『 困った才能 』
。
大胆なタッチで描かれた力強い線。
その鮮やかな赤に、ついつい目を奪われてしまった。
「……」
そしてその豪胆な主役を支え飾る、綺麗で繊細なライン。
同じ赤なのに、受ける印象が全く別のモノだ。
日常からかけ離れた神々しい世界観。
煌びやかで美しい、まるで……。
「早く食べようよ。ほら、冷めるから」
躊躇う事なく銀色を振るい、完成された黄金の世界を壊していく彼女。
「あ、ああうん。ごめん」
この素晴らしい才能は、是非ともキャンバスで発揮して欲しいものだ。
『 困った才能 』