『 果たして本当に人類は絶滅すべきなのか 』

「地球上の生物達よ。身勝手な人間どもに今こそ怒りをぶつけるのだ」

神様は世界中の動植物にそう呼びかけた。
自然を破壊し、地球を死に追いやろうとしている愚かな人類に天罰を与える為だ。
神様の力の源は生物の『願い』。
人類がどんなに進化しようが、どんなに数を増やそうが、地球上全ての生命がその滅亡を望んでしまえばひとたまりもないだろう。

「住処を奪われた者、仲間を殺された者、皆奴らに恨みがあると思う。力を貸してくれ、奴らを罰する力を!」





「いや、僕らには寧ろありがたい存在だけど。食べ物とか住処とか助かってるし」

「つか人間よりもゾウをどうにかしてくれ。あいつら食べ過ぎだよ」

「ニンゲン、なんだそれ」

真っ先に返事をしたゴキブリと草と深海魚。
その後も沢山の動植物達が返事をしたが、神様が待っていた答えは一向に返ってこなかった。

もちろん人類を恨んでいる者も居る。
しかし、逆に感謝する者や無関心な者も数え切れない程居たのだ。

「なんてことだ」

人類滅亡が地球の総意だなんて、人の勝手な思い込みである。

『 果たして本当に人類は絶滅すべきなのか 』

『 果たして本当に人類は絶滅すべきなのか 』

極短小説。

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-01-12

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