狂神二人、傾注に願する

大変短いです。狂った二人の少女の話。

残夢

私が親友、エリーナを亡くして一体どれほどたったのだろう。どうして彼女は死んだのだろうか。誰かに問いたくてならないがそれも叶わない。なぜなら私は海の中だから。決して海水浴にきたのではない。自分で来たくてきたのでもない。連れてこられた。誰にかとはいえない。でも確かに言えるのは、彼女も同じ思いでこの世を去ったのだなということ。

刹那

エリーナ=ジュラコフスキーはとても可愛かった。愛くるしいルックスは同性の私でも惚れてしまいそうなくらいね。クラスのマドンナ。でも、彼女にも秘密があったみたい。一般生徒の前ではマドンナを演じてたけどほんとは違う。私だけが知っている、彼女の秘密。人間って愚かよね。自分だけが、自分だけがっていう独占欲に溺れる。それは私も例外じゃない。でなきゃ私は人間じゃないでしょ?人間だからそんな感情を持つことができる。誇っていいことじゃないかしら。最も私は人前でひけらかすような真似はしない。そんなのは自己満足でしかないでしょ。だからね、エリーナ。貴女もほんとは正直でいたかったのでしょ?自己満足で終わりたくなかったのでしょ?いいことよね。嫌いじゃないわ、貴女みたいな人。でもね、貴女もきっと私みたいになっちゃうわ。だからね、そうなる前に、私が止めてあげるわ。

悠遠

アーグニャ=ファラレーエはおとなしかったわ。なんていうの、ほんともの静かなイメージを抱いてしまうわ。でも違うの。彼女はイメージとはかけ離れた存在。私は彼女が読んでる本を見たことがあるの。彼女は自殺マニアなのかしら。そんな本を読んでいたわ。将来が心配よ。私はおとなしいというイメージよりも今すぐ絞め殺したいという感情の方が大きいわ。私のことが眼中にないかのような態度。海に沈めてやりたいくらいよ。でもね、そんな感情は押し殺しておくの。人間ておかしなものなの。気に食わないことがあっても我慢する。動物の中でも異端。みんなそんな感情を持って生きているの。でも動物らしくありたいのならば奔放に生きるの。だから殺したくなったら殺してもいいのよね?

唐突

エリーナが最近おかしいわ。私の後をずっとつけてくるの。時々舌なめずりが聞こえる。手には出刃包丁かしら?あんなのでやられたらひとたまりもないわ。でもね、エリーナ。私と貴女はよく似てるの。だから貴女がしたいこともよくわかるわ。でもだんだん怖くなってくるわ。やめてよ、そんなこと。私の両親だって怖がってるわ。そんな態度を取り続けるのなら、私にも考えがあるわよ。

奔走

さよならアーグニャ。愛しき人。もう貴女とは会えないの。だからこうしてるの。お願い気づいてよ。
...待って、もし私が消えて貴女も消えたら?
一緒にいられるのかしら?

狂神二人、傾注に願する

私が自己解釈ver以外を書いたのはいつ以来だろう?

狂神二人、傾注に願する

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-01-07

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  1. 残夢
  2. 刹那
  3. 悠遠
  4. 唐突
  5. 奔走