どうしたんだろうジャンプちゃん。え?ジャ、ジャンプちゃんの秘密?へ、返信したほうが・・・。
ぱらぴろりん♪
しかし間もおかずにサンデーの元へと第二通が届く
件名:素直になりたい。。。
本文:クラスメイトも知らないホントウの姿。。。
えっちな内容だから二人だけのヒミツ
サンデーちゃんはがたん、と立ち上がった。
いぶかし気に見ている隣のチャンピオンちゃんに、一言だけ言い置く。
「あ、ちょ、ちょっとお手洗い行ってくるね」
「?ああ」
そのまま、廊下に出る。
廊下に置いてある人気のないチェアに座って、続きを待った。
以後サンデーちゃんに届いたメールの件名はすべて一緒なので、内容だけを引用させてもらう。
ちなみにその間のサンデーちゃんは携帯画面にすっかり釘付けになっている。メールも間をおかずに次々届く。返信どころかただただ、画面に息をひそめる。
『フツーの女子●生のアタシ。都内のどこにでもいる女の子』
?変換ミス?サンデーは文字を目で追いながら・・・・。
自分に頷く。ああ、ジャンプちゃん、動揺してるの?だよね、私にだけの打ち明け話だものね。しっ、しかもプライベートな。どっ、動揺もするよね、いくらジャンプちゃんでも。
自分自身が平静を失ってるのを、サンデーちゃんはまったく分かってない。
メールの口調が、いつもの恋人と違うのすら、気付けないぐらい。
『でも親もセンセぇも知らないの。
いっつもえっちなコト考えてる制服の下の1●歳の早熟ボディを。。。』
『いつもは「オナニー?してる子いるのかな??」なーんてとぼけるけど』
『援●交際してる子の体験談で。。毎日しちゃう。。。』
『放課だって。
机のカドでオンナノコのえっちな部分を押し付けて欲情してるの』
え?机?机?机・・・携帯をただただ握り締めて、画面を見つめるサンデーちゃんは
「え、ええーーー?!」
声をひっくり返した。そう言えばジャンプちゃん、よく机につっぷして眠っちゃってる。
放課よりも授業中の方が多いな。それでも勉強出来ちゃうのは不思議。
え、え、えっちな部分・・・?ええー?あ、あれってむ、む、胸・・・む、胸をーっ?
うん、それしか考えれないよね。机に当たるえっちな部分だもん。む、胸だね。
わ、私も机に伏せるときには胸が当たるから乗せたり工夫するけれど。
えええー?!え、えっちな意味でそれをしてるって事ー?!嘘、嘘ジャンプちゃん、だっ、だってジャンプちゃんはじゅっ、授業中も・・・そ、それってすっごく・・・・・
『こんなえっちなアタシのアソコはいつでもぐちょんぐちょんに』
「ぬ、濡・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
サンデーちゃんはぼんやりとつぶやく。
それからしばらくぴろぱろ、ぱろんぱろん、携帯は鳴っていたが。
サンデーは・・・すっくと立ち上がった。
「あ、いたいたサンデー」
あんまりトイレが長いからか?様子もちょっとヘンだったしな。
チャンピオンが探しに来る。
「??」
呼ばれたクラスメイトは
「な?に?」
やけに緩慢な動作で振り返った・・・・・・
・・・・・
「???」
カフェに帰ってきたチャンピオンちゃんにガンガンちゃんが声を掛ける。
「どうしたの?」
「あ、ガンガン。
サンデーがさ、なんかジャンプの具合悪いかもってさ。様子見てくるから、誰も来なくっていいよって。でも・・・」
サンデーちゃんの様子がおかしいのにチャンピオンちゃんは首を傾げるが。
「へえ。サンデーちゃんなら安心ね」
言われてチャンピオンちゃんは納得。
あのサンデーの事だ、そこらの看護士なんかよりもずっと有能だろう。
・・・そしてガンガンちゃんはたくさん持ってた携帯のうちの、一つをそっと折りたたんだ。
これで仕込みは万全ね。後はたーんとお楽しみあれ。
チャイムが鳴って、ジャンプちゃんはほっとした。
さっき「今行きます、サンデーより」とメールが入ったので、確認もせずにドアを開ける。
無言で手招きしながら、きびすを返した。
それから現実問題に足を止める。どーやって会話すれば?筆談?
サンデー、なんか考えておいててくれてるかな。ジャンプちゃんは後ろに目をやる。
しかしふら?っと入ってきたサンデーちゃんはそのまま
「?」
ユニットバスに向かった。?トイレ?
すぐに蛇口開く音がしてから、ふわっと湯気。お湯?なんかいい匂いも・・・花とか植物系?
キィ、と扉が開いて、思ったとおりに湯気といい香りがして、一緒にサンデーも出てくる。
そしてやはりふらぁ?っと窓に向かうと
「????サ゛ンデぇ?」
カーテンをやけにゆっくりとした動作で全部締め出したので、ジャンプはたまらず呼び止めた。
サンデーは相変わらずのろーっとした動作で
「ん??」
ジャンプちゃんに振り返る。
ジャンプはあまり声を上げたくないので黙って湯気を指差すと、サンデーは相変わらずゆっくりとしたしぐさのままにこぉっと笑った。
「ああ、あれ?良かったぁ。こんな事もあろうかと持ってたの。
あれねえ、アロマオイルだよ」
ミョーにゆっくりな仕草と口調が気なったが。昨夜、無理させたかな・・・?
「ジャンプちゃんに必要な事があるかもー、って持ってたの。マッサージや・・・
スポーツ後のマッサージや、抗ウィルス、抗真菌、えーっと、他にはなんだっけなあ、効用の各種。
今、香ってるのは婦人病にも使うから地肌にも、粘膜だってもちろん平気なんだよ?」
あらかじめ自分で試したし、と付け加えられてジャンプちゃんは感動に胸が詰まった。
ああ、やっぱこのコ、そんなにオレの事を・・・。
スポーツ後のマッサージって。一体、どこまでオレの心配を。
サンデーはふら?っと自分にやってきてテキパキ服を脱がせた。
されるがまま任せるジャンプちゃん。幸せかも、と目をつむる。
こんなに気持ちの優しい、自分に尽くしてくれるコが恋人なんて。
しかも準備もいい。裁縫セットだとか、そういやこまごま持ってる。コナン君かよ?ってぐらい。あ、ある意味、正しいか。
サンデーちゃんはテキパキ腕時計も外してあげる。
テキパキ電話の受話器を外して、テキパキ相手の手首を引いて浴室へ連れてって、テキパキはさみを置いてテキパキとジャンプをバスタブに入れる。
そのままテキパキ自分も服を脱ぎだして、両の手首をそっと後ろ手にされてタオルで結わえだした辺りで、やっとジャンプちゃんの声が上がった。
「・・・ちょっ、サ、サん゛デっ」
そのジャンプに
「・・・?」
サンデーが目を上げた。
「ち゛ょっ、なんっ・・?待、・・・っ」
バスタブの手すりに向けて右足を持ち上げられたので、もがいたジャンプに
「ああ、そっか」
サンデーは納得したような笑顔でうなずいた。
「喉が痛いんだね?良かったぁ、昨日、眠る前・・ううん、寝言でも叱ってくれたしね」
「んぐーっ」
「大丈夫だよ、喉をつぶしたら大変だもんね」
「もがっ、んーっ」
「大事なジャンプちゃんに、そんなの問題外!
ごめんねえ、ちゃんと専門用具を用意できればいいんだけれど・・・その、そんなの取り寄せたら家の人が卒倒するよね。
代用品ばかりでごめんね?」
テキパキとタオルをジャンプに噛ませる。
「えへへ、これで大丈夫だよお。クラスメイトも来ないし。怪我の心配もないね。
あ、皮膚温確認は必ずするよ。
危険ならタオルの切断ができるようにはさみも借りてきた。
良かったあ。もしもの時に気管支炎にも効くアロマも用意しておいて。いい香りする?タオルの端にちょっぴり付けておくね。呼吸の苦しさ、まぎれるかな?」
・・・当然ながら、その感想はサンデーちゃんに返ることがなかった。
「えへへへへ・・・・・」
サンデーちゃんは、持ってきた小瓶からとろーっと中身を垂らす。
ああ・・なんだっけ。本物のお道具・・・ローション?用意できたらいいのにな。
でも疑われたら困っちゃうよ。
ガンガンちゃんが書いた物語、本当、為になる内容だったあ。
代用品がこんなにさり気ない日常品だなんて。
「えへへ、素直な気持ち教えてくれて嬉しいなあ?」
サンデーちゃんはぬらーっとジャンプの全身に小瓶を傾ける。
「自分のすべてをあげるだとか、めちゃめちゃにされたいとか、好きにしてだとか、もー、今日のジャンプちゃん、別人みた?い」
サンデーはジャンプちゃんの身体が程よくぬとぬとしてきたので、次は自分の手もぬとーっと肌に滑らせた。
はあ・・いい気持ちー・・・。やっぱり自分で試した時と比べ物にならないね。
「えへへぇ。ジャンプちゃんのえっちぃ?」
サンデーちゃんはそのまま、ジャンプちゃんの胸に手を滑らす。先も軽く指ではじく。
「ん゛ふぅ?」
ころころはじくと、ジャンプはちょっと顔をしかめた。
「授業中、何考えてたのぉ??私の事??だったら嬉しいな・・・えへへ、あのジャンプちゃんが・・・」
ぬちゅぬちゅまさぐりながら、熱い息を首筋に近づけた。
耳の付け根まで、舌でぬとーっと撫で上げる。
「自分で・・授業中だなんて。
うふぅ。明るくて活発なジャンプちゃんにだーれも想像しないよ?」
胸を撫でながら、力を強めたり緩めたりサンデーは一生懸命だ。
机の角なんかよりもずーっと気持ちよくなれるよう頑張るんだ。
ずーっと、ずーっと私の方が気持ちいいって。あは。なんだか抵抗が減ってきたみたい。
ジャンプの抵抗がないのは本当だ。
サンデーちゃんは恋人の両足の間に納まった。
ジャンプの両足はさっきテキパキバスタブの手すりに預けたので、すんなり収まる。
足首を持って右膝は右手すり、左膝は左手すり。ゆわえられて、手首は後ろ。
ああん、即席だと完璧は無理だね。ジャンプちゃんの気分の変わりは早すぎだよ。
でも、サンデーは満足だ。ねちょねちょ、ねちょねちょ撫で回す。
抵抗以前だよねぇ。授業中も我慢出来ないってくらいに、か・・感じる場所だもんね。
「ん゛ぅっ。ん゛っ、ふぅ?」
「ふぅ?ん???」
あ、ちょっとにゅ・・乳頭?が固くなってきた。
えへへ。感じてくれてるのかな?
手のひらと一緒に、唇をつーっもひたべったい腹へと降ろす。
「ああ、幸せぇ。ジャンプちゃんの素顔を・・・ああん、私にだけぇ?」
サンデーはすべるようにどんどん、どんどん下へ降りていく。
メールの内容を確認するために、視線も降りる。
「打ち明けてくれて嬉しいな。ぐちょぐちょで濡れぬれだなん・・・・・・・・・」
開いた足の付け根を覗き込んで、サンデーは・・・・
「?」
思わずジャンプの顔を見上げた。
「ふぅ?、ん゛んーっ」
恋人は自分にかぶりを振っている。
・・・?どういう事?いつでも濡れ・・・ねえ?ほら、えっちな気分だよ、って状態なの教えてくれたのに。
覗き込んだそこは、ほぐれてもいない。果実にたとえるなら・・・まだ青い?
考え込んだサンデーは、しかしすぐに表情を明るくした。
「大丈夫、舐めてあげるから」
そっか。拭いたとか。ジャンプちゃんは気まぐれだもん。気分が変わったんだね。
「また潤うまで、私に任せて。ジャンプちゃんなら何時間だって平気ぃ?」
サンデーの笑顔は、やはりだらしないとしか表現しようもなかった。
で、それが本当に出来るからすごい。
ぴちゃぴちゃ。
さっきから水音が止まない。
・・あ、あれからどれくらい・・・・・
サンデーの努力家気質を、一番分かっていたジャンプちゃんが根を上げだす。
うあ、やば。そ、そろそろなんか理性が・・今、ひくっ、って・・・・・
「・・・んっ」
「えへへ?」
ぴちゃぴちゃ、ぴちゃぴちゃ。
でもなにがすごいって、一番はこのミラクルかもしれないが。
「ふぁ?ぅうぅ?ん?・・・気持ちいいねぇ?。ジャンプちゃん?・・・はっ、んぅ?、大好きぃ?」
さっきから鼻にかかった声が上がりっぱなし。
子犬が甘えてるような。ユニットに響く。
まるみのおびたお尻が、ジャンプの目の前辺りでぴょこぴょこ上下している。
どうにかして自分も一緒に気持ちよくなりたいらしく、押し揉むように太ももを交差させている。
その足には、いく筋もぬとーっと甘酸っぱい匂い。・・・確認できる者もいないが。
「はぅん?・・んん?はっ、ぅ?ん、気持ちいいねぇ?・・・ジャンプちゃんも気持い?い????
どうひよ、わたひ、すごい気持ちいいよぉ?・・・・・・」
うう、き、気持ちイイかも・・・。
恋人の一生懸命な奉仕と甘え声に、ジャンプちゃんの背筋に、ゾクゾク甘い痺れ。
こくこく頷いた。
それに視線を上げて、喜びにさらに潤むサンデーの目。
・・・・・・・完全にトんでる目。
ここまで、ノー・ドラッグ。薬物無しでも、その目はうっとりと霞がかかったよう。
き、気持ちいいけど・・・・。
ジャンプちゃんは、またひく、と動いたのにぎゅ、と目をつむった。
気持ちいいけど、なんでさっきからおんなじトコしかいじんないんだよっ。
あーやば、だめだ。頭がぼーっとしてくる・・・・・
サンデーちゃんは上がりっぱなしの息の合間に、ジャンプちゃんの花芯を舌先をかたくして舐めたり、平らな部分で転がしたり一生懸命だ。
でも、それだけ。それ以上は、なにもしない。
ジャンプはこの間、俗語を使わないサンデーにあからさまな苦笑いをしたが。
心配はいらない。恋人のスペックは、ちゃんと斜め上ぐらい。
えへへ・・ガンガンちゃんの創作物にあったみたいな事しちゃお。
どきどきと唇をなめる。
い、隠語・・・言わせちゃえ。
いいよね、好きにして、ってメールで言ってくれたし。あん、幸せぇ。
「ふぅ?ん?・・・ジャンプちゃん、ここ、なんへ言うか知ってる??」
ジャンプはこくこく、こくこく頷く。
「ここねえ、陰核って言うんだよ?。小学館版でね」
ああ、あのくだり、なんどもいただいたよお。
もう暗記もできてる。ガンガンちゃんは天才だよね。
「い、隠語だとねえ・・・・・クっ・・・・・・・・・・・・クリちゃんっ、な、なんて・・・言うんだよぉ。
英名を略した上にちゃん付けなんだよ!すごいよねぇ」
ジャンプはこく、こく頷く。
「覚えた?ああ、ジャンプちゃん、大分気持ちよくなってきたみたい?うふぅ?大好きぃ?」
こく、こく。
こくこく、頷きながらジャンプの方はほとんど聞いてない。
気持ちよくなる、と言うか、ジャンプは軽く何度かイってた。
あ、やぱ。今太ももから、ぴくんって踵まで・・・ちょ、嘘、なんでこんな・・部活だって、こんなけいれん・・・
「えへへ?。じゃあねえ、もっと気持ちよくして欲しかったら、クリちゃん気持ちいい、って言ってみて?」
普段のサンデーちゃんなら、口にする前に顔色なくして気絶している。
しかし彼女の戦闘値はとっくにマックス。
目はとろーんと、ジャンプが映っているのやら。
言えって、どうやって?
基本の疑問にも、誰も答えようもない。ジャンプがただかぶりを振るのに
「あぅん、言わないと、いつまでも続けちゃうよ?」
だめだ、き、気持ちいい・・・。
ジャンプちゃんはまともな思考が出来なくなってくる。や、やば・・・あ、頭がもーろーとしてきた。やば、オレがしっかりしないと・・・
なのに、ジャンプは、ヘンな事を、きちんとした文章で考えた。
あれ?オレって起きてからトイレ行ったっけ?
サンデーちゃんはやっぱり素直になるのは難しいかなー、とぴちゃぴちゃ、ぴちゃぴちゃ舐め続ける。
ああー・・・気持ちひぃ?・・・。
ちょっと舌入れたりしたら素直になれるかな?
入り口あたりでストップして、それを繰り返したり。
サンデーちゃんはやっとメールでの告白通り、更にはひくひく、けいれんまで繰り返しだしたので準備万端だろう、とまず入り口周辺をぐるっと舌を這わせた。
「っ!」
ジャンプの身体が跳ね上がる。
同時に鼻にかかったサンデーちゃんのため息。
ジャンプちゃんの表情を見るともう半泣きだ。も、もうすぐ素直になりそうな・・・。
「あ、そっか」
表情を観察してサンデーはやっと気付く。
返事って。出来る訳ないよ。タオルで喉、保護されてるのに。
なのでサンデーはちょっとハードルを下げる。
「ごめんれ、訂正、訂正。
じゃ、今回は頷いてね?。その通りだったら頷くんだよお?」
ああ、もっとすごい事したいのにな。
でもいいや。ジャンプちゃんの本音は分かったんだもの。
また次の機会にはさせてもらお。
ジャンプはこくこく、頷く。
・・ふぁん、幸せぇ・・・。
「クリちゃん、気持ちいいって思ってるう??」
ジャンプは涙目でこくこく、頷く。
「じゃ・・・じゃあ、にょ、女いっ・・陰部・・・・・・・・・・・・ここ、なんて言うか知ってるぅ??」
こくこく。
あはっ、さすがジャンプちゃん。
「おっ・・・・おっ、おっおおおおおおお・・・・・・・・・・・・・・おっ、・・・・・・・・・・・・おっ・・・
あぁんっ、し、知ってるならそれ!ね?触って欲しいって思ってるぅ?ね?ねぇ??」
ジャンプはこくこく頷く。
返事を聞いたサンデーが、それだけでイってしまったように「くんっ」と鼻で鳴く。
長いため息が、ややしてから続いた。ああ・・おかずよりもやっぱり本物が一番興奮するう・・・。
よひ、いっぱい気持ちよくしよ。舌より指を使ったほうがいいかなー・・・?
「ん゛ーっ、んぅっ、んぅーーっ」
ジャンプちゃんの気持ちいい、前回の記憶どおりの腹側を丁寧に撫でこする。
すごい反応。くるんって回すとぐちょって音まで。あん、きゅーきゅー締め付けるの、大好き。気持ちいいよ、って言ってもらってるみたい。
ピンク色のもやのかかる頭で、サンデーちゃんの思案はつづく。
そうだ、ジャンプちゃん、舐めてあげる前よりもぷっくりしたし。
サンデーはまた自分の唇をしめらす。クっ・・・クリちゃんなんて隠語にまで頷かされたのに。
一緒に舐めてあげたら、もっと泣き出すかも。
ためしに舌先で撫でてみたら、すごい反応を返された。
「んぅっ、ん゛ーっ、んぅーっ」
しかも全身が跳ね返るみたいな。うわー!すっごく気持ちいいんだ!
サンデーのブレーキはもう機能しなくなる。
指は一生懸命、ぐちゅぐちゅ掻き回す。
が、その間、口はお留守なので使ってみることにした。
記憶どおり、唇でまずやわやわ揉む。吸ったらジャンプちゃん、ものすごい声あげたんだよね。
なのでちゅっ、と・・・・・・・
「んぁ・・・っ!!」
ジャンプちゃんの頭の中が真っ白になった。
それと、魚が跳ね上がるようなバウンドする身体。
何かがぴちゃっ、とサンデーにひっかけられるのも。
どれが一番最初かは分からないが、サンデーちゃんは
「ん゛ぁ?・・・・んあっふぁ・・・・・・・・・・・・・・?っ・・」
「・・?」
何が起こったのか分からないようにきょとん、とした。
かかった物を手でぬぐった。やはり、きょとん、と手のひらをまじまじ見る。
「んあぁ、ぅん゛?、んうぅ??・・・」
そして納得が行ったように、顔が輝いた。嬉しそうに。
ジャンプの体にしなだれかる。
「なあんだ!なあんだ、あのね、平気だよう。だって私が自・・ひとりえっちでいただくおかず、」
「・・・っぃい!!!」
猫がのびをするような。
ついでのように、さんざ舐めたあげく吸われて、でも手加減はない。
だってバーサクだもの。きゅうっとつままれて、ジャンプの目の前がまた白くはじける。
「いっつもジャンプちゃんが気持ちよくなっちゃって失禁しちゃう所なんらよ?。
気持ち良かった?良かった?ジャンプちゃんなら掛けられても全然平気だよう?好きぃー」
イったばかりのこの仕打ちに、もうジャンプからは完全に応答はない。
最初から通じてないが。しゃくりあげて、目の光も怪しい。
サンデーちゃんはぐちょん、とジャンプちゃんの足をまたぐように落ち着いた。
「んっ、はあ、あん、あん、んぅー・・・気持ちいいねへぇ?大好きぃ?・・・・」
ジャンプちゃんの太ももにも、とろーっと筋を作る。
「あ、そうら、ジャンプちゃんさあ、『貝あわせ』って知ってるぅ?」
反応すらないが、サンデーはかまわないらしい。
ろれつもそろそろあきらめた方がいいのか。さっきからひくひく足先跳ね上げてるジャンプの太ももをよいしょ、と引っ張る。
「えへへ、ジャンプひゃんの気持ちいい所と私の気持ちいいところをくっつけちゃうの。考えた人すごいよねぇ、天才らよねえ?。
ふぅ?ん。一緒に気持ちよくなれるんらよ?やろうよ、いいよね」
相変わらず、無反応。だがサンデーは気にならないらしい。
よいしょ、よいしょ、となんとかジャンプの足の付け根にまたいで、一生懸命押し付ける。
「気持ちいいよねへぇ?・・・ああん、幸せらぉお。今日はいっぱい、いっぱひ気持ちよくなろうれへぇ?・・・」
「・・・・・」
頬も手で包んで、れろれろちゅっちゅ、唇を這わす。
「なんべんもなんべんも天国行こうれぇ、ジャンプちゃん、大好き大好き、んっ、誰よりも大好きだよぉ?」
へんじがない
まるでサンデーのターンをつげるようだ
ジャンプちゃんは、自分がベットで天井を見ているのに気付いた。
・・・気付けるまでぼーっとしてるとはな。体もだるくて腕も上がらないし。
頭を窓側に倒して、カーテンが半開きになってるのを見た。
ベット側を残して、向こうは光が差してる。
それからベットの上を見た。オレの服、きちんと畳まれて置いてある。
隣がサンデー?なんとなく浴室も見なくても分かる気がした。きちんと流してあって、バスローブまで畳んであるんだよ。この教科書通りムスメは。
それから、自分の喉を確かめた。
「あ、あ?」
・・・本当に治ってる。声はすべるように出るし、喉の痛みもなくなった。
そして自分の横で丸くなってる恋人を見る。
ジャンプちゃんは・・・わなわなと自分が震えてるのが分かった。
満腹した子猫みたいな。ミルクを平らげて満足して丸くなる子猫みたいな・・・。
「あ、ジャンプちゃん」
身じろぎや声に気付いたのか。サンデーが顔を上げた。
ジャンプちゃんの感想、そのままだ。
幸せそうな、胸もなにもかもすべてがいっぱいです、と言わんばかりの笑顔。
「目が覚めた?
ああ、気持ちよかったねえ。私、すっごい幸せ。また一緒にいっぱいいっぱい気持ちよくなろうね」
しなだれかかる恋人にも・・・ジャンプの震えは止まらなかった。
ガンガンちゃんは腕時計を見た。
思ったよりも遅いなあ。チェックアウトの時間、過ぎちゃう。
「ちょっと!ガンガン!」
心配していたら。
当の二人が来てくれたので、ガンガンちゃんは安心したように笑顔になった。
「あら、ジャンプちゃん。サンデーちゃんもちょうど良かっ・・・」
「良かねぇーっ!!」
予想はしていたけど、投げつけられるとは。
ガンガンちゃんはジャンプに叩きつけられた携帯をキャッチした。意外な運動神経。
「あっ、あんた・・・っ、あんた、どーゆう事だよ、どーゆう事ですか?!どーゆう事ですか、ご説明お願いできませんかっ!!」
あらら、相当、怒ってるわね。仕方ないけど。
あらかじめ返事は用意してあったのだが、それでもガンガンはきちんと携帯に目を走らせるしぐさをした。
「やだ?。業者さんメールの事?」
「はあ?!」
噛み付くジャンプ。
「出会い系サイトって知ってるでしょ?」
「う・・・まあ・・」
「宣伝メールに怒ってるの?何通か届いて、で、最後のメールに・・・」
ガンガンはころんころん笑いながら最後のメールを二人に見せた。
「興味を持ったらこのサイトにアクセスしてね、でおしまい。
ご存知の手口。で、これの何に怒ってるの?」
ジャンプは口をぱくぱくさせていた。な、納得が行かねぇーっ!
「!な、なんでサンデーに?!サンデーが貰うわけないだろ、近づくわけも・・・!」
「やあね。我が家の社員のメルアド、どこで漏れたのかしら。業者は無差別で嫌ねぇ」
ガンガンはまったく動じない。ころんころん笑い続ける。
そしてさっきから、もう身の置き場もない、というくらいに小さくなってるサンデー。
ジャンプの後ろで縮こまってるサンデーちゃんにいたずらっぽく笑いかけた。
「なるほど、びっくりしちゃったサンデーちゃんは従姉妹に泣きついた、ってとこ?」
びくっ、とサンデーの目線が上がる。
「サンデーちゃんに免疫あるわけないものね。
ジャンプちゃんに泣きついちゃったんだ。かえって悪い事しちゃったかしら」
のぞきこんだ目が、おびえるように視線をうろつかせたが・・・
「そうだよ!!」
ジャンプがサンデーの手首をひっ掴む。
「携帯はオレが探してあげるし!もうお返しします、今後、一切!ご親切は結構です!!」
怒鳴ってから、そのままサンデーの手首を掴んで、きびすを返した。
・・・今、プライドが微妙にくすぐられた。
あー、もうあのおねーさま、なんかやりにくいよ、つかみ所がねーんだよ!!
「・・・・・こじれたら、どうするつもりだったんスか?」
最初から最後まで、はたで無言でそれを聞いていたマガジン。ガンガンにぼそっと質問。
訊ねられると、ガンガンちゃんは大げさに相手を覗き込んだ。
「そしたら、この子猫ちゃんがなんとかしてくれるんでしょ?」
鼻をつまみながら笑う。
つままれた鼻を押さえて、マガジンは改めて思った。
ダメだ、やっぱヘンな悪循環にハマってる。
ジャンプちゃんはサンデーの手首を掴んで、後ろ足で砂蹴りたいくらいだった。
あー、なんか納得行かない、なんか、なんか!!
「・・・」
でも引っ張ってる相手の足取りが・・・
「・・・別にあんたには怒ってないから」
この世から消え入りそうだった。
最初から泣き顔だったけど、このコ、泣かれても分からないんだよね。
声押し殺すし。
サンデーは小刻みに肩を震わせている。
喉が時々、しゃくりあげるように上下するが。
苦しくないのか?上下させるだけで声も上げない。
ジャンプは立ち止まった。
「ごっ、ごめんなさ・・・っ、ごめんなさい・・・・・・っ」
サンデーはかぶりを振って、謝罪しか声にしなかった。
「ごっ、ごめんなさ・・・・っ、し、叱っ・・・・・お、怒って、叱って、お願い、なっ、なんでも言う通りするか・・・・っ」
「・・・・・」
「ごっ、ごめんなさい、ごめんなさい、・・・き、嫌わないで、お願い、嫌わないで・・・・」
うつむいて、ずっとそればかりを繰り返している。
ジャンプちゃんは荒れている胸中を、堪えるよう低く唸る。
「怒ってないから!」
ジャンプは両手を握ってから、続けて訊ねた。
「でもさぁ・・・あんた、ちょーっとオカシくない?
そもそも、泣くまで、とか暴れた場合の保護として、とかどーしてそこまで至るよ?
その部分、なーんか自分でも矛盾してるなーって?思った事は?」
はっきりさせておいた方がいい部分は外さない。
聡明な子だ。握る手に力を込める。
朝に人ごみがあふれるロビーで、二人の少女。
高い天井に談笑が響く。
サンデーちゃんは握る手に力をこめられて、震える声の合間あいま声を絞り出す。
消え入りそうだったサンデーちゃんにとっての、それが精一杯のようだ。
声は震えているが、切実な声色。
訴えるような。
「わっ、私、私、きっとジャンプちゃんの事、好きすぎるんだ・・・・・・・・・・・・・・・っ」
「・・・」
「・・・それがいけないんだ、わっ、私・・・、いっつも私がジャンプちゃんを一番に気持ちよく・・・・・・っ」
サンデーはかぶりをずっと振りながら、か細い声を振り絞る。
「・・・・良くだって、なんでも、なんだって一番、私がジャンプちゃんに・・・っ、
なんでも私が一番美味しいものを、一番に綺麗な、一番に駆けつけて一番、一番不自由がないように・・・・・・・・・」
「・・・・」
「私が、私が一番・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・世界で一番、ジャンプちゃんを幸せに・・・
いつも、いつもそればっかり・・・・・・・・・・・・だから、だからきっと駄目なんだ、わっ、私は、私はきっと・・・・・・・・・・・・・」
つづく言葉は、泣き声にもみくちゃにされる。
切れぎれに、それでもなんども私が、とか世界で一番、と聞こえるが。
「・・・・・」
ジャンプちゃんの肩が・・・・・・・ゆっくり大きく上下した。
ため息と一緒に。
そうして、苦笑いする。困ったような。
心底、参った、と言うように。
どうにも解けない難問の前に、途方に暮れるような。
腰に手を当てて、天井を仰いで。
がしがし頭をかいてから、相手の手首を柔らかく握りなおす。
「ま、まあ・・今、話すことでもないっか」
勢いをつけるように、自分に引き寄せる。
「ごっ、ごめ、ごめ・・・・・っ」
「ほら、泣かない、泣かない。まずは失くした携帯だよ。それが先だった。
またこんなの起きたら、困るしな?」
「ジャンプちゃ・・・」
「つか、オレが困る。・・・・・・・・・・ずーっと続けるんだもんな。オレ達、この関係」
「!!」
「ね?オレが一緒に探してあげるから。あんたも一緒に探す」
「ジャ・・・・っ」
「オレのリードに着いて来れない?オレのリード、嫌?不安?」
ジャンプの笑顔に、サンデーがさっきまでとは違う意味で喉を詰まらせた。
「つっ・・・・・・・・・・・・・・着いて行きますっ」
何度も、何度も頷いて。
「行かせてください!!どこでも行きます、どこだって平気です!!」
・・・さて、ガンガンちゃん。
ノリノリだった気分が萎えてきた。なーんだか、面倒な風向き?
去って行ったジャンプの様子を思い出す。
ジャンプちゃん、すっごく怒ってた。
ついでにサンデーの携帯も取り出す。
面倒な事になってきちゃった。火の粉が飛んできたら、すっごく面倒。
どっか誰かに丸投げできないかしら。
ちらっと目を上げたら、オレンジのナイキのスポーツバック。
ジャンプちゃんのバックじゃない。置いていったのかしら?
ジャンプとサンデーを視線で探すと、玄関ホールのひとごみにまぎれている。
「家に連絡は?」
ジャンプはサンデーに質問。
「まだホテルにあるって・・・」
「あー、あんたキッズ携帯だもんね。場所が分かるってヤツ?
あはは、もう中等科だろよ?。
よし、じゃ、オレがあんたの携帯にかけてあげるよ」
「・・・ジャンプちゃん・・」
「大丈夫、ずーっと鳴ってたら、誰かが気付くかも。
どっか奥の方にあっても、何度も鳴らしてたらさすがに気付いてくれるよ。
だいじょーぶ!そんな泣きそうな顔すんなって」
面倒になったガンガンちゃんは、取り出した水色のドコモをぽいっと放る。
放った先は、ナイキのスポーツバック。
「そんな顔、しない!
意外と近くで鳴ったら吹かね?すっごい近く。
えー?あんだけ騒がせて、こんな近くかよ?って。な?ほら、元気出して!」
ジャンプちゃんはアドレスからサンデーちゃんの名前を選ぶ。
見ていられなくなったマガジンちゃんが、とうとう目をつむった。
勘弁して、ループイクナイ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
悪循環、上等!!彼女達はようやくのぼりはじめたばかりだからな
このはてしなく遠い漫画雑誌坂をよ・・・
第七話 「ジャンプとかサンデーとかマガジンで百合」