ダルビッシュ有vs黒田博樹。

ニューヨーク・タイムズ紙のスポーツ面のトップに、今年ロサンゼルス・ドジャースからニューヨーク・ヤンキースへ入団した黒田博樹投手の記事が大きく掲載されていた。トップ記事の全体の半分を占めるほどのスペースに黒田投手が投球している大きなカラー写真と、「Without the Mystery」（＝未知数でない）との見出しだ。

僕は思わず、この記事に食らいついた。ヤンキースに在籍した伊良部秀輝投手、井川慶投手が期待に応えられなかったために、ヤンキースはアメリカでプレー経験のない日本人投手は獲得しない-ただし、黒田投手はドジャースでの４年間の実績がある-との内容。だから、「Without the Mystery」という見出しのわけだ。

「ニューヨーク・タイムズ紙が、デカデカと黒田を取り上げているぞ」と、僕はロサンゼルスに住んでいる大リーグ狂の友人に教えてやった。すると、冷たく「クロダネ」だ。続いて、「それよりも、ロサンゼルス空港でダルビッシュが到着してから車に乗り込むまでの一瞬だけ見ることができたけど、本当に身体もデカイし彼はやるぞ！」との切り返し。

ダルビッシュ有投手。テキサス・レンジャーズに入団が決定したのは知っていたものの、友人から詳しいデータを聞くまではそんなに凄い選手とは思っていなかった。ダルビッシュ有２６歳。黒田博樹３６歳。僕は、やはり、自分と同じくロサンゼルスからニューヨークへ移ってきた黒田投手に頑張ってもらいたい。

ヤンキースタジアムへ黒田を応援に行こう。その瞬間、僕はロサンゼルスに住んでいたときに日本食レストランで少し話した黒田投手の優しい雰囲気と、握手した掌の大きさを思い出した。同時に、僕がドジャースタジアムへ応援に行ったときの黒田投手は、いいピッチングをしていても味方の援護が無く、いつも負け試合だったことも一緒に。