『 食べる食べられる 』

熊亀

「丸焼きにして」

口の辺りがギトギトテカテカ。
そいつは悪びれもせず、食べた、と続けた。
悪びれもせず、妻の骨をしゃぶり続けた。

「美味しかったです」

その言葉を聞き、自然と涙が溢れてくる。
悲しいからか、嬉しいからなのか。

「ごちそうさま、でした」

彼は『食べる』為に創られた存在。
何もかもが死に絶えた世界で、我々が創った存在。

我々は『食べられる』為に創られた存在。
昔々、平和だった世界で神様が創った存在。

『 食べる食べられる 』

『 食べる食べられる 』

極短小説。

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-01-10

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