『 困った才能 』

大胆なタッチで描かれた力強い線。
その鮮やかな赤に、ついつい目を奪われてしまった。

「……」

そしてその豪胆な主役を支え飾る、綺麗で繊細なライン。
同じ赤なのに、受ける印象が全く別のモノだ。

日常からかけ離れた神々しい世界観。
煌びやかで美しい、まるで……。

「早く食べようよ。ほら、冷めるから」

躊躇う事なく銀色を振るい、完成された黄金の世界を壊していく彼女。

「あ、ああうん。ごめん」

この素晴らしい才能は、是非ともキャンバスで発揮して欲しいものだ。

『 困った才能 』

『 困った才能 』

極短小説。

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-01-09

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